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インストールとアップグレードの問題のトラブルシューティング (Reporting Services)

このトピックでは、Reporting Services のインストールやアップグレードの際に発生する問題のトラブルシューティングと回避について説明します。Reporting Services のインストールの前提条件、ログ、および構成の詳細については、「Reporting Services インストール時の問題を解決する方法」を参照してください。

このトピックでは、次の問題について説明します。

  • オペレーティング システムをアップグレードするとパフォーマンス カウンタが表示されない

  • SQL Server 2000 Reporting Services からのアップグレードが失敗した場合に修復を実行するとエラーが表示される

  • SQL Server 2005 からアップグレードすると構成プロパティの ReportServerExternalURL と PassThroughCookies が構成されない

  • SQL Server 2000 Reporting Services をインストールすると SQL Server 2008 Reporting Services の既定のインスタンスが破損する

  • SQL Server 2008 Reporting Services を実行しているコンピュータで SQL Server 2005 Reporting Services の既定のインスタンスのインストールが失敗する

  • SQL Server 2005 から SQL Server 2008 にアップグレードした後に Windows 認証を使用すると "401 - 権限がありません" エラーが表示される

  • SQL Server 2008 Reporting Services の 32 ビット インスタンスと 64 ビット インスタンスのサイド バイ サイド配置で 32 ビット インスタンスをアンインストールすると、64 ビット インスタンスが破損する

  • February CTP のインストール後に SSL 証明書をインストールしてあると、February CTP からそれ以降の SQL Server 2008 Reporting Services のリリースにアップグレードするときにエラー メッセージが表示される

オペレーティング システムをアップグレードするとパフォーマンス カウンタが表示されない

Reporting Services を実行するコンピュータでオペレーティング システムを Windows Vista、Windows Server 2008、またはそれ以降のバージョンのオペレーティング システムにアップグレードした場合、アップグレード後に Reporting Services のパフォーマンス カウンタが設定されなくなります。

Reporting Services のパフォーマンス カウンタを再設定するには

  1. 次のレジストリ キーを削除します。

    • HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\MSRS 2008 Web Service

    • HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\MSRS 2008 Windows Service

  2. コマンド ウィンドウを開き、コマンド プロンプトで次のコマンドを入力します。

    • run<.NET 2.0 Framework ディレクトリ**>\InstallUtil.exe<レポート サーバーの Bin ディレクトリ>\ReportingServicesLibrary.dll**

      注意注意

      <.NET 2.0 Framework ディレクトリ> は .NET Framework 2.0 ファイルの物理パス、<レポート サーバーの Bin ディレクトリ> はレポート サーバーの bin ファイルの物理パスと置き換えます。

  3. Reporting Services サービスを再開します。

手順が正しく行われたことを確認するには、Web ブラウザを開き、レポート マネージャ URL またはレポート サーバー URL に移動します。その後、パフォーマンス モニタを開き、カウンタが機能していることを確認します。

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SQL Server 2000 Reporting Services からのアップグレードが失敗した場合に修復を実行するとエラーが表示される

SQL Server 2000 から SQL Server 2008Reporting Services へのアップグレードが失敗した場合は、修復を実行して問題を修正することができます。ただし、修復を実行した後に、レポート マネージャを開いたりレポートを表示しようとしたりして Reporting Services にアクセスしようとすると、次のようなエラー メッセージが表示される場合があります。

"レポート サーバー データベースのバージョンが無効な形式であるか、または読み取りが許可されていません。見つかったバージョンは 'C.0.6.54' です。必要なバージョンは 'C.0.9.45' です。(rsInvalidReportServerDatabase)"

この問題を修正するには、Reporting Services データベースの db_owner ロールに RSExecRole を追加する必要があります。

Reporting Services データベースの db_owner ロールに RSExecRole を追加するには

  1. SQL Server Management Studio を開き、ReportServer データベースと ReportServerTempDB データベースをホストしているデータベースに接続します。

  2. オブジェクト エクスプローラで、[データベース][ReportServer][セキュリティ][ロール]、および [データベース ロール] の各ノードを展開します。

  3. [db_owner] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  4. [データベース ロールのプロパティ] ページで、[追加] をクリックします。

