インストール (StreamInsight)
このトピックでは、Microsoft StreamInsight のハードウェアとソフトウェアの要件について説明します。また、StreamInsight のインストール方法とアンインストール方法、および StreamInsight に関連するサンプルとドキュメントについても説明します。
StreamInsight のインストールを構成する主要な要素は次のとおりです。
DLL のセットの形式をとるプラットフォーム ライブラリ
ドキュメントおよび Readme ファイル
StreamInsight ホスト (オプションで Windows サービスとして登録)
StreamInsight Event Flow Debugger ツール
SQL CE インストール パッケージ (SQL CE ベースのメタデータ ストアを使用する StreamInsight サーバーに必要)
ハードウェアとソフトウェアの要件
StreamInsight のハードウェア要件を次に示します。
推奨: 2.2 GHz 以上の CPU、1024 MB 以上の RAM
最小: 1.6 GHz の CPU、384 MB の RAM
StreamInsight は、次のオペレーティング システムでサポートされています。
Windows XP Service Pack 2 以降 (x86 および x64)
Windows Server 2003 Service Pack 2 以降 (x86 および x64)
Windows Server 2003 R2 以上 (x86 および x64)
Windows Vista (x86 および x64)
Windows Server 2008 以降 (x86 および x64)
Windows 7 (x86 および x64)
StreamInsight のインストール
前提条件
StreamInsight をインストールする前に、次の前提条件を満たしている必要があります。
コンピューターに対する管理者特権を持っていること。
Microsoft .NET Framework 3.5 Service Pack 1 (フル パッケージ) がインストールされていること(Microsoft .NET Compact Framework はサポートされていません)。
StreamInsight (StreamInsight.msi) の評価版以外のエディションをインストールするには、Microsoft SQL Server 2008 R2 (SQL Server 2008 ではなく) の有効なプロダクト キーが必要です。プロダクト キーによって StreamInsight で使用できるスケーラビリティの範囲が判別され、それによって 1 秒あたりのイベント レートが決まります。プロダクト キーに関連付けられている SQL Server 2008 R2 のインスタンスをコンピューターにインストールする必要はありません。
StreamInsight の新しいバージョンをダウンロードできるようになると、StreamInsight チームのブログで発表されます。
StreamInsight をインストールするには
StreamInsight.msi を実行するには、SQL Server 2008 R2 メディアの StreamInsight フォルダーを開くか、Microsoft SQL Server StreamInsight ダウンロード サイトにアクセスします。
[StreamInsight 1.1 のインストール ウィザードへようこそ] ページで、[次へ] をクリックします。
[使用許諾契約書] ページで使用許諾契約書を読み、使用許諾条件に同意する場合は対応するチェック ボックスをオンにします。
[登録情報] ページで、自分の名前と会社名を入力します。
[インスタンスの構成] ページで、インストールするインスタンスを指定します。
StreamInsight では、同じコンピューターに複数のバージョンをサイド バイ サイドでインストールできます。インストールされている各バージョンで複数のインスタンスがサポートされます。バージョンとインスタンス名の両方を使用して、StreamInsight の各インスタンスのインストール ディレクトリとレジストリ キーが識別されます。StreamInsight サーバーへの接続時にもインスタンス名を指定する必要があります。特定のバージョンのセットアップ時には、セットアップを実行しているコンピューターに既にインストールされているそのバージョンの既存のインスタンスがグリッドに表示されます。
インスタンス名は、インストールされているすべてのバージョンの StreamInsight で一意にする必要があります。たとえば、StreamInsight 1.0 の Instance1 と Instance2 というインスタンスがインストールされているコンピューターに StreamInsight 1.1 をインストールする場合、別のインスタンス名を指定する必要があります (Instance3 と Instance4 など)。インスタンス名では大文字と小文字が区別されません。この値は、次の要件を満たしている必要があります。
名前が 64 文字を超えることはできません。
インスタンス名の先頭は文字にする必要があります。使用できる文字は、Unicode 規格 2.0 で定義されている文字です。これには、ラテン文字 a ~ z と A ~ Z、および各国言語の文字が含まれます。
2 文字目以降では、Unicode 規格 2.0 で定義されている文字、Basic Latin またはその他言語の 10 進数、ドル記号 ($)、アンダースコア (_) を使用できます。
埋め込み型スペースなどの特殊文字は、インスタンス名に使用できません。円記号 (\)、コンマ (,)、コロン (:)、セミコロン (;)、単一引用符 (')、アンパサンド (&)、およびアット マーク (@) も使用できません。
