ADOMD.NET クライアント プログラミング

ADOMD.NET クライアント コンポーネントは、Microsoft.AnalysisServices.AdomdClient 名前空間 (microsoft.analysisservices.adomdclient.dll) にあります。 これらのクライアント コンポーネントには、クライアント アプリケーションおよび中間層アプリケーションで、Microsoft SQL Server Analysis Services などの分析データ ストアからデータやメタデータに対するクエリを簡単に実行できる機能が用意されています。

ADOMD.NET クライアント オブジェクトの使用

分析データ ソースに対してクエリを実行する場合、必ず実行しなければならない共通タスクがいくつかあります。 次の表に、ADOMD.NET クライアント オブジェクトを使用してそのようなクエリを実行する際の共通タスクを示します。

タスク	説明
ADOMD.NET での接続の確立	ADOMD.NET では、AdomdConnection オブジェクトを使用して、Analysis Services データベースなどの分析データ ソースに接続します。 AdomdConnection オブジェクトを使用して、分析データ ソースからコマンドの実行、データの取得、およびメタデータの取得を実行できます。
分析データ ソースからのメタデータの取得	分析データ ソースに接続したら、さまざまなオブジェクトを使用して、そのデータ ソースに関する情報を取得できます。 この機能を使用して、アプリケーションは、接続先のデータ ソースに適合することができます。
分析データ ソースに対するコマンドの実行	AdomdCommand オブジェクトには、基になる分析データ ソースに対してコマンドを実行するために必要なインターフェイスが用意されています。
分析データ ソースからのデータの取得	コマンドの実行後、CellSet、AdomdDataReader、または System.XmlReader オブジェクトのいずれかを使用してデータを取得および解析する必要があります。
ADOMD.NET でのトランザクションの実行	この表の上記に記載されているすべての操作は READ COMMITTED トランザクション内で実行できます。READ COMMITTED トランザクションでは、ダーティ リードを回避するため、データの読み込み中は共有ロックが保持されます。 ただし、その場合でも、トランザクションが終了する前にデータが変更され、反復不能読み取りやファントム データとなる場合があります。 AdomdTransaction オブジェクトは、ADOMD.NET でトランザクション機能を提供します。

ADOMD.NET オブジェクト階層の操作は、通常、次の表で説明するように、最上位層の 1 つまたは複数のオブジェクトで開始されます。

目的	使用するオブジェクト
分析データ ソースへの接続	AdomdConnection AdomdConnection オブジェクトは、データ ソースへの接続とデータ ソースのメタデータの両方を表します。 たとえば、Microsoft SQL Server Analysis Services ローカル キューブ (.cub) ファイルに接続し、Cubes プロパティを検証して分析データ ソースにあるキューブに関するメタデータを取得することができます。 また、このオブジェクトは、すべての .NET Framework データ プロバイダーに必要な IDbConnection インターフェイスの実装を表します。
データ ソースのデータ マイニング機能の検出	AdomdConnection AdomdConnection オブジェクトは、次に示すいくつかのマイニング コレクションを示します。 MiningModelCollection には、データ ソース内のマイニング モデルの一覧が含まれています。 MiningServiceCollection は、使用可能なマイニング アルゴリズムに関する情報を提供します。 MiningStructureCollection は、サーバーのマイニング構造に関する情報を示します。
データ ソースのクエリ	AdomdCommand AdomdCommand オブジェクトは、サーバーに送信されるステートメントまたはクエリを表します。 データ ソースへの接続が確立したら、AdomdCommand オブジェクトを使用して、多次元式 (MDX) またはデータ マイニング拡張機能 (DMX) など、サポートされる言語でステートメントを実行します。 また、AdomdCommand オブジェクトを使用して、CellSet オブジェクトまたは AdomdDataReader オブジェクトの形式で結果を返すこともできます。
高速かつ効率的な方法によるデータの取得	AdomdDataReader AdomdDataReader は、AdomdCommand オブジェクトの Execute メソッドまたは ExecuteReader メソッドへの呼び出しを使用して作成できます。 このオブジェクトは、.NET Framework クラス ライブラリの System.Data 名前空間から IDbDataReader インターフェイスを実装します。
大量のメタデータを含む分析データの取得	CellSet CellSet は、AdomdCommand の Execute メソッドまたは ExecuteCellSet メソッドへの呼び出しを使用して作成できます。 AdomdCommand から CellSet が返されたら、CellSet に含まれている分析データを調べることができます。
使用可能なディメンション、メジャー、名前付きセットなどキューブに関するメタデータの取得	CubeDef CubeDef は、キューブに関するメタデータを表します。 AdomdConnection から CubeDef を参照します。
System.Data.IDbDataAdapter インターフェイスを使用したデータの取得	AdomdDataAdapter AdomdDataAdapter は、既存の .NET Framework クライアント アプリケーションの読み取り専用サポートを提供します。

関連項目

概念

ADOMD.NET サーバー プログラミング

ADOMD.NET での開発