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RESTORE (Transact-SQL)

BACKUP コマンドで作成したバックアップを復元します。 このコマンドを使用すると、次の復元シナリオを実行できます。

  • 完全データベース バックアップからデータベース全体を復元する (完全復元)。

  • データベースの一部を復元する (部分復元)。

  • 特定のファイルまたはファイル グループをデータベースに復元する (ファイル復元)。

  • 特定のページをデータベースに復元する (ページ復元)。

  • トランザクション ログをデータベースに復元する (トランザクション ログ復元)。

  • データベース スナップショットでキャプチャされた時点にデータベースを戻す。

SQL Server の復元シナリオの詳細については、「復元と復旧の概要 (SQL Server)」を参照してください。 引数の説明の詳細については、「RESTORE の引数 (Transact-SQL)」を参照してください。

注意

Windows Azure BLOB ストレージ サービスからの復元の詳細については、「Windows Azure BLOB ストレージ サービスを使用した SQL Server のバックアップと復元」を参照してください。

適用対象: SQL Server (SQL Server 2008 から現在のバージョンまで)

トピック リンク アイコン Transact-SQL 構文表記規則

構文

--To Restore an Entire Database from a Full database backup (a Complete Restore):
RESTORE DATABASE { database_name | @database_name_var } 
 [ FROM <backup_device> [ ,...n ] ]
 [ WITH 
   {
    [ RECOVERY | NORECOVERY | STANDBY = 
        {standby_file_name | @standby_file_name_var } 
       ]
   | ,  <general_WITH_options> [ ,...n ]
   | , <replication_WITH_option>
   | , <change_data_capture_WITH_option>
   | , <FILESTREAM_WITH_option>
   | , <service_broker_WITH options> 
   | , <point_in_time_WITH_options—RESTORE_DATABASE> 
   } [ ,...n ]
 ]
[;]

--To perform the first step of the initial restore sequence 
-- of a piecemeal restore:
RESTORE DATABASE { database_name | @database_name_var } 
   <files_or_filegroups> [ ,...n ]
 [ FROM <backup_device> [ ,...n ] ] 
   WITH 
      PARTIAL, NORECOVERY 
      [  , <general_WITH_options> [ ,...n ] 
       | , <point_in_time_WITH_options—RESTORE_DATABASE> 
      ] [ ,...n ] 
[;]

--To Restore Specific Files or Filegroups: 
RESTORE DATABASE { database_name | @database_name_var } 
   <file_or_filegroup> [ ,...n ]
 [ FROM <backup_device> [ ,...n ] ] 
   WITH 
   {
      [ RECOVERY | NORECOVERY ]
      [ , <general_WITH_options> [ ,...n ] ]
   } [ ,...n ] 
[;]

--To Restore Specific Pages: 
RESTORE DATABASE { database_name | @database_name_var } 
   PAGE = 'file:page [ ,...n ]' 
 [ , <file_or_filegroups> ] [ ,...n ]
 [ FROM <backup_device> [ ,...n ] ] 
   WITH 
       NORECOVERY   
      [ , <general_WITH_options> [ ,...n ] ]
[;]

--To Restore a Transaction Log:
RESTORE LOG { database_name | @database_name_var } 
 [ <file_or_filegroup_or_pages> [ ,...n ] ]
 [ FROM <backup_device> [ ,...n ] ] 
 [ WITH 
   {
     [ RECOVERY | NORECOVERY | STANDBY = 
        {standby_file_name | @standby_file_name_var } 
       ]
    | ,  <general_WITH_options> [ ,...n ]
    | , <replication_WITH_option>
    | , <point_in_time_WITH_options—RESTORE_LOG> 
   } [ ,...n ]
 ] 
[;]

--To Revert a Database to a Database Snapshot:   
RESTORE DATABASE { database_name | @database_name_var } 
FROM DATABASE_SNAPSHOT = database_snapshot_name  

<backup_device>::=
{ 
   { logical_backup_device_name |
      @logical_backup_device_name_var }
 | { DISK | TAPE | URL } = { 'physical_backup_device_name' |
      @physical_backup_device_name_var } 
} 
Note: URL is the format used to specify the location and the file name for the Windows Azure Blob. Although Windows Azure storage is a service, the implementation is similar to disk and tape to allow for a consistent and seemless restore experince for all the three devices. 
<files_or_filegroups>::= 
{ 
   FILE = { logical_file_name_in_backup | @logical_file_name_in_backup_var } 
 | FILEGROUP = { logical_filegroup_name | @logical_filegroup_name_var } 
 | READ_WRITE_FILEGROUPS
} 