[プロダクト キー] ページで、インストールする StreamInsight のエディションを選択します。
StreamInsight の評価版をインストールするには、[Evaluation Edition を選択する] を選びます。評価版のインストールは 180 日の有効期限付きでアクティブになります。
[プロダクト キーを入力する] を選択し、Microsoft Certificate of Authenticity ラベルまたは製品のパッケージに表示されている有効な SQL Server 2008 R2 プロダクト キーを入力して、StreamInsight の Standard Edition または Premium Edition をインストールします。StreamInsight で使用できる機能は、プロダクト キーに関連付けられている SQL Server 2008 R2 のエディションによって異なります。次の表に、SQL Server 2008 R2 のエディションで使用できる StreamInsight の機能を示します。プロダクト キーに関連付けられている SQL Server 2008 R2 のインスタンスをコンピューターにインストールする必要はありません。
StreamInsight の機能
Microsoft SQL Server 2008 R2 エディション
Standard
Standard
Enterprise
Web
Premium
Datacenter
開発者
評価版
StreamInsight の Standard Edition と Premium Edition では、イベント レートおよび待機時間に関する特性が異なります。StreamInsight Standard は、1 秒間に数千のイベントを処理する必要があり、数秒台の待機時間が要求される StreamInsight インストールを対象としています。StreamInsight Premium は、1 秒間に 1 万以上のイベントを処理する必要があり、1 秒未満の待機時間が要求されるインストールに適しています。StreamInsight アプリケーションの実際のパフォーマンス特性は、StreamInsight が使用されるハードウェア環境や StreamInsight アプリケーションで使用されるクエリおよびアダプターなどの要因の影響も受けます。詳細については、「StreamInsight エディションの選択」を参照してください。
[インスタンスの構成] ページで、StreamInsight のサービスおよびグループ設定を指定できます。
StreamInsight のインスタンスの [StreamInsight Host Windows サービスを作成します。] チェック ボックスをオンにします。選択すると、次の変更が加えられます。
サービスのログイン アカウントとして Windows NetworkService アカウントが使用されます。管理者特権のあるユーザーは、セットアップの完了後にサービスのログイン アカウントを変更できます。
サービスの XML 構成ファイルが作成されます。標準的なインストール先は C:\Program Files\Microsoft StreamInsight 1.1\Host\<instance_name> です。この構成ファイルには、メタデータ ストアの種類などサーバーに固有のパラメーターのほかに、Windows Communication Foundation に固有のパラメーターも含まれています。たとえば、サービス インスタンスの StreamInsight サーバーの URI を変更する場合は、管理者特権のあるユーザーが構成ファイルを編集する必要があります。
インスタンスを Windows サービスとして登録しない場合は、このチェック ボックスをオフにしてください。
[現在のユーザーを StreamInsight Users グループに追加する] チェック ボックスをオンにします。このグループのメンバーには、インスタンスの管理サービス エンドポイントに接続する権限が与えられます。
[インストールの準備完了] ページで [インストール] をクリックします。
Readme ファイルを表示するオプションを選択します。
StreamInsight インストール ファイルに含まれている .msi ファイルから、SQL Server Compact Edition のバージョンをインストールします。
Windows Vista 以降の StreamInsight Event Flow Debugger でのイベント記録を有効にするには、現在のユーザーを Performance Log Users グループに追加します。
StreamInsight のセットアップで以下のファイルがインストールされます。
ファイル |
標準的なインストール先 |
---|---|
Microsoft.ComplexEventProcessing DLLs* StreamInsightDumper |
C:\Program Files\Microsoft StreamInsight 1.1\Bin |
StreamInsight ドキュメント |
C:\Program Files\Microsoft StreamInsight 1.1\Documentation\<LanguageFolder> |
Microsoft StreamInsight サーバー実行可能ファイル (StreamInsightHost) Microsoft StreamInsight サーバー実行可能構成ファイル (StreamInsightHost.exe.config) |
C:\Program Files\Microsoft StreamInsight 1.1\Host C:\Program Files\Microsoft StreamInsight 1.1\Host\<InstanceName> |
Microsoft StreamInsight ライセンス |
