マルチベースの差分バックアップの使用
このトピックは、完全復旧モデルまたは一括ログ復旧モデルを使用しているデータベースのうち、複数のファイル グループが存在し、バックアップ方法にファイル バックアップと差分バックアップが含まれているデータベースのみに関連しています。部分的な差分バックアップでは、ベースとして 1 つの部分バックアップを使用する必要があります。
注意 |
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単純復旧モデルでは、差分バックアップに 1 つのベースしか使用できません。マルチベースの差分バックアップは禁止されており、使用すると失敗となりエラーが表示されます。 |
完全復旧モデルでは、差分バックアップに差分ベースが異なるファイルを含めることができます。複数のベースを持つ差分バックアップは、マルチベース差分バックアップと呼ばれています。マルチベースの差分バックアップは、管理とメンテナンスが困難な場合があります。このため、マルチベースの差分バックアップを作成することは避けてください。代わりに、データベース バックアップではデータベースの差分バックアップを使用し、ファイル バックアップではファイルの差分バックアップを使用します。
マルチベースの差分バックアップの原因
一連のファイル バックアップに基づいているデータベースの差分バックアップを実行した場合に、差分バックアップがマルチベースになることがあります。マルチベースの差分バックアップは、使用されたファイル差分のリストに複数のファイルが含まれており、そのリストが、直前のファイル バックアップで指定されたリストと異なる場合にも発生する場合があります。また、部分バックアップ以降にファイル グループのアクセスが変更された場合にもマルチベースが発生します。詳細については、「部分的な差分バックアップ」を参照してください。
マルチベースの差分が役立つ場合
まれに、マルチベースの差分が役立つ場合があります。たとえば、データベース管理者は完全なデータベース差分をファイル バックアップの完全なセットと共に使用する場合があります。ファイル バックアップのセット全体によって 1 つのデータベース バックアップが置換され、マルチベースの差分が作成されます。データベースの使用状況によっては、差分が非常に小さくなることがあります。いずれの場合でも、ファイルの復元は、最初にファイル バックアップを復元し、次に完全なデータベース差分を復元するという同じ手順に従って実行されます。
この場合、マルチベースの差分は、別々のファイルの差分バックアップがいくつかある場合よりも管理しやすく、バックアップおよび復元手順も簡単です。すべてのファイルが同じように処理されるので、復元するバックアップについての混乱はありません。
差分バックアップに複数のベースを使用する場合は、できるだけ単純な形のマルチベースにしてください。特に、復元時に一部のファイルやファイル グループの処理方法が他と異なるような、複雑なマルチベース差分を使用する方法は避けてください。たとえば、データベースの完全バックアップ、ファイル バックアップ、データベース差分を混在させないでください。また、前の例のように非常に簡単で予測可能なグループ化でない限り、データベースの完全バックアップと差分バックアップのファイルを異なる方法でグループ化しないでください。