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CREATE ROUTE (Transact-SQL)

新しいルートを現在のデータベース用のルーティング テーブルに追加します。 送信メッセージについては、Service Broker がローカル データベース内のルーティング テーブルを調べてルーティングを決定します。 転送されるメッセージなど、別のインスタンスで発生するメッセージ交換でのメッセージについては、Service Broker が msdb 内のルートを調べます。

トピック リンク アイコン Transact-SQL 構文表記規則

構文

CREATE ROUTE route_name
[ AUTHORIZATION owner_name ]
WITH  
   [ SERVICE_NAME = 'service_name', ]
   [ BROKER_INSTANCE = 'broker_instance_identifier' , ]
   [ LIFETIME = route_lifetime , ]
   ADDRESS =   'next_hop_address'
   [ , MIRROR_ADDRESS = 'next_hop_mirror_address' ]
[ ; ]

引数

  • route_name
    作成するルートの名前を指定します。 新しいルートが現在のデータベースで作成され、AUTHORIZATION 句で指定されるプリンシパルによって所有されます。 サーバー、データベース、スキーマ名は指定できません。 route_name は、有効な sysname データ型で指定する必要があります。

  • AUTHORIZATION owner_name
    ルートの所有者を、指定したデータベース ユーザーまたはロールに設定します。 現在のユーザーが、db_owner 固定データベース ロールのメンバーまたは sysadmin 固定サーバー ロールのメンバーである場合、owner_name には、有効であればどのユーザーまたはロールの名前も指定できます。 それ以外の場合、owner_name には、現在のユーザーの名前、現在のユーザーの IMPERSONATE 権限に対応するユーザーの名前、または現在のユーザーが所属するロールの名前を指定する必要があります。 この句を省略すると、ルートは現在のユーザーに属します。

  • WITH
    作成されるルートを定義するための句を、WITH の後に指定します。

  • SERVICE_NAME = 'service_name'
    このルートが示すリモート サービスの名前を指定します。 service_name はリモート サービスで使用される名前と正確に一致する必要があります。 Service Broker では、service_name がバイト単位で照合されます。 つまり、この比較では大文字と小文字が区別され、現在の照合順序は考慮されません。 SERVICE_NAME が省略されると、このルートはすべてのサービス名と照合されることになりますが、SERVICE_NAME が指定されたルートより照合の優先度が下がります。 サービス名 'SQL/ServiceBroker/BrokerConfiguration' が持つルートは、Broker Configuration Notice サービスへのルートです。 このサービスへのルートは、ブローカー インスタンスを指定できない場合があります。

  • BROKER_INSTANCE = 'broker_instance_identifier'
    対象サービスをホストするデータベースを指定します。 broker_instance_identifier パラメーターは、リモート データベース用のブローカー インスタンス識別子である必要があります。これは選択したデータベースで次のクエリを実行することにより取得できます。

    SELECT service_broker_guid
    FROM sys.databases
    WHERE database_id = DB_ID()
    

    BROKER_INSTANCE 句を省略すると、このルートはすべてのブローカー インスタンスと照合されます。 ブローカー インスタンスを指定しないメッセージ交換では、すべてのブローカー インスタンスと照合されるルートは、明示的なブローカー インスタンスを持つルートよりも照合の優先度が高くなります。 ブローカー インスタンスを指定するメッセージ交換では、ブローカー インスタンスを持つルートの方が、すべてのブローカー インスタンスと照合されるルートより優先度が高くなります。

  • LIFETIME **=**route_lifetime
    SQL Server がルーティング テーブルにルートを保持する時間を秒単位で指定します。 有効期間が終了するとルートは期限切れとなり、SQL Server では、新しいメッセージ交換用のルートを選択するときに、そのルートは考慮されなくなります。 この句が省略されると、route_lifetime は NULL となり、ルートは期限切れになりません。

  • ADDRESS ='next_hop_address'
    ルート用のネットワーク アドレスを指定します。 next_hop_address には、次の形式で TCP/IP アドレスを指定します。

        TCP://{ dns_name | netbios_name | ip_address } : port_number

    指定した port_number は、指定したコンピューターにおける SQL Server インスタンスの Service Broker エンドポイント用のポート番号と一致する必要があります。 これは選択したデータベースで次のクエリを実行することにより取得できます。

