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シーケンスと QName (XQuery)

このトピックでは、次の XQuery の基本概念について説明します。

  • シーケンス

  • QName と事前に定義された名前空間

シーケンス

XQuery では、式の結果は、XML ノードおよび XSD アトミック型のインスタンスの一覧で構成されるシーケンスです。 シーケンス内の個々のエントリはアイテムと呼ばれます。 シーケンス内のアイテムは、次のいずれかになります。

  • 要素、属性、テキスト、処理命令、コメント、またはドキュメントなどのノード

  • XSD 単純型のインスタンスなどのアトミック値

たとえば、次のクエリでは、2 つの要素ノードのアイテムのシーケンスが作成されます。

SELECT Instructions.query('
     <step1> Step 1 description goes here</step1>,
     <step2> Step 2 description goes here </step2>
') AS Result
FROM Production.ProductModel
WHERE ProductModelID=7;

次に結果を示します。

<step1> Step 1 description goes here </step1>
<step2> Step 2 description goes here </step2> 

上記のクエリでは、<step1> 構成要素の最後にあるコンマ (,) はシーケンス コンストラクターであり、必要な表記です。 結果に含まれる空白文字は説明の便宜上追加したもので、このドキュメント内のすべての例の結果にも同じ理由で空白文字を使用しています。

次に、シーケンスに関して理解する必要のある追加の情報を示します。

  • クエリの結果が他のシーケンスを含むシーケンスになる場合、含まれているシーケンスは外側のシーケンスにフラット化されます。 たとえば、シーケンス ((1,2, (3,4,5)),6) はデータ モデル内で (1, 2, 3, 4, 5, 6) にフラット化されます。

    DECLARE @x xml;
    SET @x = '';
    SELECT @x.query('(1,2, (3,4,5)),6');
    
  • 空のシーケンスとは、アイテムが含まれていないシーケンスです。 これは "()" で表されます。

  • アイテムを 1 つしか持たないシーケンスは、アトミック値として扱うことができます。また、アトミック値は、1 つだけのアイテムを持つシーケンスとして扱うこともできます。 つまり (1) = 1 という式が成り立ちます。

この実装では、シーケンスは同種である必要があります。 つまり、アトミック値のシーケンスまたはノードのシーケンスのいずれかになります。 たとえば、有効なシーケンスは次のとおりです。

DECLARE @x xml;
SET @x = '';
-- Expression returns a sequence of 1 text node (singleton).
SELECT @x.query('1');
-- Expression returns a sequence of 2 text nodes
SELECT @x.query('"abc", "xyz"');
-- Expression returns a sequence of one atomic value. data() returns
-- typed value of the node.
SELECT @x.query('data(1)');
-- Expression returns a sequence of one element node. 
-- In the expression XML construction is used to construct an element.
SELECT @x.query('<x> {1+2} </x>');

異種シーケンスはサポートされていないため、次のクエリはエラーを返します。

SELECT @x.query('<x>11</x>, 22');

QName

XQuery の識別子は QName です。 QName は、名前空間プレフィックスとローカル名で構成されます。 この実装では、XQuery の変数名は QName であり、プレフィックスは付きません。

型指定されていない xml 変数に対してクエリが指定されている、次の例について考えてみます。

DECLARE @x xml;
SET @x = '<Root><a>111</a></Root>';
SELECT @x.query('/Root/a');

式 (/Root/a) では、Root と a が QName です。

次の例では、型指定されている xml 列に対してクエリが指定されています。 クエリによって、最初のワークセンターの場所のすべての <step> 要素で反復処理が行われます。

SELECT Instructions.query('
   declare namespace AWMI="https://schemas.microsoft.com/sqlserver/2004/07/adventure-works/ProductModelManuInstructions";
for $Step in /AWMI:root/AWMI:Location[1]/AWMI:step
      return
           string($Step) 
') AS Result
FROM Production.ProductModel
WHERE ProductModelID=7;

クエリ式では、次の点に注意してください。

  • AWMI root、AWMI:Location、AWMI:step、$Step は、すべて QName です。 AWMI はプレフィックスであり、root、Location、および Step はすべてローカル名です。

  • $step 変数は QName であり、プレフィックスを持っていません。

次の名前空間は、SQL Server の XQuery サポートで使用するために、事前に定義されています。 

プレフィックス

URI

xs

http://www.w3.org/2001/XMLSchema

xsi

http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance

xdt

http://www.w3.org/2004/07/xpath-datatypes

fn

http://www.w3.org/2004/07/xpath-functions

(プレフィックスなし)

urn:schemas-microsoft-com:xml-sql

sqltypes

https://schemas.microsoft.com/sqlserver/2004/sqltypes

xml

http://www.w3.org/XML/1998/namespace

(プレフィックスなし)

https://schemas.microsoft.com/sqlserver/2004/SOAP

作成した各データベースには、sys XML スキーマ コレクションがあります。 各データベースにはこれらのスキーマが保持されるため、ユーザーが作成した XML スキーマ コレクションからアクセスすることができます。

注意

この実装では、http://www.w3.org/2004/07/xquery-local-functions の XQuery 仕様に記載されている local プレフィックスはサポートされません。

関連項目

その他の技術情報

XQuery の基礎