<general_WITH_options> [ ,...n ]::=  
--Restore Operation Options
   MOVE 'logical_file_name_in_backup' TO 'operating_system_file_name' 
          [ ,...n ] 
 | REPLACE 
 | RESTART 
 | RESTRICTED_USER 
 | CREDENTIAL

--Backup Set Options
 | FILE = { backup_set_file_number | @backup_set_file_number } 
 | PASSWORD = { password | @password_variable } 

--Media Set Options
 | MEDIANAME = { media_name | @media_name_variable } 
 | MEDIAPASSWORD = { mediapassword | @mediapassword_variable } 
 | BLOCKSIZE = { blocksize | @blocksize_variable } 

--Data Transfer Options
 | BUFFERCOUNT = { buffercount | @buffercount_variable } 
 | MAXTRANSFERSIZE = { maxtransfersize | @maxtransfersize_variable }

--Error Management Options
 | { CHECKSUM | NO_CHECKSUM } 
 | { STOP_ON_ERROR | CONTINUE_AFTER_ERROR } 

--Monitoring Options
 | STATS [ = percentage ] 

--Tape Options
 | { REWIND | NOREWIND } 
 | { UNLOAD | NOUNLOAD } 
  
<replication_WITH_option>::=
 | KEEP_REPLICATION 

<change_data_capture_WITH_option>::=
 | KEEP_CDC

<FILESTREAM_WITH_option>::=
 | FILESTREAM ( DIRECTORY_NAME = directory_name )


<service_broker_WITH_options>::= 
 | ENABLE_BROKER 
 | ERROR_BROKER_CONVERSATIONS 
 | NEW_BROKER 


<point_in_time_WITH_options—RESTORE_DATABASE>::= 
 | {
   STOPAT = { 'datetime'| @datetime_var } 
 | STOPATMARK = 'lsn:lsn_number'
                 [ AFTER 'datetime'] 
 | STOPBEFOREMARK = 'lsn:lsn_number'
                 [ AFTER 'datetime'] 
   } 

<point_in_time_WITH_options—RESTORE_LOG>::= 
 | {
   STOPAT = { 'datetime'| @datetime_var } 
 | STOPATMARK = { 'mark_name' | 'lsn:lsn_number' }
                 [ AFTER 'datetime'] 
 | STOPBEFOREMARK = { 'mark_name' | 'lsn:lsn_number' }
                 [ AFTER 'datetime'] 
   } 

引数

引数の説明については、「RESTORE の引数 (Transact-SQL)」を参照してください。

復元シナリオについて

SQL Server ではさまざまな復元シナリオがサポートされています。

  • 完全なデータベース復元

    最初に完全データベース バックアップを行い、次に必要に応じて差分データベース バックアップ (およびログ バックアップ) の復元を行って、データベース全体を復元します。 詳細については、「データベースの全体復元 (単純復旧モデル)」または「データベースの全体復元 (完全復旧モデル)」を参照してください。

  • ファイル復元

    マルチ ファイル グループ データベースのファイルまたはファイル グループを復元します。 単純復旧モデルでは、ファイルは読み取り専用のファイル グループに属している必要があります。 完全なファイル復元を行った後で、差分ファイル バックアップを復元できます。 詳細については、「ファイル復元 (完全復旧モデル)」および「ファイルの復元 (単純復旧モデル)」を参照してください。

  • ページ復元

    個々のページを復元します。 ページ復元は、完全復旧モデルと一括ログ復旧モデルでのみ利用できます。 詳細については、「ページ復元 (SQL Server)」を参照してください。

  • 段階的な部分復元

    プライマリ ファイル グループと、1 つ以上のセカンダリ ファイル グループの復元から始めて、データベースを段階的に復元します。 段階的な部分復元の最初の段階では、RESTORE DATABASE を PARTIAL オプションで実行し、このとき 1 つ以上のセカンダリ ファイル グループを指定します。 詳細については、「段階的な部分復元 (SQL Server)」を参照してください。

  • 復旧のみ

    データベース内でデータの一貫性が保たれており、単にデータを使用可能にするだけの場合に行います。 詳細については、「データを復元しないデータベースの復旧 (Transact-SQL)」を参照してください。

  • トランザクション ログの復元

    完全復旧モデルまたは一括ログ復旧モデルで、目的の復旧ポイントに戻すには、ログ バックアップの復元が必要です。 ログ バックアップの復元の詳細については、「トランザクション ログ バックアップの適用 (SQL Server)」を参照してください。