C:\Program Files\Microsoft StreamInsight 1.1\license\<LanguageFolder> |
SQL Server Compact Edition MSI |
C:\Program Files\Microsoft StreamInsight 1.1\Redist |
Microsoft StreamInsight Event Flow Debugger 注: Windows XP と Windows Server 2003 は診断ビューを表示するときにのみ、このツールの使用をサポートしています。 |
C:\Program Files\Microsoft StreamInsight 1.1\Tools |
* インストール プロセスにより、Microsoft.ComplexEventProcessing DLL はグローバル アセンブリ キャッシュ (GAC) に登録されます。
StreamInsight Users グループ
インストール プロセスでユーザー グループが作成され、インスタンス名に従って名前が付きます。たとえば「MyInstance」という名前のユーザー グループは、「StreamInsightUsers$MyInstance」という名前になります。このグループのユーザーのみが、パブリッシュされた StreamInsight サーバーに接続できます。サーバーのパブリッシュの詳細については、「StreamInsight サーバーへのパブリッシュおよび接続」を参照してください。
セットアップ中に現在のユーザーを StreamInsight Users グループに追加するチェック ボックスをオンにしなかった場合、セットアップ プロセスの完了後、このグループは空になります。管理者特権のあるユーザーのみがグループを入力できます。
アカウントをグループに追加しているときにユーザーがログインした場合、このグループのメンバーシップを有効にするには、いったんログオフしてから再度ログオンする必要があります。このグループのメンバーでないユーザーが Event Flow Debugger および他のクライアント プログラムでサーバーの Web サービス エンドポイントに接続しようとすると、"アクセスが拒否されました" というエラーが表示されます。
Performance Log Users グループ
Event Flow Debugger を使用するためには、ユーザーは、Windows Performance Log Users グループに属している必要があります。これにより、ユーザーは、trace.cmd を使用してデバッガー外でトレースを収集したり、デバッガー内で操作しているときにクエリからイベントを記録したりできます。これを行う方法の手順については、「Windows の管理と操作」を参照してください。
StreamInsight クライアントをインストールするには
StreamInsight クライアントのみをインストールできます。これは、別のコンピューターで実行している StreamInsight サーバーにクライアント アプリケーションが接続する必要がある場合に便利です。クライアントのコピーをコンピューターのクライアント側のライブラリにのみインストールする場合、SQL Server 2008 R2 プロダクト キーは不要です。
StreamInsightClient.msi を実行するには、SQL Server 2008 R2 メディアの StreamInsight フォルダーを開くか、Microsoft SQL Server StreamInsight ダウンロード サイトにアクセスします。
[StreamInsight 1.1 のインストール ウィザードへようこそ] ページで、[次へ] をクリックします。
[使用許諾契約書] ページで使用許諾契約書を読み、使用許諾条件に同意する場合は対応するチェック ボックスをオンにします。
[登録情報] ページで、自分の名前と会社名を入力します。
[インストールの準備完了] ページで [インストール] をクリックします。
コマンド ライン プロパティと自動インストール
コマンド ラインで以下のプロパティを使用して StreamInsight のインストール設定または削除設定を指定できます。プロパティは構文 PROPERTY=VALUE を使用して定義されます。次の表は、パブリック プロパティの名前とその説明の一覧です。プロパティの名前と値は大文字と小文字が区別されます。プロパティ名はすべて大文字であることに注意してください。
プロパティ名 |
適用対象 |
説明 |
---|---|---|
PRODUCTKEY オプション |
サーバーのインストール |
StreamInsight のインストールに必要な SQL Server 2008 R2 プロダクト キー。 Microsoft Certificate of Authenticity ラベルまたは製品のパッケージに表示されている有効なプロダクト キーを入力します。プロダクト キー「00000-00000-00000-00000-00000」は SQL Server 2008 R2 の評価版を表し、これが既定値です。 |
INSTANCENAME オプション |
サーバーのインストールまたは削除 |
インストールまたは削除する StreamInsight インスタンスの名前。既定値は Default です。 |
CREATESERVICE オプション |
サーバーのインストール |
StreamInsight のインスタンスを Windows サービスとして登録します。 有効な値: 1 = インスタンスを Windows サービスとして登録します (既定値)。 0 = インスタンスを登録しません。 |
ADDTOUSERSGROUP オプション |
サーバーのインストール |
現在のユーザーを StreamInsightUsers$<インスタンス> グループに追加します。 有効な値: 1 = ユーザーをグループに追加します。 0 = ユーザーをグループに追加しません。 |
