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パラメーターの指定

プロシージャのパラメーターを指定することで、呼び出し元のプログラムからプロシージャの本体に値を渡すことができます。 これらの値は、プロシージャの実行中にさまざまな目的で使用できます。 プロシージャ パラメーターも、パラメーターが OUTPUT パラメーターとしてマークされている場合は、呼び出し元のプログラムに値を返すことができます。

プロシージャには最大 2,100 個のパラメーターを指定できます。各パラメーターには、名前、データ型、および方向が割り当てられます。 パラメーターには、必要に応じて既定値を割り当てることもできます。

次のセクションでは、パラメーターに値を渡す処理と、プロシージャ呼び出しで各パラメーター属性を使用する方法について説明します。

パラメーターに値を渡す処理

プロシージャ呼び出しで指定されるパラメーター値は、定数か変数である必要があります。関数名をパラメーター値として使用することはできません。 変数には、ユーザー定義変数や @@spid などのシステム変数を使用できます。

次の例は、パラメーター値をプロシージャ uspGetWhereUsedProductID に渡す方法を示しています。 この例では、定数および変数としてパラメーターを渡す方法のほか、変数を使用して関数の値を渡す方法も示しています。

USE AdventureWorks2012;
GO
-- Passing values as constants.
EXEC dbo.uspGetWhereUsedProductID 819, '20050225';
GO
-- Passing values as variables.
DECLARE @ProductID int, @CheckDate datetime;
SET @ProductID = 819;
SET @CheckDate = '20050225';
EXEC dbo.uspGetWhereUsedProductID @ProductID, @CheckDate;
GO
-- Try to use a function as a parameter value.
-- This produces an error message.
EXEC dbo.uspGetWhereUsedProductID 819, GETDATE();
GO
-- Passing the function value as a variable.
DECLARE @CheckDate datetime;
SET @CheckDate = GETDATE();
EXEC dbo.uspGetWhereUsedProductID 819, @CheckDate;
GO

パラメーター名の指定

プロシージャを作成してパラメーター名を宣言する際には、パラメーター名の先頭を 1 つの @ 文字にし、そのプロシージャのスコープ内でパラメーター名が一意になるようにする必要があります。

パラメーターに明示的に名前を付け、プロシージャ呼び出しで各パラメーターに適切な値を代入することで、パラメーターを任意の順序で指定できます。 たとえば、my_proc というプロシージャが @first@second、および @third という 3 つのパラメーターを必要とする場合、プロシージャに渡される値は、EXECUTE my_proc @second = 2, @first = 1, @third = 3; のようにパラメーター名に代入できます。

注意

1 つのパラメーター値を @parameter = value の形式で指定した場合は、後続のパラメーターもすべてこの形式で指定する必要があります。 パラメーター値を @parameter = value の形式で渡さない場合は、CREATE PROCEDURE ステートメント内のパラメーターと同じ順序 (左から右) で値を指定する必要があります。

注記注意

@parameter = value の形式で渡すパラメーターのスペルが間違っていると、SQL Server によってエラーが生成され、プロシージャは実行されません。

パラメーターのデータ型の指定

パラメーターを CREATE PROCEDURE ステートメントで宣言する場合は、パラメーターのデータ型を定義する必要があります。 パラメーターのデータ型により、プロシージャの呼び出し時にパラメーターとして指定できる値の型と範囲が決まります。 たとえば、tinyint データ型のパラメーターを定義した場合は、そのパラメーターに渡す値として 0 ~ 255 の範囲の数値だけを指定できます。 指定したデータ型と互換性がない値を使用してプロシージャを実行すると、エラーが返されます。

パラメーターの既定値の指定

宣言時にパラメーターに既定値が指定されていると、そのパラメーターは省略可能と見なされます。 プロシージャ呼び出しで省略可能なパラメーターに値を指定する必要はありません。

パラメーターの既定値は次の場合に使用されます。

  • プロシージャ呼び出しでパラメーターの値が指定されていない場合

  • プロシージャ呼び出しで値として DEFAULT キーワードが指定されている場合

注意

既定値が空白または句読点を含む文字列の場合、または数字で始まる場合 (たとえば 6xxx)、単一引用符で囲む必要があります。

パラメーターに対して既定値として適切に値を指定できない場合は、NULL を既定値として指定してください。 パラメーターの値なしでプロシージャを実行する場合は、プロシージャからカスタマイズされたメッセージが返されるようにすることをお勧めします。

次の例で、@SalesPerson という 1 つの入力パラメーターを伴う usp_GetSalesYTD プロシージャを作成します。 このパラメーターには既定値として NULL が割り当てられています。@SalesPerson パラメーターに値を渡すことなくプロシージャを実行した場合にカスタム エラー メッセージを返すためのエラー処理ステートメントで NULL を使用します。

USE AdventureWorks2012;
GO
IF OBJECT_ID('Sales.uspGetSalesYTD', 'P') IS NOT NULL
    DROP PROCEDURE Sales.uspGetSalesYTD;
GO
CREATE PROCEDURE Sales.uspGetSalesYTD
@SalesPerson nvarchar(50) = NULL  -- NULL default value
AS 
    SET NOCOUNT ON; 