    SELECT tcpe.port
    FROM sys.tcp_endpoints AS tcpe
    INNER JOIN sys.service_broker_endpoints AS ssbe
       ON ssbe.endpoint_id = tcpe.endpoint_id
    WHERE ssbe.name = N'MyServiceBrokerEndpoint';
    

    ミラー化されたデータベースでサービスがホストされる場合、ミラー化されたデータベースをホストする別のインスタンスに対しても、MIRROR_ADDRESS を指定する必要があります。 それ以外の場合は、このルートはミラーに対してフェールオーバーしません。

    ルートの next_hop_address が 'LOCAL' になっている場合、メッセージは現在の SQL Server インスタンス内のサービスに配信されます。

    ルートの next_hop_address が 'TRANSPORT'' になっている場合、ネットワーク アドレスは、サービス名の中にあるネットワーク アドレスに基づいて決まります。 'TRANSPORT' を指定するルートは、サービス名やブローカー インスタンスを指定できない場合があります。

  • MIRROR_ADDRESS ='next_hop_mirror_address'
    next_hop_address でホストされているミラー化されたデータベースを 1 つ含んでいる、ミラー化されたデータベースのネットワーク アドレスを指定します。 next_hop_mirror_address には、次の形式で TCP/IP アドレスを指定します。

    TCP://{ dns_name | netbios_name | ip_address } : port_number

    指定した port_number は、指定したコンピューターにおける SQL Server インスタンスの Service Broker エンドポイント用のポート番号と一致する必要があります。 これは選択したデータベースで次のクエリを実行することにより取得できます。

    SELECT tcpe.port
    FROM sys.tcp_endpoints AS tcpe
    INNER JOIN sys.service_broker_endpoints AS ssbe
       ON ssbe.endpoint_id = tcpe.endpoint_id
    WHERE ssbe.name = N'MyServiceBrokerEndpoint';
    

    MIRROR_ADDRESS が指定されている場合、ルートには SERVICE_NAME 句と BROKER_INSTANCE 句を指定する必要があります。 ルートの next_hop_address が 'LOCAL' または 'TRANSPORT' になっている場合、そのルートではミラー アドレスを指定できないことがあります。

説明

ルートを格納するルーティング テーブルは、sys.routes カタログ ビューを介して読み取ることができるメタデータ テーブルです。 このカタログ ビューを更新できるのは、CREATE ROUTE、ALTER ROUTE、および DROP ROUTE ステートメントだけです。

既定では、各ユーザー データベースにあるルーティング テーブルには 1 つのルートが含まれています。 このルートには AutoCreatedLocal という名前が付いています。 ルートの next_hop_address は 'LOCAL' で、任意のサービス名およびブローカー インスタンス識別子と一致します。

ルートの next_hop_address が 'TRANSPORT' の場合、ネットワーク アドレスはサービスの名前に基づいて決定されます。 SQL Server では、next_hop_address のネットワーク アドレスが有効な形式であれば、このネットワーク アドレスで始まるサービス名が適切に処理されます。

ルートで指定されているサービス、ネットワーク アドレス、およびブローカー インスタンス識別子が同じであれば、ルーティング テーブルにはルートをいくつでも含めることができます。 このような場合、Service Broker でルートを選択するときには、メッセージ交換で指定された情報とルーティング テーブル内の情報を照合して、最も正確に一致する情報を取得するためのプロシージャが使用されます。

Service Broker では、ルーティング テーブルから期限の切れたルートは削除されません。 期限の切れたルートは、ALTER ROUTE ステートメントを使用してアクティブにすることができます。

ルートは一時オブジェクトとして指定できません。 # で始まるルート名は許可されますが、パーマネント オブジェクトになります。

権限

ルートを作成する権限は、既定では db_ddladmin 固定データベース ロールまたは db_owner 固定データベース ロールのメンバー、および sysadmin 固定サーバー ロールのメンバーに与えられています。

使用例

A. DNS 名を使用して TCP/IP ルートを作成する

次の例では、サービス //Adventure-Works.com/Expenses へのルートを作成します。 このルートでは、このサービスへのメッセージが、TCP 経由で DNS 名 www.Adventure-Works.com に対応するホスト上のポート 1234 に伝達されるように指定します。 対象サーバーにメッセージが到着すると、一意識別子 D8D4D268-00A3-4C62-8F91-634B89C1E315 で指定されるブローカー インスタンスにメッセージが配信されます。

