レポート サーバー データベースの必要条件の評価
レポート サーバー データベースは、1 台以上のレポート サーバーの内部的な記憶域になります。必要なディスク領域は大きく変わることがあり、一概には特定できません。必要な領域は、1 つのレポート サーバー データベースからサービスを利用するサーバーおよびユーザーの数や、データを含むレポートを完全な形で保存するかどうか (レポート スナップショットやレポート履歴など) によって変化します。
レポート サーバー データベースは、リモート SQL Server インスタンス上またはフェールオーバー クラスタ内にインストールできます。処理が高速な別のコンピュータにデータベースをインストールすると、パフォーマンスが最適化されます。パフォーマンスを向上する主要な要因は、レポート サーバー データベースをホストしているコンピュータ上のディスク アクセス速度を上げることです。
必要なディスク領域とデータベース サイズの制限を判断するには、使用率が高い時期に長期間にわたってデータベースのサイズを監視する必要があります。使用に適したツールや技法の詳細については、「レポート サーバーのパフォーマンスの監視」、「レポートとスナップショットのサイズ制限」、および Web サイト (www.msdn.microsoft.com) の「Reporting Services でのスケーラビリティおよびパフォーマンスの計画」を参照してください。
ここで説明するすべてのアイテムは、レポート サーバー データベース、またはレポート サーバーの一時データベースに領域を割り当てられます。それぞれのアイテムについて個別に説明しますが、アイテムの種類ごとに領域を割り当てたり制御することはできません。たとえば、リソース、キャッシュ、またはレポート履歴について上限を設けることはできません。必要なデータベース サイズを算出するには、これらのアイテムをすべて一括して考慮する必要があります。
レポート、フォルダ、共有データ ソース アイテム、およびメタデータ
レポート定義、フォルダ、共有データ ソース アイテム、およびスケジュール、サブスクリプション、プロパティなどのメタデータが、レポート サーバー データベースに保存されます。これらのアイテムを保存するのに必要な領域は、このトピックに記載する他のアイテムと比較すると小さめです。
リソース
リソースは BLOB として保存されます。画像ファイルや、レポートに付随するドキュメントを保存する場合、リソースに割り当てる領域が小さくなることがあります。ただし、PDF ファイルとして生成したファイルをアップロードするなど、アーカイブ化の手段としてリソースを使用する場合、リソースに必要な記憶域は非常に大きくなります。
セッション状態の情報
セッション状態の情報は、レポート サーバーの一時データベースの、一時テーブルに保存されます。このテーブルは、開いているセッションの数に応じて大きくなります。必要な領域は、ユーザー数によって変化します。新しいセッションごとに、行が 1 行生成されます。必要なデータベース サイズの算出にあたっては、ユーザー数が極端に多くない限り、セッション状態情報を考慮する必要はあまりありません。
キャッシュされたレポート、レポート履歴スナップショット、レポート実行スナップショット
キャッシュに保存されたレポート (一時スナップショットとも呼ばれます) は、レポート サーバーの一時データベースの一時テーブルに一定期間保存されます (キャッシュされたコピーは、数分後、またはスケジュール設定した時刻に失効します)。キャッシュされたレポートには、クエリの結果が含まれています。クエリの結果は、基になるレポート定義よりも大きい場合があります。実行計画の一部としてレポートのキャッシュを考えている場合、レポートに対して割り当てる領域はサイズを大きく変更できるようにする必要があります。
パラメータ化されたレポートの場合、パラメータ値の組み合わせごとに、キャッシュするレポートを個別に生成できます。たとえば、地域パラメータに東、西、南、北の値を使用するレポートの場合、キャッシュされたコピーが各地域ごとに作成されます。
スナップショットは、レポート履歴として保存する場合も、パフォーマンス向上のためにのみ使用する場合も、一時テーブルではなくレポート サーバー データベースに保存されます。キャッシュされたレポートと同様に、大きな行セットが含まれる場合があります。レポートのアーカイブにレポート履歴を使用する場合、スナップショットの増加に合わせて長期的に領域の割り当てを増やすことを計画する必要があります。