IACCEPTLICENSETERMS 必須 |
サーバーおよびクライアントのインストール |
使用許諾条件に同意します。NO を指定すると、インストールが取り消されます。 有効な値: YES NO |
これらのプロパティを使用して、StreamInsight の自動 (サイレント) インストールを実行できます。コマンド プロンプト アプリケーションは、管理者として実行する必要があります。
次のコマンド ラインは、プロダクト キーとして SQL Server 2008 R2 の評価版を使用し、既定のインスタンスのサイレント インストールを実行します。
StreamInsight.msi /quiet /log log.txt IACCEPTLICENSETERMS=YES PRODUCTKEY=00000-00000-00000-00000-00000 INSTANCENAME=Default CREATESERVICE=1
次のコマンド ラインは、クライアント ライブラリのサイレント インストールを実行します。
StreamInsightClient.msi /quiet /log log.txt IACCEPTLICENSETERMS=YES
StreamInsight の新しいバージョンのインストール
StreamInsight の新しいバージョンをインストールすると、以前にインストールしたバージョンとサイド バイ サイドでインストールされます。以前のバージョンに対してコンパイルしたアプリケーションとライブラリは、変更せずに引き続き実行できます。StreamInsight の新しいバージョンをインストールするとコンピューターが次のように変更されます。
Windows の [プログラムと機能] の一覧に、新しいバージョンに対応する新しいエントリが追加されます。
ファイル システムに、新しいバージョンに対応する新しいフォルダーが追加されます たとえば、C:\Program Files\Microsoft StreamInsight 1.1 などです。
[すべてのプログラム] メニューに、新しいバージョンに対応する新しいエントリが追加されます ([Microsoft StreamInsight 1.1] など)。
複数の言語の StreamInsight がインストールされているコンピューターにいずれかの言語の新しいバージョンをインストールする場合は、他の言語の新しいバージョンもインストールする必要があります。そうしないと、最新のバージョンがインストールされていない言語では、メッセージが英語 (既定の言語) に戻されます。
詳細については、「プログラミングの考慮事項」の「StreamInsight のバージョン」を参照してください。
StreamInsight のサンプルとドキュメント
StreamInsight には、製品のインストールに製品ドキュメントが含まれています。ドキュメントは .chm ファイルに含まれています。内容は定期的に更新される可能性があります。最新のドキュメントは Microsoft SQL Server StreamInsight ダウンロード サイトで確認してください。現在のドキュメントは MSDN で参照できます。
サンプルは StreamInsight Samples にあります。
StreamInsight の修復
StreamInsight のインスタンスまたは StreamInsight クライアントは、該当する StreamInsight セットアップ MSI を実行すると修復できます。[プログラムのメンテナンス] から [修復] を選択します。このオプションは、欠落または破損しているファイル、ショートカット、レジストリのエントリなどを修正します。
StreamInsight の削除
StreamInsight の 1 つ以上のインスタンスまたは StreamInsight クライアントは、コントロール パネルの [プログラムと機能] を使用するか、該当する StreamInsight セットアップ MSI を実行すると、削除できます。指定したインスタンスの StreamInsight のファイルとフォルダーが削除され、最後のインスタンスが削除されるときに StreamInsight の DLL が GAC から削除されます。ただし、64 ビットのインスタンスを削除できるのは、64 ビット エディションの StreamInsight セットアップ MSI のみです。
StreamInsight の削除のためのコマンド ライン プロパティ
プロパティ名 |
適用対象 |
説明 |
---|---|---|
REMOVEINSTANCE 必須 |
サーバーの削除 |
StreamInsight の指定されたインスタンスを削除します。 有効な値: 1 |
REMOVE 必須 |
サーバーおよびクライアントの削除 |
クライアント ライブラリを削除します。 有効な値: ALL |
次のコマンド ラインは既定のインスタンスを削除します。
StreamInsight.msi /quiet /log log.txt INSTANCENAME=Default REMOVEINSTANCE=1
StreamInsight サーバーの最後のインスタンスを削除すると、サーバー ソフトウェア自体も削除されます。
次のコマンド ラインはクライアント ライブラリを削除します。
StreamInsightClient.msi /quiet /log log.txt REMOVE=ALL
関連項目
概念
変更履歴
変更内容 |
---|
自動インストール プロパティの一覧に IACCEPTLICENSETERMS プロパティを追加しました。 |
[インスタンスの構成] ページで使用できる選択項目を更新しました。 |
クライアント ライブラリのサイレント インストールの実行例と StreamInsight のすべてのインスタンスを対象とするサイレント削除の実行例を追加しました。 |