  • AlwaysOn 可用性グループのための可用性データベースの準備

    詳細については、「可用性グループに対するセカンダリ データベースの手動準備 (SQL Server)」を参照してください。

  • データベース ミラーリングのためのミラー データベースの準備

    詳細については、「ミラーリングのためのミラー データベースの準備 (SQL Server)」を参照してください。

  • オンライン復元

    注意

    オンライン復元は、SQL Server の Enterprise Edition でのみ実行できます。

    オンライン復元がサポートされている場合、データベースがオンラインになっていると、ファイル復元とページ復元は自動的にオンライン復元になり、段階的な部分復元の最初の段階の後で行われるセカンダリ ファイル グループの復元もオンライン復元になります。

    注意

    オンライン復元には、遅延トランザクションを使用できます。

    詳細については、「オンライン復元 (SQL Server)」を参照してください。

RESTORE のオプションに関するその他の注意点

廃止された RESTORE キーワード

次のキーワードは、SQL Server 2008 では廃止されました。

廃止されたキーワード

代替キーワード

代替キーワードの例

LOAD

RESTORE

RESTORE DATABASE

TRANSACTION

LOG

RESTORE LOG

DBO_ONLY

RESTRICTED_USER

RESTORE DATABASE ... WITH RESTRICTED_USER

RESTORE LOG

RESTORE LOG でファイル一覧を含めて、ロールフォワード中にファイルを作成することができます。 この機能は、データベースへファイルを追加するときに書き込まれたログ レコードが、ログ バックアップに含まれている場合に使用します。

注意

データベースで完全な復旧モデルまたは一括ログ復旧モデルを使用しているときは、多くの場合、データベースの復元前にログ末尾のバックアップが必要になります。RESTORE DATABASE ステートメントに WITH REPLACE 句または WITH STOPAT 句が指定されていない場合、最初にログ末尾のバックアップを行わずに、データベースを復元しようとするとエラーが発生します。これらの句は、データのバックアップ終了後の時間またはトランザクションの指定が必要となる句です。ログ末尾のバックアップの詳細については、「ログ末尾のバックアップ (SQL Server)」を参照してください。

RECOVERY と NORECOVERY の比較

ロールバックは、RESTORE ステートメントの RECOVERY および NORECOVERY オプションで制御されます。

  • NORECOVERY では、ロールバックを実行しないよう指定します。 こうすると、ロールフォワードしてそのままシーケンス内の次のステートメントを実行できます。

    この場合、復元シーケンスでは他のバックアップを復元してそれらをロールフォワードできます。

  • RECOVERY (既定) では、現在のバックアップのロールフォワードが完了した後ロールバックを実行するよう指定します。

    データベースを復旧するには、復元されるデータセット全体 (ロールフォワード セット) とデータベースの間で一貫性が保たれている必要があります。 ロールフォワード セットがデータベースと一貫性を保てる時点まで十分にロールフォワードされていない場合は、RECOVERY を指定すると、データベース エンジンによってエラーが返されます。

互換性サポート

以前のバージョンの SQL Server を使用して作成された mastermodel、および msdb のバックアップを SQL Server 2014 で復元することはできません。

注意

SQL Server バックアップを、そのバックアップが作成されたバージョン以前のバージョンの SQL Server に復元することはできません。

SQL Server の各バージョンでは、以前のバージョンとは異なる既定のパスが使用されます。 そのため、以前のバージョンのバックアップが既定で保存されていた場所に作成されたデータベースを復元するには、MOVE オプションを使用する必要があります。 新しい既定パスの詳細については、「SQL Server の既定のインスタンスおよび名前付きインスタンスのファイルの場所」を参照してください。

以前のバージョンのデータベースを SQL Server 2014 に復元すると、データベースが自動的にアップグレードされます。 通常、データベースは直ちに使用可能になります。 ただし、SQL Server 2005 データベースにフルテキスト インデックスがある場合、アップグレード プロセスでは、upgrade_option サーバー プロパティの設定に応じて、インポート、リセット、または再構築が行われます。 アップグレード オプションがインポート (upgrade_option = 2) または再構築 (upgrade_option = 0) に設定されている場合、アップグレード中はフルテキスト インデックスを使用できなくなります。 インデックスを作成するデータ量によって、インポートには数時間、再構築には最大でその 10 倍の時間がかかることがあります。 また、アップグレード オプションがインポートに設定されており、フルテキスト カタログが使用できない場合は、関連付けられたフルテキスト インデックスが再構築されます。 upgrade_option サーバー プロパティの設定を変更するには、sp_fulltext_service を使用します。

