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名前のある列

行セット内の名前のある列が、大文字と小文字を区別して結果の XML にマップされる条件を次に示します。

  • 列名がアット マーク (@) で始まる場合

  • 列名がアット マーク (@) で始まらない場合

  • 列名がアット マーク (@) で始まらず、スラッシュ (/) を含む場合

  • 複数の列に同一のプレフィックスがある場合

  • 名前の異なる列がある場合

列名がアット マーク (@) で始まる場合

列名がアット マーク (@) で始まり、スラッシュ (/) を含んでいない場合は、<row> 要素の属性が作成され、対応する列値が値として設定されます。 たとえば、次のクエリは 2 列 (@PmId、Name) の行セットを返します。 結果の XML では、対応する <row> 要素に PmId 属性が追加され、この属性に ProductModelID の値が設定されます。

SELECT ProductModelID as "@PmId", 
       Name 
FROM Production.ProductModel 
WHERE ProductModelID=7 
FOR XML PATH  
go

結果を次に示します。

<row PmId="7">
  <Name>HL Touring Frame</Name>
</row>

属性は、同一レベルでは要素ノード、テキスト ノードなどの他の種類のノードよりも前に指定する必要があります。 次のクエリはエラーを返します。

SELECT Name,
       ProductModelID as "@PmId"
FROM Production.ProductModel
WHERE ProductModelID=7
FOR XML PATH 
go

列名がアット マーク (@) で始まらない場合

列名がアット マーク (@) で始まらず、XPath の任意のノード テストでもなく、スラッシュ (/) も含んでいない場合、行要素 (既定では <row>) のサブ要素になる XML 要素が作成されます。

次のクエリでは列名 result が指定されています。 したがって、<row> 要素には、<result> 子要素が追加されます。

SELECT 2+2 as result
for xml PATH

結果を次に示します。

<row>
  <result>4</result>
</row>

次のクエリでは、xml 型の Instructions 列に対して指定した XQuery から返される XML に対応する列の名前として、ManuWorkCenterInformation を指定しています。 したがって、<row> 要素の子要素として、<ManuWorkCenterInformation> 要素が追加されます。

SELECT 
       ProductModelID,
       Name,
       Instructions.query('declare namespace MI="https://schemas.microsoft.com/sqlserver/2004/07/adventure-works/ProductModelManuInstructions";
                /MI:root/MI:Location 
              ') as ManuWorkCenterInformation
FROM Production.ProductModel
WHERE ProductModelID=7
FOR XML PATH 
go

結果を次に示します。

<row>
  <ProductModelID>7</ProductModelID>
  <Name>HL Touring Frame</Name>
  <ManuWorkCenterInformation>
    <MI:Location ...LocationID="10" ...></MI:Location>
    <MI:Location ...LocationID="20" ...></MI:Location>
     ...
  </ManuWorkCenterInformation>
</row>

列名がアット マーク (@) で始まらず、スラッシュ (/) を含む場合

列名がアット マーク (@) で始まらず、スラッシュ (/) を含んでいる場合、列名は XML 階層を示します。 たとえば、列名を "Name1/Name2/Name3.../Namen" とすると、Namei は、i = 1 の場合は現在の行要素の入れ子である要素を表し、それ以外の場合は Namei-1 要素の下にある要素を表します。 Namen が '@' で始まる場合は、Namen-1 要素の属性にマップされます。

たとえば次のクエリは、従業員の ID と名前を返します。従業員名は、First、Middle、および Last から構成される複合型の要素 EmpName で表現されます。

SELECT EmployeeID "@EmpID", 
       FirstName  "EmpName/First", 
       MiddleName "EmpName/Middle", 
       LastName   "EmpName/Last"
FROM   HumanResources.Employee E, Person.Contact C
WHERE  E.EmployeeID = C.ContactID
AND    E.EmployeeID=1
FOR XML PATH

PATH モードでは、列名は XML を作成する際のパスとして使用されます。 従業員 ID の値を格納している列の名前は '@' で始まっているため、EmpID が属性として <row> 要素に追加されます。 それ以外のすべての列の列名には、階層を示すスラッシュ ('/') が含まれています。 結果の XML では、<row> 要素の下に <EmpName> 子要素があり、<EmpName> の下に子要素 <First>、<Middle>、および <Last> が生成されます。