CREATE ROUTE ExpenseRoute
    WITH
    SERVICE_NAME = '//Adventure-Works.com/Expenses',
    BROKER_INSTANCE = 'D8D4D268-00A3-4C62-8F91-634B89C1E315',
    ADDRESS = 'TCP://www.Adventure-Works.com:1234' ;

B. NetBIOS 名を使用して TCP/IP ルートを作成する

次の例では、サービス //Adventure-Works.com/Expenses へのルートを作成します。 このルートでは、このサービスへのメッセージが、TCP 経由で NetBIOS 名 SERVER02 に対応するホスト上のポート 1234 へ伝達されるように指定します。 対象の SQL Server にメッセージが到着すると、一意識別子 D8D4D268-00A3-4C62-8F91-634B89C1E315 で指定されるデータベース インスタンスにメッセージが配信されます。

CREATE ROUTE ExpenseRoute
    WITH 
    SERVICE_NAME = '//Adventure-Works.com/Expenses',
    BROKER_INSTANCE = 'D8D4D268-00A3-4C62-8F91-634B89C1E315',
    ADDRESS = 'TCP://SERVER02:1234' ;

C. IP アドレスを使用して TCP/IP ルートを作成する

次の例では、サービス //Adventure-Works.com/Expenses へのルートを作成します。 このルートでは、このサービスへのメッセージが、TCP 経由で IP アドレス 192.168.10.2 にあるホスト上のポート 1234 へ伝達されるように指定します。 対象の SQL Server にメッセージが到着すると、一意識別子 D8D4D268-00A3-4C62-8F91-634B89C1E315 で指定されるブローカー インスタンスにメッセージが配信されます。

CREATE ROUTE ExpenseRoute
    WITH
    SERVICE_NAME = '//Adventure-Works.com/Expenses',
    BROKER_INSTANCE = 'D8D4D268-00A3-4C62-8F91-634B89C1E315',
    ADDRESS = 'TCP://192.168.10.2:1234' ;

D. 転送ブローカーへのルートを作成する

次の例では、サーバー dispatch.Adventure-Works.com の転送ブローカーへのルートを作成します。 サービス名とブローカー インスタンス識別子が両方指定されていないため、SQL Server では、他のルートが定義されていないサービスに対してこのルートが使用されます。

CREATE ROUTE ExpenseRoute
    WITH
    ADDRESS = 'TCP://dispatch.Adventure-Works.com' ; 

E. ローカル サービスへのルートを作成する

次の例では、ルートと同じインスタンスにあるサービス //Adventure-Works.com/LogRequests へのルートを作成します。

CREATE ROUTE LogRequests
    WITH
    SERVICE_NAME = '//Adventure-Works.com/LogRequests',
    ADDRESS = 'LOCAL' ;

F. 有効期間が指定されたルートを作成する

次の例では、サービス //Adventure-Works.com/Expenses へのルートを作成します。 ルートの有効期間は、259200 秒、つまり 72 時間です。

CREATE ROUTE ExpenseRoute
    WITH
    SERVICE_NAME = '//Adventure-Works.com/Expenses',
    LIFETIME = 259200,
    ADDRESS = 'TCP://services.Adventure-Works.com:1234' ;

G. ミラー化されたデータベースへのルートを作成する

次の例では、サービス //Adventure-Works.com/Expenses へのルートを作成します。 サービスは、ミラー化されたデータベースでホストされています。 ミラー化されたデータベースのうちの 1 つのアドレスは services.Adventure-Works.com:1234 で、もう 1 つのアドレスは services-mirror.Adventure-Works.com:1234 です。

CREATE ROUTE ExpenseRoute
    WITH
    SERVICE_NAME = '//Adventure-Works.com/Expenses',
    BROKER_INSTANCE = '69fcc80c-2239-4700-8437-1001ecddf933',
    ADDRESS = 'TCP://services.Adventure-Works.com:1234', 
    MIRROR_ADDRESS = 'TCP://services-mirror.Adventure-Works.com:1234' ;

H. ルーティング用のサービス名を使用するルートを作成する

次の例では、メッセージの送信先となるネットワーク アドレスを判別するためにサービス名が使用されるルートを作成します。 ネットワーク アドレスとして 'TRANSPORT' を指定するルートは、他のルートより照合の優先度が低いことに注意してください。

CREATE ROUTE TransportRoute
    WITH ADDRESS = 'TRANSPORT' ;

関連項目

参照

ALTER ROUTE (Transact-SQL)

DROP ROUTE (Transact-SQL)

EVENTDATA (Transact-SQL)