データベースが最初に SQL Server の新しいインスタンスにアタッチまたは復元されるとき、データベース マスター キー (サービス マスター キーにより暗号化されたもの) のコピーはまだサーバーに格納されていません。 OPEN MASTER KEY ステートメントを使用して、データベース マスター キー (DMK) の暗号化を解除する必要があります。 DMK の暗号化が解除されると、ALTER MASTER KEY REGENERATE ステートメントを使用して、サービス マスター キー (SMK) で暗号化された DMK のコピーをサーバーに提供することにより、将来、自動的に暗号化解除することも可能となります。 データベースを以前のバージョンからアップグレードした場合、新しい AES アルゴリズムを使用するように DMK を再作成する必要があります。 DMK の再作成方法の詳細については、「ALTER MASTER KEY (Transact-SQL)」を参照してください。 DMK キーを再作成して AES にアップグレードするのに必要な時間は、DMK によって保護されているオブジェクトの数によって異なります。 DMK キーを再作成して AES にアップグレードする作業は、1 回限りで済み、今後のキー ローテーション方法には影響を与えません。

全般的な解説

オフライン復元を実行しているときに、指定したデータベースが使用中の場合、RESTORE を実行してしばらくするとユーザーは強制的に切断されます。 プライマリ ファイル グループ以外のオンライン復元では、復元するファイル グループがオフラインにならなければ、データベースの使用を続けることができます。 指定したデータベース内のデータはすべて、復元されたデータに置き換えられます。

データベース復旧の詳細については、「復元と復旧の概要 (SQL Server)」を参照してください。

1 つのプラットフォームから別のプラットフォームへの復元操作は、異なる種類のプロセッサ間でも、オペレーティング システムでデータベースの照合順序がサポートされていれば実行できます。

エラーが発生した場合は RESTORE を再開できます。 また、エラーに関係なく RESTORE を続行することもできます。この場合は、復元可能なデータが復元されます (CONTINUE_AFTER_ERROR オプションを参照してください)。

RESTORE は、明示的または暗黙的なトランザクションでは使用できません。

損傷した master データベースを復元する場合は、特別な手順に従います。 詳細については、「システム データベースのバックアップと復元 (SQL Server)」を参照してください。

データベースを復元すると、SQL Server のインスタンスのプラン キャッシュが消去されます。 プラン キャッシュが消去されると、後続のすべての実行プランが再コンパイルされ、場合によっては、クエリ パフォーマンスが一時的に急激に低下します。 プラン キャッシュ内のキャッシュストアが消去されるたびに、"SQL Server は、一部のデータベース メンテナンス操作または再構成操作により、'%s' キャッシュストア (プラン キャッシュの一部) のキャッシュストア フラッシュを %d 個検出しました。" という情報メッセージが SQL Server エラー ログに記録されます。 このメッセージは、5 分以内にキャッシュがフラッシュされる限り、5 分間隔でログに記録されます。

可用性データベースを復元するには、SQL Server のインスタンスにデータベースを復元した後、そのデータベースを可用性グループに追加します。

相互運用性

データベースの設定と復元

復元を実行すると、ALTER DATABASE を使用して設定できるデータベース オプションの大半は、バックアップの終了時に有効となっていた値にリセットされます。

WITH RESTRICTED_USER オプションを使用すると、ユーザー アクセス オプションの設定の動作よりもこのオプションが優先されます。 ユーザー アクセス オプションの設定は、WITH RESTRICTED_USER オプションを含む RESTORE ステートメントの後で、常に設定されます。

暗号化されたデータベースの復元

暗号化されたデータベースを復元するには、データベースの暗号化に使用された証明書または非対称キーにアクセスできることが必要です。 証明書または非対称キーがないと、データベースは復元できません。 このため、バックアップが必要である間は、データベース暗号化キーの暗号化に使用する証明書を保持しておく必要があります。 詳細については、「SQL Server の証明書と非対称キー」を参照してください。

vardecimal ストレージに対応したデータベースの復元

バックアップと復元は、vardecimal ストレージ形式でも正しく機能します。 vardecimal ストレージ形式の詳細については、「sp_db_vardecimal_storage_format (Transact-SQL)」を参照してください。

