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テキストの書式設定と HTML のインポート (レポート ビルダ 2.0)

テキスト ボックスは、データ領域内のレポート アイテムまたは個々のセルであり、テキスト、計算フィールド、データベース内のフィールドへのポインタ、またはこの 3 つのアイテムの組み合わせを格納します。フォントと色の組み合わせ、太字や斜体のスタイルの追加、整列配置やぶら下げインデントなどの段落スタイルの使用が可能です。また、テキスト ボックス全体の書式を設定することも、テキスト ボックス内の特定のテキスト、数値、式、またはフィールドの書式を設定することも可能です。

フォント、サイズ、色、効果などはすべてレポートの読みやすさを左右します。テキスト ボックスやデータ領域内のテキストに、フォント、フォント スタイル、フォント サイズ、下線などの効果を適用できます。既定では、使用されるレポート フォントは、Arial (10 ポイント、黒) です。[テキスト ボックスのプロパティ] ダイアログ ボックスでは、レポートが表示されるときのテキストの外観を指定できます。

テキスト ボックス内に単純型または複合型の式が定義されている場合、この式の結果表示される UI をプレースホルダと呼んでいます。1 つのテキスト ボックス内の任意の数のプレースホルダまたはテキスト セクションに、色、フォント、アクション、その他の動作を定義できます。

テキスト ボックス内のプレースホルダ テキストの作成

プレースホルダの値は常に、単純型または複合型の式です。式を作成してテキスト ボックスにプレースホルダを追加するには、次のいずれかの方法に従います。

  • レポート データ ペインからテキスト ボックスにフィールドをドラッグしてドロップします。レポート本文のその他の場所に式をドラッグした場合は、プレースホルダを含んだ新しいテキスト ボックスが作成されます。このプレースホルダの値は、ドロップされたフィールドに対応するフィールド式になります。

  • テキスト ボックス内で右クリックし、[プレースホルダの挿入] をクリックします。[プレースホルダのプロパティ] ダイアログ ボックスで、プレースホルダの値として式を指定できます。詳細については、「[全般] ([プレースホルダのプロパティ] ダイアログ ボックス) (レポート ビルダ 2.0)」を参照してください。

  • 任意の単純型または複合型の式をテキスト ボックスに入力します。たとえば、テキスト ボックスに「Name: [Name]」と入力すると、式 =Fields!Name.Value を表すプレースホルダとして [Name] というテキストが表示されます。式でサポートされる表示テキストの種類については、「単純式と複合式について (レポート ビルダ 2.0)」を参照してください。

  • 空のテキスト ボックスに、等号 (=) で始まる式を入力します。テキスト ボックスからフォーカスを切り替えると、結果の式が編集可能なプレースホルダに変換されます。テキスト ボックスが空でない場合や、テキスト ボックス内のテキストが等号 (=) で始まっていない場合は、等号が文字列リテラルとして解釈され、プレースホルダが作成されません。単純型の式と複合型の式の詳細については、「式の使用 (レポート ビルダ 2.0)」を参照してください。

テキスト ボックス内のプレースホルダと静的テキストの書式設定

[プレースホルダのプロパティ] ダイアログ ボックスを使用してプレースホルダの書式を設定できます。書式設定できるのは、プレースホルダの一部ではなく、プレースホルダ全体です。基になる式を確認する場合は、プレースホルダにポインタを合わせます。基になる式を変更するには、プレースホルダをダブルクリックするか、プレースホルダを右クリックして [プレースホルダのプロパティ] を選択します。[プレースホルダのプロパティ] ダイアログ ボックスの [全般] にある [ラベル] プロパティを使用すると、UI ラベルも指定できます。これは、デザイン時に表示されるプレースホルダのテキストになります。

プレースホルダ テキストとは異なり、テキスト ボックス内のテキストを個別に配置したり、1 つのテキスト ボックス内に複数の段落を使用したり、テキストのサブセットに他の動作を定義したりできます。