  5. [データベース ユーザーまたはロールの選択] ページで、「RSExecRole」と入力し、[OK] を 2 回クリックします。

  6. ReportServerTempDB に対して、これらの手順を繰り返します。

  7. レポート サーバー サービスを再開します。サービスを 2 回再起動する必要がある場合もあります。詳細については、「レポート サーバー サービスの開始と停止」を参照してください。

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SQL Server 2005 からアップグレードすると構成プロパティの ReportServerExternalURL と PassThroughCookies が構成されない

SQL Server 2005 から SQL Server 2008Reporting Services にアップグレードする場合は、構成プロパティの ReportServerExternalURL と PassThroughCookies がアップグレード プロセスで構成されません。ReportServerExternalURL はオプションのプロパティです。SharePoint 2.0 Web パーツを使用していて、ユーザーがレポートを取得して新しいブラウザ ウィンドウで開くことができるようにする場合にのみ設定する必要があります。ReportServerExternalURL の詳細については、「構成ファイル内の URL (Reporting Services)」を参照してください。PassThroughCookies は、カスタム認証を使用する場合にのみ必要です。PassThroughCookies の詳細については、「レポート マネージャでカスタム認証 Cookie を送信できるようにする方法」を参照してください。

注意注意

カスタム認証を使用する場合は、アップグレードを実行する代わりに現在のインストールを移行することをお勧めします。Reporting Services を移行する方法の詳細については、「Reporting Services のインストールを移行する方法」を参照してください。

既定では、これらのプロパティは SQL Server 2008Reporting Services の構成には存在しません。SQL Server 2005 でこれらのプロパティを構成していて、その機能が引き続き必要な場合は、アップグレード プロセスの完了後にこれらを手動で RSReportServer.config ファイルに追加する必要があります。詳細については、「Reporting Services の構成ファイルを変更する方法」を参照してください。

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SQL Server 2000 Reporting Services をインストールすると SQL Server 2008 Reporting Services の既定のインスタンスが破損する

SQL Server 2000Reporting Services と SQL Server 2008Reporting Services を同じコンピュータで実行する必要がある場合は、SQL Server 2000 インスタンスを先にインストールしてください。そうしないと、SQL Server 2000Reporting Services のインストール時に既定のインスタンスの SQL Server 2008Reporting Services サービスのエントリが上書きされて、SQL Server 2008 インスタンスが破損します。この問題が発生するのは、SQL Server 2000Reporting Services は既定のインスタンスとしてのみインストールされますが、そのインストール プロセスで、既定のインスタンスが既に SQL Server 2008Reporting Services インスタンスによって使用されていることが検出されないためです。SQL Server 2008 インスタンスを修復しようとすると、SQL Server 2008 インスタンスは修復されますが、SQL Server 2000 インスタンスが破損します。

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SQL Server 2008 Reporting Services を実行しているコンピュータで SQL Server 2005 Reporting Services の既定のインスタンスのインストールが失敗する

SQL Server 2008Reporting Services のインスタンスを既に実行しているコンピュータで SQL Server 2005Reporting Services の既定のインスタンスをインストールしようとすると、次のエラー メッセージが表示されて SQL Server 2005Reporting Services インスタンスのインストールが失敗します。

"このコンピュータには、同じ名前のインスタンスが既にインストールされています。SQL Server のセットアップを続行するには、一意なインスタンス名を指定してください。"

この問題は、SQL Server 2008Reporting Services インスタンスが既定のインスタンスであっても名前付きインスタンスであっても、その名前の SQL Server 2008Reporting Services インスタンスが既にコンピュータに存在していてもいなくても、発生します。

この問題を回避するには次の方法があります。

  • SQL Server 2005Reporting Services をコンピュータ上の既定のインスタンスとして実行する必要がある場合は、SQL Server 2005Reporting Services インスタンスを SQL Server 2008Reporting Services インスタンスの前にインストールする必要があります。

  • SQL Server 2005Reporting Services インスタンスを既定のインスタンスにする必要がない場合は、SQL Server 2008Reporting Services インスタンスをインストールした後に SQL Server 2005Reporting Services インスタンスを名前付きインスタンスとしてインストールできます。

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SQL Server 2005 から SQL Server 2008 にアップグレードした後に Windows 認証を使用すると "401 - 権限がありません" エラーが表示される

SQL Server 2005Reporting Services から SQL Server 2008Reporting Services にアップグレードする場合に、レポート サーバー サービス アカウントにビルトイン アカウントを使用して NTLM 認証を使用していると、アップグレード後にレポート サーバーやレポート マネージャにアクセスするときに "401 - 権限がありません" エラーが表示される場合があります。

