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Sync Framework の主な参加者の種類

Sync Framework を使用すると、さまざまな種類の参加者間でデータを同期できます。Sync Framework を実行している他のシステムとの間で同期させることができるデバイスまたはサービスを参加者と呼びます。

Sync Framework では、次の種類の参加者がサポートされます。

  • フル参加者

  • プロキシ参加者

  • パーシャル参加者

  • シンプル参加者

フル参加者

フル参加者は、ローカルでランタイムをホストし、メタデータを保存します。フル参加者はピア ツー ピアの同期に参加できます (両方の参加者が同期を開始できるため)。

2 つのフル参加者をピア ツー ピアで同期させる例

完全な参加コンポーネント

プロキシ参加者

プロキシ参加者は、サーバーに格納されているデータベースなど、ローカルで呼び出しを処理し、それをリモート プロバイダに転送することによってリモート プロバイダの同期を開始します。

Security noteセキュリティメモ :

Sync Framework では、プロキシ プロバイダとリモート プロバイダの間の認証または暗号化は提供されません。不正アクセスまたは改ざんを防ぐには、SSL (Secure Sockets Layer) などの適切な相互認証および暗号化メカニズムを使用して、プロキシ プロバイダとリモート プロバイダの間の通信チャネルをセキュリティで保護する必要があります。

次の図は、プロキシ プロバイダを使って同期を行うフル参加者プロバイダを表しています。プロキシ プロバイダは単に、ネットワークを介してリモート プロバイダにコマンドおよびメタデータを送信しているだけです。リモート プロバイダはデータベース サーバー上に存在し、同期に使用される実際のロジックを実装します。赤色の破線は、コンピュータの境界を表します。

フル参加者とプロキシ参加者を同期させる例

完全およびプロキシ参加コンポーネント

次の図は、Sync Framework を使用して、同期を開始するアプリケーションとは別の場所にあるリモート プロバイダを同期させる方法を示しています。この場合、制御側のアプリケーションは、同期対象となる 2 つの Web サービスまたはスマート デバイスに接続します。2 つのローカル プロバイダは、リモート プロバイダのプロキシ プロバイダとして機能している点に注目してください。赤色の破線は、コンピュータの境界を表します。

中央のアプリケーションにより 2 つのプロキシ参加者を同期させる例

アプリケーションおよびプロキシ参加コンポーネント

パーシャル参加者

パーシャル参加者は、同期メタデータを格納することはできますが、それを処理することはできません。パーシャル参加者は、別のフル参加者に依存しながら、ランタイムをホストし、同期を開始します。これらの参加者を経由したデータのフローが可能なのは、フル参加者が、マルチ マスタ同期のメタデータを搬送でき、このメタデータを他の任意のフル参加者との間でやり取りできるためです。パーシャル参加者はメタデータを処理したり、ランタイムをホストしたりすることはできないため、ピア ツー ピアの同期に参加することはできません。パーシャル参加者の例としては、USB サム ドライブやデータ ストレージ機能を備えた携帯電話などが挙げられます。

次の図は、フル参加者 (コンピュータなど) が、パーシャル参加者 (携帯電話) との間で同期を行う例です。フル参加者は、パーシャル参加者に代わって変更を列挙したりフィルタ選択したりしながら、メタデータをパーシャル参加者に格納します。こうして、他の任意のフル参加者が、このパーシャル参加者との間で同期を行うことができるようになります。

フル参加者とパーシャル参加者を同期させる例

完全および部分的な参加コンポーネント

シンプル参加者

シンプル参加者は、メタデータを格納せず、ランタイムをホストすることはできません。場合によっては、変更追跡も実行しません。シンプル参加者は、変更の列挙に関連したすべての処理、変更の適用、メタデータの操作と格納を、単一のフル参加者に依存します。メタデータを格納できないため、シンプル参加者は、単一のフル参加者とパートナー関係を持つリーフ ノードとしてのみ機能し、そのフル参加者が、他の参加者との間でデータをやり取りすることになります。

次の図は、フル参加者が、Metadata Storage Service を使ってシンプル参加者のメタデータを格納し、すべての同期処理をシンプル参加者に代わって実行するようすを示しています。このメタデータ ストアは、シンプル参加者に関連した変更を追跡する目的で使用されていますが、シンプル参加者のストレージ上の制限により、フル参加者側に置かれていることがわかります。

フル参加者が Metadata Storage Service を使ってシンプル参加者を同期させる例

完全および簡易参加コンポーネント

参照

概念

同期プロバイダ
メタデータの管理

その他のリソース

Microsoft Sync Framework