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Hyperion Essbase Cube に対する拡張フィールド プロパティの使用 (レポート ビルダ 2.0)

Hyperion Essbase データ処理拡張機能では、拡張フィールド プロパティがサポートされています。拡張フィールド プロパティとは、データ ソースで使用でき、データ処理拡張機能でサポートされる Reporting Services 対応のフィールド プロパティである Value および IsMissing に加えて使用するプロパティです。拡張プロパティは、レポート データセットのフィールド コレクションの一部としてレポート データ ペインには表示されません。拡張フィールド プロパティ値をレポートに含めるには、組み込み Fields コレクションを使用して名前で拡張フィールド プロパティを指定する式を記述します。

拡張プロパティには、定義済みプロパティとカスタム プロパティがあります。定義済みプロパティとは、複数のデータ ソースに共通のプロパティであり、特定のフィールド プロパティ名にマッピングされます。組み込み Fields コレクションを使用することで、これらのプロパティに名前でアクセスすることができます。カスタム プロパティは、データ プロバイダごとに定義され、拡張プロパティ名を文字列として扱う構文のみを使用して、組み込み Fields コレクションを介してアクセスできます。

定義済みの拡張プロパティを式の中で参照するには、次のいずれかの構文を使用します。

  • Fields!FieldName.PropertyName

  • Fields!FieldName("PropertyName")

フィールド プロパティの操作

拡張フィールド プロパティは、Microsoft.NET Framework Data Provider for Hyperion Essbase を使用して MDX クエリを実行する際に、レポート データセット フィールドと同時に取得されます。MDX クエリで指定されたフィールド、およびディメンション プロパティとセル プロパティは、データ ソースから取得されます。

フィールド プロパティは、次のカテゴリに分類されます。

  • 複数のデータ プロバイダで一般的にサポートされ、定義済みのレポート データセット フィールド プロパティにマッピングされるフィールド プロパティ。たとえば、定義済みレポート データセットの Value プロパティは、データ ソースのメジャーまたはディメンションの値に関する既定のプロパティです。メジャーの既定値は数値です。ディメンションの既定値は、わかりやすいキャプションです。既定値をテキスト ボックスに入力するには、=Fields!<FieldName>.Value という式を使用します。

  • 複数のデータ プロバイダで一般的にサポートされ、レポート データセットの基となる MDX クエリに表示される定義済みフィールド プロパティ。たとえば、MDX ディメンション プロパティ MEMBER_UNIQUE_NAME は、定義済みレポート データセット フィールド プロパティ UniqueName にマッピングされます。一意な名前の値をテキスト ボックスに入力するには、=Fields!<FieldName>.UniqueName という式を使用します。

  • データ プロバイダでサポートされ、レポート データセットの基となる MDX クエリで使用される一方で、レポートのデータセット ペインにはそのデータセットのフィールドとして表示されないカスタム フィールド プロパティ。たとえば、[長い名前] はディメンション レベルで定義されたメンバ プロパティです。値をテキスト ボックスに入力するには、=Fields!<FieldName>("Long Names") という式を使用します。この式ではフィールド名の大文字と小文字が区別されます。

クエリ デザイナのメタデータ ペインでフィールドにカーソルを合わせると、拡張フィールド プロパティの名前がツールヒントに表示されます。基になるデータを探索するときに使用できるクエリ デザイナの詳細については、「Hyperion Essbase クエリ デザイナのユーザー インターフェイス (レポート ビルダ 2.0)」を参照してください。

フィールドおよびフィールド プロパティを式の中で使用する方法の詳細については、「式での組み込みコレクションの使用 (レポート ビルダ 2.0)」を参照してください。

注意注意

拡張フィールド プロパティに対応する値が存在するのは、そのプロパティが MDX 式に含まれており、レポートを実行して対応するデータセットのデータを取得する際に、データ ソースによって値が提供された場合のみです。その場合、以下のセクションに示す構文を使用して、すべての式からこれらの Field プロパティ値を参照できます。ただし、これらのフィールドはこのデータ プロバイダに固有であり、レポート定義言語には含まれないため、これらの値に加えた変更はレポート定義には保存されません。

定義済みフィールド プロパティ

次の表に、Hyperion Essbase データ ソースで使用できる定義済みフィールド プロパティの一覧を示します。

プロパティ

データ型

説明/有効値

Value

Object

フィールドのデータ値を指定します。

ディメンション プロパティの場合は、MEMBER_CAPTION にマッピングされます。メジャーの場合は、データ値にマッピングされます。

IsMissing

Boolean

フィールドが結果データセットに存在するかどうかを示します。

FormattedValue

String

主要データを書式設定した値を返します。

MDX 式の FORMATTED_VALUE からマッピングされます。

BackgroundColor

String

データベースで定義されたフィールドの背景色を返します。

MDX 式の BACK_COLOR からマッピングされます。

Color

String

データベースで定義されたアイテムの前景色を返します。

MDX 式の FORE_COLOR からマッピングされます。

UniqueName

String

レベルの完全修飾名を返します。

MDX 式の MEMBER_UNIQUE_NAME からマッピングされます。

カスタム プロパティ

カスタム拡張プロパティを式の中で参照するには、次の構文を使用します。

  • Fields!FieldName("PropertyName")

次の表に、Hyperion Essbase データ ソースで使用できるカスタム フィールド プロパティを示します。

プロパティ

データ型

説明/有効値

FORMAT_STRING

String

メジャーで定義されます。String 型として使用できる FormattedValue です。