この問題が発生するのは、SQL Server 2008Reporting Services では Windows 認証の既定の構成が変更されているためです。レポート サーバー サービス アカウントが NetworkService または LocalSystem である場合はネゴシエートが構成され、レポート サーバー サービス アカウントがこれらのビルトイン アカウントではない場合は NTLM が構成されます。アップグレード後にこの問題を修正するには、RSReportServer.config ファイルを編集して AuthenticationType を RSWindowsNTLM に設定します。詳細については、「Reporting Services で Windows 認証を構成する方法」を参照してください。

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SQL Server 2008 Reporting Services の 32 ビット インスタンスと 64 ビット インスタンスのサイド バイ サイド配置で 32 ビット インスタンスをアンインストールすると、64 ビット インスタンスが破損する

SQL Server 2008Reporting Services の 32 ビット インスタンスと 64 ビット インスタンスをサイド バイ サイドでコンピュータにインストールしている場合に 32 ビット インスタンスをアンインストールすると、Reporting Services の 4 つのレジストリ キーが削除されて、Reporting Services の 64 ビット インスタンスが破損します。32 ビット インスタンスをアンインストールすると削除されるのは、Reporting Services の以下のレジストリ キーです。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\MSRS 2008 Web Service\Performance:Counter NamesHKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\MSRS 2008 Windows Service\Performance:Counter NamesHKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\MSRS 2008 Web Service\Performance:Counter TypesHKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\MSRS 2008 Windows Service\Performance:Counter Types

この問題を修正するには、64 ビット インスタンスを修復します。修復を使用することをお勧めしますが、レジストリ エディタを使用してレジストリ キーをもう一度手動で追加することもできます。

注記注意

レジストリの編集を誤ると、システムに深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。レジストリを変更する前に、コンピュータ上のすべての重要なデータをバックアップしておくことをお勧めします。

レジストリ エディタを使用して Performance のレジストリ キーをもう一度追加するには

  1. レジストリ エディタを開きます。

    1. [スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。

    2. [ファイル名を指定して実行] ダイアログ ボックスで、[名前] ボックスに「regedit」と入力します。

  2. レジストリ エディタで、次のレジストリ キーを選択します。HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\MSRS 2008 Web Service\Performance

  3. [Performance] ノードを右クリックし、[新規] をポイントして [複数行文字列値] をクリックします。

  4. 「Counter Names」と入力して、Enter キーを押します。

  5. 同じ手順を繰り返して、このノードに Counter Types レジストリ キーを追加します。

  6. 次のレジストリ キーに移動します。HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\MSRS 2008 Web Service\Performance

  7. [Performance] ノードを右クリックし、[新規] をポイントして [複数行文字列値] をクリックします。

  8. 「Counter Names」と入力して、Enter キーを押します。

  9. 同じ手順を繰り返して、このノードに Counter Types レジストリ キーを追加します。

64 ビット インスタンスを修復するか、レジストリ キーをもう一度手動で追加したら、パフォーマンス モニタを使用して、監視する Reporting Services パフォーマンス オブジェクトを構成できます。

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February CTP のインストール後に SSL 証明書をインストールしてあると、February CTP からそれ以降の SQL Server 2008 Reporting Services のリリースにアップグレードするときにエラー メッセージが表示される

SQL Server 2008Reporting Services を February CTP からリリース候補 0 (RC0) 以降にアップグレードするときに、February CTP バージョンをインストールしたり February CTP バージョンにアップグレードしたりした後にインターネット インフォメーション サービス (IIS) の既定の Web サイトに SSL (Secure Sockets Layer) 証明書をインストールしてあると、アップグレードの途中で次のエラーが表示されます。

"SSL 証明書名を取得できませんでした。"

この問題が発生すると、アップグレードを続行できなくなります。この問題を回避するには、RC0 や RTM にアップグレードする前に既定の Web サイトの SSL 証明書を削除して、アップグレードが完了してからもう一度既定の IIS Web サイトに適用します。

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変更履歴

変更内容

Reporting Services を実行するコンピュータでオペレーティング システムをアップグレードした後にパフォーマンス カウンタが設定されなくなることに関するセクションで、影響を受けるオペレーティング システムの一覧を更新しました。