フルテキスト データの復元

完全復元を実行すると、フルテキスト データは他のデータベース データと共に復元されます。 標準の構文 RESTORE DATABASE database_name FROM backup_device を使用すると、フルテキスト ファイルはデータベース ファイルの復元の一部として復元されます。

RESTORE ステートメントでは、フルテキスト データに対し、代替位置への復元、差分復元、ファイルとファイル グループの復元、ファイルとファイル グループの差分復元を行うこともできます。 また、RESTORE ではデータベース データと同様にフルテキスト ファイルだけを復元することもできます。

注意

SQL Server 2005 からインポートされたフルテキスト カタログもデータベース ファイルとして扱われます。これらの場合は、フルテキスト カタログをバックアップするための SQL Server 2005 の手順をそのまま適用できますが、バックアップ操作中の一時停止と再開は必要なくなります。詳細については、「フルテキスト カタログのバックアップと復元」を参照してください。

メタデータ

SQL Server には、各サーバー インスタンスのバックアップおよび復元動作を記録する、バックアップおよび復元用の履歴テーブルが用意されています。 復元を実行すると、バックアップ履歴テーブルも変更されます。 これらのテーブルについては、「バックアップの履歴とヘッダーの情報 (SQL Server)」を参照してください。

REPLACE オプションによる影響

REPLACE は頻繁に使用すべきではありません。使用するのは十分に検討した後のみに限定してください。 通常、復元により、誤ってデータベースを別のデータベースで上書きしてしまうのを防ぐことができます。 RESTORE ステートメントで指定したデータベースが現在のサーバーに既に存在し、指定したデータベースのファミリ GUID がバックアップ セットに記録されているデータベースのファミリ GUID と異なる場合、そのデータベースは復元されません。 これは重要な保護機能です。

REPLACE オプションにより、通常は復元によって実行されるいくつかの重要な安全性チェックが無効になります。 無効になるチェックは次のとおりです。

  • 別のデータベースから取得したバックアップで既存のデータベースに復元することに対するチェック。

    REPLACE オプションを使用すると、バックアップ セットに含まれているどのデータベースでも既存のデータベースを上書きできます。このことは、指定したデータベース名がバックアップ セットに記録されているデータベース名と異なる場合でも当てはまります。 これにより、誤ってデータベースを別のデータベースで上書きしてしまう可能性があります。

  • ログ末尾のバックアップを行っておらず、STOPAT オプションを使用しない場合に、完全復旧モデルまたは一括ログ復旧モデルを使用してデータベースに復元することに対するチェック。

    最近書き込まれたログをバックアップしていないので、REPLACE オプションを使用すると、コミットされた作業が失われる可能性があります。

  • 既存のファイルを上書きすることに対するチェック。

    たとえば、間違った種類のファイル (.xls ファイルなど) や、別のデータベースによって使用されているオンラインになっていないファイルを誤って上書きしてしまう場合があります。 復元されたデータベースが完全であっても、既存のファイルが上書きされた場合はデータが失われている可能性があります。

復元の再実行

復元の結果を元に戻すことはできませんが、ファイル単位で最初からやり直して、データ コピーとロールフォワードの結果を取り消すことができます。 最初からやり直すには、目的のファイルを復元してもう一度ロールフォワードを実行します。 たとえば、間違って必要以上のログ バックアップを復元し、予定の停止ポイントを過ぎてしまった場合は、復元シーケンスを再開する必要があります。

復元シーケンスは途中で中断でき、影響があったファイルの内容全体を復元することで再開できます。

データベースをデータベース スナップショットに戻す

DATABASE_SNAPSHOT オプションで指定する、データベースを元に戻す操作では、ソース データベース全体をデータベース スナップショットの時点に戻します。つまり、指定したデータベース スナップショットの時点で保持されていたデータでソース データベースを上書きします。 データベースを戻すスナップショットは、現時点で存在する唯一のスナップショットである必要があります。 その後、この操作ではログが再構成されます (したがって、後でこのデータベースをユーザー エラーの時点にロールフォワードすることはできません)。

失われるデータは、スナップショットの作成時点よりも後に行ったデータベースへの更新内容だけです。 この操作を行った後のデータベースのメタデータは、スナップショット作成時点のメタデータと同じになります。 ただし、スナップショットに戻すと、すべてのフルテキスト カタログが削除されます。

データベース スナップショットに戻す操作はメディアの復旧を目的としたものではありません。 標準的なバックアップ セットとは異なり、データベース スナップショットはデータベース ファイルの不完全なコピーです。 データベースまたはデータベース スナップショットが壊れた場合、スナップショットに戻すことはほぼ不可能です。 戻すことができても、データベースまたはデータベース スナップショットが壊れている場合は、問題が解決しない可能性が高くなります。

