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SSIS、MDS、DQS の組み合わせを使用した Enterprise Information Management

企業の情報管理には、一般に、企業の枠を超えたデータ統合、データのクレンジング、データ照合による重複項目の削除、データの標準化、データの拡充、法的およびコンプライアンス条件に対するデータの準拠、および必要なすべてのセキュリティ設定によるデータの集中管理などの作業が含まれます。

SQL Server 2012 では、1 つの製品の中に効果的な Enterprise Information Management (EIM) ソリューションに必要なすべてのコンポーネントを用意してます。 EIM ソリューションの構築に役立つ SQL Server 2012 の主なコンポーネントは次のとおりです。

  • SQL Server Integration Services

  • SQL Server Data Quality Services

  • SQL Server マスター データ サービス

SQL Server Integration Services (SSIS) では、ビジネス ワークフロー、データ ウェアハウス、またはマスター データ管理をサポートする包括的な抽出、変換、および読み込み (ETL) のさまざまなソースからデータを統合するための強力な拡張可能プラットフォームを用意しています。 SSIS の簡単な概要と一般的な使用については、「Integration Services の概要」のトピックを参照してください。

SQL Server Data Quality Services (DQS) ではデータのクレンジング、照合、標準化、および拡充が可能なため、ビジネス インテリジェンス、データ ウェアハウス、およびトランザクション処理ワークロードに対して信頼できる情報を提供できます。 DQS のビジネス ニーズとそのニーズに対する DQS の対応については、「Data Quality Services の概要」のトピックを参照してください。

SQL Server マスター データ サービス (MDS) の中央データ ハブは、情報の整合性とデータの一貫性がアプリケーション間で変化していないかどうかを確認します。 MDS の重要な機能の簡単な説明については、「マスター データ サービスの概要」のトピックを参照してください。

これらの Microsoft EIM テクノロジを使用して EIM ソリューションを実装する場合の包括的なガイダンスについては、「SQL Server 2012 による Enterprise Information Management」および「EIM テクノロジを使用したマスター データのクレンジングと照合」の各ホワイトペーパーを参照してください。EIM シナリオの優れた例については、Enterprise Information Management (EIM): SSIS、DQS、および MDS の統合ビデオをご覧ください。

このチュートリアルでは、SSIS、MDS、および DQS を組み合わせて、Enterprise Information Management (EIM) ソリューションのサンプルを実装する方法について学習します。 まず、DQS を使用してデータ (メタデータ) についてのナレッジを含むナレッジ ベースを作成し、ナレッジ ベースを使用して Excel ファイル内のデータをクレンジングして、データ内の重複項目を特定および削除するようにデータを照合します。 次に、Excel 用の MDS アドインを使用して、クレンジングおよび照合済みのデータを MDS にアップロードします。 次に、SSIS ソリューションを使用して全体のプロセスを自動化します。 このチュートリアルでは、SSIS ソリューションは Excel ファイルから入力データを読み取りますが、Oracle、Teradata、DB2、Windows Azure SQL Database などのさまざまなソースから読み取ることもできます。

前提条件

  1. Microsoft SQL Server 2012 に次のコンポーネントがインストールされていること。

    1. Integration Services (SSIS)

    2. マスター データ サービス (MDS)

    3. Data Quality Services (DQS)

    4. SQL Server Data Tools

      製品のインストールの詳細については、「SQL Server 2012 インストール ガイド」を参照してください。

  2. マスター データ サービス構成マネージャーを使用した MDS の設定

    マスター データ サービス データベースの作成と構成には、構成マネージャーを使用します。 MDS データベースを作成した後、Web サイトで MDS 用の Web アプリケーション (https://localhost/MDS など) を作成し、MDS データベースを MDS Web アプリケーションに関連付けます。 MDS Web アプリケーションを作成するには、コンピューターに IIS がインストールされている必要があります。 MDS アプリケーションと Web アプリケーションを設定するための前提条件の詳細については、「Web アプリケーションの要件 (マスター データ サービス)」および「データベース要件 (マスター データ サービス)」を参照してください。

  3. Data Quality Server インストーラーを使用して DQS をインストールして構成します[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をクリックして、[Microsoft SQL Server 2012][Data Quality Services][Data Quality Server インストーラー] の順にクリックします。

  4. Microsoft Excel 2010 (32 ビット推奨)

  5. Excel 用マスター データ サービス アドイン (コンピューター上の Excel バージョンに応じて 32 ビットまたは 64 ビット) をここからインストールします。 コンピューターにインストールされている Excel のバージョンを確認するには、Excel を実行し、メニュー バーの [ファイル] をクリックして [ヘルプ] をクリックすると、右ペインにバージョンが表示されます。 Excel アドインをインストールする前に、Visual Studio 2010 Tools for Office Runtime をインストールする必要があることに注意してください。

  6. (オプション) Windows Azure Marketplace でアカウントを作成します。 チュートリアルでは、Azure Marketplace (旧称 Data Market) アカウントが必要なタスクが 1 つあります。 次のタスクに進む場合は、このタスクをスキップできます。

  7. Microsoft ダウンロード センターから Suppliers.xls ファイルをダウンロードします。

  8. 64 ビット バージョンの Excel を使用している場合は、クレンジングまたは照合結果を Excel ファイルにエクスポートすることはできません。 これは既知の問題です。 この問題を回避するには、次の手順を実行します。

    1. SQL Server 2012 SP1 を (64 ビットの Excel がインストールされた 64 ビットのコンピューターに) インストールします。

    2. DQLInstaller.exe –upgrade を実行します。 SQL Server の既定のインスタンスをインストールした場合、DQSinstaller.exe ファイルは C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL11.MSSQLSERVER\MSSQL\Binn に格納されます。 DQSInstaller.exe ファイルをダブルクリックします。

    3. マスター データ サービス構成マネージャーで、[データベースの選択] をクリックし、既存の MDS データベースを選択して、[アップグレード] をクリックします。

レッスン

レッスン

簡単な説明

このレッスンの推定所要時間 (分単位)

レッスン 1: Suppliers DQS ナレッジ ベースを作成する

このレッスンでは、Suppliers という名前の DQS ナレッジ ベースを作成します。

60

レッスン 2: Suppliers ナレッジ ベースを使用して仕入先データをクレンジングする

このレッスンでは、DQS プロジェクトを作成および実行し、最初のレッスンで作成した Suppliers ナレッジ ベースを使用することで、Excel ファイルの仕入先データをクレンジングします。

45

レッスン 3: データを照合して仕入先の一覧から重複を削除する

このレッスンでは、照合アクティビティを実行するための DQS プロジェクトを作成し、クレンジング済みの仕入先一覧から重複項目を特定して削除します。

45

レッスン 4: MDS に仕入先データを格納する

このレッスンでは、Excel 用 MDS アドインを使用してクレンジングおよび照合済みの仕入先データをマスター データ サービス (MDS) にアップロードします。

45

レッスン 5: SSIS を使用してクレンジングと照合を自動化する

このレッスンでは、DQS を使用して入力データをクレンジングし、重複項目を削除するためにクレンジングしたデータを照合して、クレンジングおよび照合済みのデータを MDS に自動的に保存する SSIS ソリューションを作成します。

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次の手順

チュートリアルを開始するには、最初のレッスンに進んでください。レッスン 1: Suppliers DQS ナレッジ ベースを作成する.