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ロックおよび行のバージョン管理

SQL Server データベース エンジンでは、複数のユーザーが同時にアクセスしたときにトランザクションの整合性を保証し、データベースの一貫性を保つため、次のメカニズムを使用します。

  • ロック

    トランザクションの要求があるたびに、そのトランザクションが依存する行、ページ、テーブルなどの各種リソースにロックがかかります。ロックをかけると、ロックを要求したトランザクションにとって問題になるようなリソースの変更が行われないように、他のトランザクションがブロックされます。各トランザクションは、ロックしたリソースに対する依存関係がなくなったときにロックを解放します。

  • 行のバージョン管理

    行のバージョン管理に基づく分離レベルが有効になっている場合、変更されたそれぞれの行のバージョンがデータベース エンジンによって管理されます。すべての読み取りをロックで保護するのではなく、トランザクションで使用する行のバージョンを使い分けて、トランザクションまたはクエリの開始時点の状態のデータを参照できるようにすることをアプリケーションで指定できます。行のバージョン管理を使用することで、読み取り操作が原因で他のトランザクションがブロックされる可能性が大幅に減少します。

ロックおよび行のバージョン管理を実装することで、ユーザーがコミット前のデータを読み取ったり、複数のユーザーが同時に同一のデータを変更したりする危険性を回避できます。ロックおよび行のバージョン管理を使用しなければ、クエリを実行してもデータベース内のコミット前のデータが返されて、予期しない結果になる場合があります。

アプリケーション側でトランザクション分離レベルを選択して、トランザクションを他のトランザクションによる変更から保護するレベルを定義できます。個別の Transact-SQL ステートメントに対してテーブルレベルのヒントを指定し、アプリケーションの要件に合わせて動作を細かく調整することもできます。

データベース オプションを有効にしたり無効にしたりすることで、行のバージョン管理の実装を制御できます。詳細については、「行のバージョン管理に基づく分離レベルの有効化」および「行のバージョン管理に基づく分離レベルの使用」を参照してください。