元に戻す操作の制限

元に戻す操作は、次の状況ではサポートされません。

  • ソース データベースに読み取り専用のファイル グループまたは圧縮されたファイル グループがある。

  • スナップショットの作成時にオンラインだったファイルがオフラインとなっている。

  • 現在、複数のデータベース スナップショットが存在する。

詳細については、「データベースをデータベース スナップショットに戻す」を参照してください。

セキュリティ

バックアップ操作では、オプションで、メディア セットとバックアップ セットにそれぞれパスワードを設定できます。 メディア セットまたはバックアップ セットにパスワードが設定されている場合は、RESTORE ステートメントで正しいパスワードを指定する必要があります。 これらのパスワードを設定しておくと、SQL Server ツールを使って不正に復元操作が行われたり、メディアにバックアップ セットが不正に追加されるのを防ぐことができます。 ただし、BACKUP ステートメントで FORMAT オプションが使用された場合、メディアの上書きを防ぐことはできません。

セキュリティに関する注意セキュリティに関する注意

パスワードによる保護は強力なものではありません。パスワードによる保護は、権限の有無にかかわらず、ユーザーが SQL Server ツールを使用して不適切な復元を行わないようにすることを目的としています。その他の手段によるバックアップ データの読み取りやパスワードの置き換えを防ぐわけではありません。この機能は、将来のバージョンの Microsoft SQL Server では削除される予定です。新しい開発作業では、この機能の使用を避け、現在この機能を使用しているアプリケーションは修正するようにしてください。バックアップ保護に最適な方法は、バックアップ テープを安全な場所に保管するか、バックアップしたディスク ファイルを適切なアクセス制御リスト (ACL) で保護することです。ACL は、バックアップを作成するディレクトリのルートに設定する必要があります。

Windows Azure BLOB ストレージを使用した SQL Server のバックアップと復元については、「Windows Azure BLOB ストレージ サービスを使用した SQL Server のバックアップと復元」を参照してください。

権限

復元するデータベースが存在しない場合、ユーザーは RESTORE を実行できる CREATE DATABASE 権限を使用する必要があります。 データベースが存在する場合、既定では、RESTORE 権限は sysadmin 固定サーバー ロールおよび dbcreator 固定サーバー ロールのメンバーと、データベースの所有者 (dbo) に与えられています。FROM DATABASE_SNAPSHOT オプションを使用する場合、データベースは常に存在します。

RESTORE 権限は、サーバーでメンバーシップ情報を常に確認できるロールに与えられます。 固定データベース ロールのメンバーシップは、データベースがアクセス可能で損傷していない場合にのみ確認することができますが、RESTORE の実行時にはデータベースがアクセス可能で損傷していないことが必ずしも保証されないため、db_owner 固定データベース ロールのメンバーには RESTORE 権限は与えられません。

使用例

次の例ではすべて、データベース全体のバックアップが既に実行されていることが前提です。

RESTORE の例を次に示します。

  • A. データベース全体を復元する

  • B. データベースの完全および差分バックアップの復元

  • C. RESTART 構文を使用してデータベースを復元する

  • D. データベースを復元しファイルを移動する

  • E. BACKUP および RESTORE を使用してデータベースのコピーを作成する

  • F. STOPAT を使って特定の時点の状態に復元する

  • G. トランザクション ログをマークまで復元する

  • H. TAPE 構文を使用して復元する

  • I. FILE および FILEGROUP 構文を使用して復元する

  • J. データベース スナップショットに戻す

  • K. Windows Azure BLOB ストレージ サービスからの復元

注意

追加の例については、「復元と復旧の概要 (SQL Server)」内の復元方法に関するトピックを参照してください。

A. データベース全体を復元する

次の例では、AdventureWorksBackups 論理バックアップ デバイスからデータベース バックアップ全体を復元します。 このデバイスの作成例については、「バックアップ デバイス」を参照してください。

RESTORE DATABASE AdventureWorks2012 
   FROM AdventureWorks2012Backups;

注意

データベースで完全な復旧モデルまたは一括ログ復旧モデルを使用しているとき、SQL Server ではほとんどの場合において、データベースの復元前にログ末尾のバックアップが必要になります。詳細については、「ログ末尾のバックアップ (SQL Server)」を参照してください。

[例の先頭に戻る]