<row EmpID="1">
  <EmpName>
    <First>Gustavo</First>
    <Last>Achong</Last>
  </EmpName>
</row>

この従業員のミドル ネームは NULL です。既定では、要素や属性がない状態に NULL 値がマップされます。 値が NULL であっても要素を生成するには、次のクエリのように XSINIL を指定した ELEMENTS ディレクティブを使用します。

SELECT EmployeeID "@EmpID", 
       FirstName  "EmpName/First", 
       MiddleName "EmpName/Middle", 
       LastName   "EmpName/Last"
FROM   HumanResources.Employee E, Person.Contact C
WHERE  E.EmployeeID = C.ContactID
AND    E.EmployeeID=1
FOR XML PATH, ELEMENTS XSINIL

結果を次に示します。

<row xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" 
      EmpID="1">
  <EmpName>
    <First>Gustavo</First>
    <Middle xsi:nil="true" />
    <Last>Achong</Last>
  </EmpName>
</row>

PATH モードの既定では要素中心の XML が生成されます。 したがって、PATH モードのクエリで ELEMENTS ディレクティブを指定しても効力はありません。 ただし、前のクエリで示したように、ELEMENTS ディレクティブを XSINIL と組み合わせると、NULL 値に対して要素を生成する場合に便利です。

次のクエリでは従業員の ID と名前以外に住所を取得します。 住所列の列名のパスにより、<row> 要素に <Address> 子要素が追加され、<Address> 要素の子要素として詳しい住所が追加されます。

SELECT EmployeeID   "@EmpID", 
       FirstName    "EmpName/First", 
       MiddleName   "EmpName/Middle", 
       LastName     "EmpName/Last",
       AddressLine1 "Address/AddrLine1",
       AddressLine2 "Address/AddrLIne2",
       City         "Address/City"
FROM   HumanResources.Employee E, Person.Contact C, Person.Address A
WHERE  E.EmployeeID = C.ContactID
AND    E.AddressID = A.AddressID
AND    E.EmployeeID=1
FOR XML PATH

結果を次に示します。

<row EmpID="1">
  <EmpName>
    <First>Gustavo</First>
    <Last>Achong</Last>
  </EmpName>
  <Address>
    <AddrLine1>7726 Driftwood Drive</AddrLine1>
    <City>Monroe</City>
  </Address>
</row>

複数の列に同一のパス プレフィックスがある場合

連続した複数の列に同一のパス プレフィックスがある場合、これらの列は 1 つの名前でグループ化されます。 異なる名前空間プレフィックスが使用されている場合は、同一の名前空間にバインドされていても、パスは異なるものと見なされます。 上のクエリで、FirstName 列、MiddleName 列、および LastName 列にはいずれも EmpName プレフィックスがあるので、これらは <EmpName> 要素の子として追加されます。 このことは、上記の例の <Address> 要素の生成にも該当します。

名前の異なる列がある場合

変更を加えた次のクエリに示すように、異なる名前の列が間にある場合、グループは分割されます。 上のクエリで示した FirstName、MiddleName、および LastName から構成されるグループは、FirstName 列と MiddleName 列の間に住所列を追加すると分割されます。

SELECT EmployeeID "@EmpID", 
       FirstName "EmpName/First", 
       AddressLine1 "Address/AddrLine1",
       AddressLine2 "Address/AddrLIne2",
       City "Address/City",
       MiddleName "EmpName/Middle", 
       LastName "EmpName/Last"
FROM   HumanResources.EmployeeAddress E, Person.Contact C, Person.Address A
WHERE  E.EmployeeID = C.ContactID
AND    E.AddressID = A.AddressID
AND    E.EmployeeID=1
FOR XML PATH

このクエリの結果、<EmpName> 要素が 2 つ作成されます。 最初の <EmpName> 要素には <FirstName> 子要素が、2 番目の <EmpName> 要素には <MiddleName> 子要素と <LastName> 子要素が含まれます。

結果を次に示します。

<row EmpID="1">
  <EmpName>
    <First>Gustavo</First>
  </EmpName>
  <Address>
    <AddrLine1>7726 Driftwood Drive</AddrLine1>
    <City>Monroe</City>
  </Address>
  <EmpName>
    <Last>Achong</Last>
  </EmpName>
</row>

関連項目

概念

FOR XML での PATH モードの使用