1 つのテキスト ボックス内のテキストのサブセットに色、フォント、アクション、その他の動作を定義して、レポートのテキストに文書の差し込みやテンプレートを作成できます。また、1 つのテキスト ボックス内で複数の段落を使用できます。たとえば、テキストに 2 つの段落がある場合、テキスト ボックス内で ENTER を押すと段落を分けることができます。個々のテキスト文字列に配置の値を設定することもできます。また、テキスト ボックス内の個々のテキストにアクションを定義することもできます。これは、テキスト ボックス内に含まれているテキスト文字列にハイパーリンクを追加する場合に便利です。

注意注意

テキスト ボックスに定義されたアクションは、テキスト ボックス内の個々のテキストに定義されたアクションよりも優先度が高くなります。

混合書式設定の詳細については、「テキスト ボックス内のテキストを書式設定する方法 (レポート ビルダ 2.0)」を参照してください。

テキスト ボックスへの HTML のインポート

テキスト ボックス レポート アイテムを使用すると、データセットのフィールドから取得した HTML 形式のテキストをレポートに挿入できます。正しい形式の HTML に評価される単純型または複合型の式のテキストを使用できます。書式付きのテキストは、PDF などのサポートされている出力形式すべてにレンダリングできます。

注意注意

HTML マークアップが含まれたテキストをインポートする場合、データは必ず最初にテキスト ボックスによって解析される必要があります。サポートされているのは HTML タグのサブセットのみなので、レンダリングされたレポートに表示される HTML が元の HTML と異なる場合もあります。

以下は、プレースホルダ テキストとして定義された場合に HTML として表示されるタグの全リストです。

  • ハイパーリンク: <A href>

  • フォント: <FONT>

  • ヘッダー、スタイル、およびブロック要素: <H{n}>, <DIV>, <SPAN>, <P>, <DIV>, <LI>, <HN>

  • テキスト形式: <B>, <I>, <U>, <S>

  • リストの処理: <OL>, <UL>, <LI>

レポートの処理中、その他の HTML マークアップ タグはすべて無視されます。プレースホルダ テキスト内の式で表される HTML が整形式でない場合、プレースホルダはプレーン テキストに変換されます。HTML タグの大文字と小文字は区別されません。

テキスト ボックスに含まれているテキストが 1 ブロックだけの場合は、ブロック要素を定義するプレースホルダ内の HTML は正しくレンダリングされます。しかし、テキスト ボックスに多数のテキスト ブロックがある場合は、HTML タグが無視され、テキストの構造はテキスト ブロックによって定義されます。

テキストに複数のタグが定義され、Reporting Services で HTML と既存のレポート制約に競合が検出された場合は、一番内側の HTML タグのみが HTML として扱われます。

詳細については、「HTML をレポートに追加する方法 (レポート ビルダ 2.0)」を参照してください。

カスケード スタイル シート属性の制限

カスケード スタイル シート (CSS) 属性を使用する場合、基本的なタグ セットのみが定義されます。サポートされている属性の一覧を次に示します。

  • テキストの配置、テキストのインデント

  • フォント ファミリ、フォント サイズ

  • 埋め込み、埋め込みの下部、埋め込みの上部、埋め込みの右側、埋め込みの左

  • フォントの太さ

以下は、CSS を使用するときの注意点です。

  • 不正な HTML と同様に不正な CSS 値は無視されます。

  • 同じタグに属性と CSS スタイル属性の両方がある場合は、CSS プロパティの方が優先順位が高くなります。たとえば、テキストが <p style="text-align: right" align="left"> の場合、テキスト配置属性のみが適用されます。

  • 属性と CSS スタイルでは、プロパティが 2 回以上指定されている場合、最後のインスタンスのみが適用されます。たとえば、テキストが <p align="left" align="right"> の場合、テキストは右揃えになります。

全般を使用した横方向のテキストの配置

[テキスト ボックスのプロパティ] ダイアログ ボックスの [配置] では、テキストを横方向に配置する方法を指定できます。配置の値を指定しなければ、配置の既定値は [既定] になります。つまり、テキストはプレースホルダの値のフィールド タイプに基づいて配置されます。文字列以外に評価される式を指定すると、テキストが右揃えになります。式が文字列に評価される場合は、テキストが左揃えになります。