B. データベースの完全および差分バックアップの復元

次の例では、Z:\SQLServerBackups\AdventureWorks2012.bak バックアップ デバイスから、データベース全体のバックアップを復元した後、差分バックアップを復元します。 復元するデータベース全体のバックアップはデバイス上の 6 番目のバックアップ セット (FILE = 6) で、差分データベース バックアップはデバイス上の 9 番目のバックアップ セット (FILE = 9) です。 差分バックアップからの復元が終わると、データベースは完全に復元されたことになります。

RESTORE DATABASE AdventureWorks2012
   FROM DISK = 'Z:\SQLServerBackups\AdventureWorks2012.bak'
   WITH FILE = 6
      NORECOVERY;
RESTORE DATABASE AdventureWorks2012
   FROM DISK = 'Z:\SQLServerBackups\AdventureWorks2012.bak'
   WITH FILE = 9
      RECOVERY;

[例の先頭に戻る]

C. RESTART 構文を使用してデータベースを復元する

次の例では、サーバーの電源異常による割り込みを受けた RESTORE 操作を、RESTART オプションで再起動します。

-- This database RESTORE halted prematurely due to power failure.
RESTORE DATABASE AdventureWorks2012
   FROM AdventureWorksBackups;
-- Here is the RESTORE RESTART operation.
RESTORE DATABASE AdventureWorks2012 
   FROM AdventureWorksBackups WITH RESTART;

[例の先頭に戻る]

D. データベースを復元しファイルを移動する

次の例では、データベース全体とトランザクション ログを復元し、復元したデータベースを C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL12.MSSQLSERVER\MSSQL\Data ディレクトリに移動します。

RESTORE DATABASE AdventureWorks2012
   FROM AdventureWorksBackups
   WITH NORECOVERY, 
      MOVE 'AdventureWorks2012_Data' TO 
'C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL12.MSSQLSERVER\MSSQL\Data\NewAdvWorks.mdf', 
      MOVE 'AdventureWorks2012_Log' 
TO 'C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL12.MSSQLSERVER\MSSQL\Data\NewAdvWorks.ldf';
RESTORE LOG AdventureWorks2012
   FROM AdventureWorksBackups
   WITH RECOVERY;

[例の先頭に戻る]

E. BACKUP および RESTORE を使用してデータベースのコピーを作成する

次の例では、BACKUP および RESTORE の両方のステートメントを使用して、 AdventureWorks2012 のコピーを作成します。 MOVE ステートメントは、データとログ ファイルを指定の位置に復元します。 RESTORE FILELISTONLY ステートメントは、復元するデータベース内のファイル数と名前を判断するために使用します。 データベースの新しいコピーは、TestDB という名前になります。 詳細については、「RESTORE FILELISTONLY (Transact-SQL)」を参照してください。

BACKUP DATABASE AdventureWorks2012 
   TO AdventureWorksBackups ;

RESTORE FILELISTONLY 
   FROM AdventureWorksBackups ;

RESTORE DATABASE TestDB 
   FROM AdventureWorksBackups 
   WITH MOVE 'AdventureWorks2012_Data' TO 'C:\MySQLServer\testdb.mdf',
   MOVE 'AdventureWorks2012_Log' TO 'C:\MySQLServer\testdb.ldf';
GO

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F. STOPAT を使って特定の時点の状態に復元する

次の例では、データベースを April 15, 2020 12:00 AM の状態に復元し、複数のログ バックアップが関連する復元操作を行います。 バックアップ デバイス AdventureWorksBackups において、復元するデータベース全体のバックアップはデバイス上の 3 番目のバックアップ セット (FILE = 3)、最初のログ バックアップは 4 番目のバックアップ セット (FILE = 4)、2 番目のログ バックアップは 5 番目のバックアップ セット (FILE = 5) です。

RESTORE DATABASE AdventureWorks2012
   FROM AdventureWorksBackups
   WITH FILE=3, NORECOVERY;

RESTORE LOG AdventureWorks2012
   FROM AdventureWorksBackups
   WITH FILE=4, NORECOVERY, STOPAT = 'Apr 15, 2020 12:00 AM';

RESTORE LOG AdventureWorks2012
   FROM AdventureWorksBackups
   WITH FILE=5, NORECOVERY, STOPAT = 'Apr 15, 2020 12:00 AM';
RESTORE DATABASE AdventureWorks2012 WITH RECOVERY; 

[例の先頭に戻る]