-- Validate the @SalesPerson parameter.
IF @SalesPerson IS NULL
BEGIN
   PRINT 'ERROR: You must specify the last name of the sales person.'
   RETURN
END
-- Get the sales for the specified sales person and 
-- assign it to the output parameter.
SELECT SalesYTD
FROM Sales.SalesPerson AS sp
JOIN HumanResources.vEmployee AS e ON e.BusinessEntityID = sp.BusinessEntityID
WHERE LastName = @SalesPerson;
RETURN
GO

次の例では、プロシージャを実行します。 最初のステートメントは、入力値を指定せずにプロシージャを実行します。 その結果、プロシージャのエラー処理ステートメントによってカスタム エラー メッセージが返されます。 2 番目のステートメントでは入力値を渡し、予期した結果セットが返されます。

-- Run the procedure without specifying an input value.
EXEC Sales.usp_GetSalesYTD;
GO
-- Run the procedure with an input value.
EXEC Sales.usp_GetSalesYTD N'Blythe';
GO

既定値が指定されているパラメーターは省略できますが、パラメーターの一覧を切り捨てることしかできません。 たとえば、プロシージャに 5 つのパラメーターがある場合は、4 番目と 5 番目のパラメーターを両方とも省略できます。 ただし、@parameter = value の形式でパラメーターを指定しない限り、4 番目のパラメーターを省略して 5 番目のパラメーターを指定することはできません。

パラメーターの方向の指定

パラメーターの方向は、入力または出力です。入力の場合は、値がプロシージャの本体に渡されます。出力の場合は、プロシージャが呼び出し元のプログラムに値を返します。 既定値は入力パラメーターです。

出力パラメーターを指定するには、CREATE PROCEDURE ステートメントでパラメーターの定義に OUTPUT キーワードを指定する必要があります。 プロシージャは終了時に、呼び出し元のプログラムに現在の出力パラメーターの値を返します。 呼び出し元のプログラムも、そのプログラムで使用できる変数にパラメーターの値を保存するために、プロシージャの実行時に OUTPUT キーワードを使用する必要があります。

次の例では、指定した価格を超えない製品の一覧を返す Production.usp_GetList プロシージャを作成します。 ここでは、複数の SELECT ステートメントと複数の OUTPUT パラメーターを使用する例を示しています。 外部プロシージャ、バッチ、または複数の Transact-SQL ステートメントは、OUTPUT パラメーターを使用して、プロシージャの実行中に設定された値にアクセスできます。

USE AdventureWorks2012;
GO
IF OBJECT_ID ( 'Production.uspGetList', 'P' ) IS NOT NULL 
    DROP PROCEDURE Production.uspGetList;
GO
CREATE PROCEDURE Production.uspGetList @Product varchar(40) 
    , @MaxPrice money 
    , @ComparePrice money OUTPUT
    , @ListPrice money OUT
AS
    SET NOCOUNT ON;
    SELECT p.[Name] AS Product, p.ListPrice AS 'List Price'
    FROM Production.Product AS p
    JOIN Production.ProductSubcategory AS s 
      ON p.ProductSubcategoryID = s.ProductSubcategoryID
    WHERE s.[Name] LIKE @Product AND p.ListPrice < @MaxPrice;
-- Populate the output variable @ListPprice.
SET @ListPrice = (SELECT MAX(p.ListPrice)
        FROM Production.Product AS p
        JOIN  Production.ProductSubcategory AS s 
          ON p.ProductSubcategoryID = s.ProductSubcategoryID
        WHERE s.[Name] LIKE @Product AND p.ListPrice < @MaxPrice);
-- Populate the output variable @compareprice.
SET @ComparePrice = @MaxPrice;
GO

usp_GetList を実行し、原価が $700 未満である Adventure Works 製品 (自転車) の一覧を返します。 ここではフロー制御言語と共に OUTPUT パラメーターの @cost および @compareprices を使用して、[メッセージ] ウィンドウにメッセージを返します。

注意

プロシージャの作成中にも変数の使用中にも、OUTPUT 変数を定義する必要があります。 パラメーター名と変数名が一致する必要はありません。 ただし、データ型とパラメーターの位置は一致する必要があります (@listprice = variable が使用されている場合は除きます)。

DECLARE @ComparePrice money, @Cost money 
EXECUTE Production.uspGetList '%Bikes%', 700, 
    @ComparePrice OUT, 
    @Cost OUTPUT
IF @Cost <= @ComparePrice 
BEGIN
    PRINT 'These products can be purchased for less than 
    $'+RTRIM(CAST(@ComparePrice AS varchar(20)))+'.'
END
ELSE
    PRINT 'The prices for all products in this category exceed 
    $'+ RTRIM(CAST(@ComparePrice AS varchar(20)))+'.'

次に結果セットの一部を示します。

Product                                            List Price
-------------------------------------------------- ------------------
Road-750 Black, 58                                 539.99
Mountain-500 Silver, 40                            564.99
Mountain-500 Silver, 42                            564.99
...
Road-750 Black, 48                                 539.99
Road-750 Black, 52                                 539.99

(14 row(s) affected)

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関連項目

参照

CREATE PROCEDURE (Transact-SQL)