G. トランザクション ログをマークまで復元する

次の例では、トランザクション ログを ListPriceUpdate というマーク付きトランザクションのマークまで復元します。

USE AdventureWorks2012
GO
BEGIN TRANSACTION ListPriceUpdate
   WITH MARK 'UPDATE Product list prices';
GO

UPDATE Production.Product
   SET ListPrice = ListPrice * 1.10
   WHERE ProductNumber LIKE 'BK-%';
GO

COMMIT TRANSACTION ListPriceUpdate;
GO

-- Time passes. Regular database 
-- and log backups are taken.
-- An error occurs in the database.
USE master;
GO

RESTORE DATABASE AdventureWorks2012
FROM AdventureWorksBackups
WITH FILE = 3, NORECOVERY;
GO

RESTORE LOG AdventureWorks2012
   FROM AdventureWorksBackups 
   WITH FILE = 4,
   RECOVERY, 
   STOPATMARK = 'UPDATE Product list prices';

[例の先頭に戻る]

H. TAPE 構文を使用して復元する

次の例では、TAPE バックアップ デバイスからデータベース バックアップ全体を復元します。

RESTORE DATABASE AdventureWorks2012 
   FROM TAPE = '\\.\tape0';

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I. FILE および FILEGROUP 構文を使用して復元する

次の例では、2 つのファイル、1 つのセカンダリ ファイル グループ、および 1 つのトランザクション ログを格納している MyDatabase という名前のデータベースを復元します。 このデータベースは、完全復旧モデルを使用しています。

データベース バックアップは、MyDatabaseBackups という名前の論理バックアップ デバイス上のメディア セットにある 9 番目のバックアップ セットです。 次に、MyDatabaseBackups デバイス上にある次の 3 つのバックアップ セット (10、11、および 12) にある 3 つのログ バックアップを、WITH NORECOVERY を使用して復元します。 最後のログ バックアップを復元した後、データベースを復旧します。

注意

すべてのログ バックアップが復元される前に復旧してしまわないように、復旧は別のステップとして実行します。

RESTORE DATABASE では、2 種類の FILE オプションを使用していることに注意してください。 FILE = 'MyDatabase_data_1' のように、バックアップ デバイス名より前の FILE オプションでは、バックアップ セットから復元するデータベース ファイルの論理ファイル名を指定します。 このバックアップ セットは、メディア セット内の 1 番目のデータベース バックアップではありません。したがって、メディア セット内での位置を、FILE=9 のように WITH 句内の FILE オプションを使って指定します。

RESTORE DATABASE MyDatabase
   FILE = 'MyDatabase_data_1',
   FILE = 'MyDatabase_data_2',
   FILEGROUP = 'new_customers'
   FROM MyDatabaseBackups
   WITH 
      FILE = 9,
      NORECOVERY;
GO
-- Restore the log backups.
RESTORE LOG MyDatabase
   FROM MyDatabaseBackups
   WITH FILE = 10, 
      NORECOVERY;
GO
RESTORE LOG MyDatabase
   FROM MyDatabaseBackups
   WITH FILE = 11, 
      NORECOVERY;
GO
RESTORE LOG MyDatabase
   FROM MyDatabaseBackups
   WITH FILE = 12, 
      NORECOVERY;
GO
--Recover the database:
RESTORE DATABASE MyDatabase WITH RECOVERY;
GO

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K. データベース スナップショットに戻す

次の例では、データベースをデータベース スナップショットに戻します。 この例では、現在、データベースに 1 つだけスナップショットが存在することを想定しています。 このデータベース スナップショットの作成方法の例については、「データベース スナップショットの作成 (Transact-SQL)」を参照してください。

注意

スナップショットに戻すと、すべてのフルテキスト カタログが削除されます。

USE master;  
RESTORE DATABASE AdventureWorks2012 FROM DATABASE_SNAPSHOT = 'AdventureWorks_dbss1800';
GO

詳細については、「データベースをデータベース スナップショットに戻す」を参照してください。

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関連項目

参照

BACKUP (Transact-SQL)

RESTORE REWINDONLY (Transact-SQL)

RESTORE VERIFYONLY (Transact-SQL)

概念

SQL Server データベースのバックアップと復元

システム データベースのバックアップと復元 (SQL Server)

フルテキスト カタログとフルテキスト インデックスのバックアップおよび復元

レプリケートされたデータベースのバックアップと復元

メディア セット、メディア ファミリ、およびバックアップ セット (SQL Server)

バックアップの履歴とヘッダーの情報 (SQL Server)