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サイトをアップグレードする際の考慮事項

適用対象: System Center Configuration Manager 2007, System Center Configuration Manager 2007 R2, System Center Configuration Manager 2007 R3, System Center Configuration Manager 2007 SP1, System Center Configuration Manager 2007 SP2

アップグレードの戦略を計画するときには、次の点を考慮してください。

  • アップグレード処理を開始するには、アップグレード対象のすべての SMS 2003 サイトが SMS 2003 SP2 以降である必要があります。

  • Microsoft Systems Management Server (SMS) 2003 階層をアップグレードする方法に関係なく、常にセントラル サイトで開始する必要があります。SMS 2003 親サイトへ報告する Configuration Manager 2007 サイトはサポートされていません。

  • アップグレード処理中に、親サイトのデータがアップグレードされた子サイトと同期します。この再同期処理により、多くのファイルがアップグレードされたそれぞれの子サイト用にレプリケートされる場合があります。階層アップグレードを続ける前に、親サイトがアップグレードされたそれぞれの子サイトとの再同期処理が完了していることを確認する必要があります。短期間に複数のサイトがアップグレードされた場合は、再同期処理により、親サイトでファイル バックログが発生し、結果として親サイトの処理パフォーマンスが低下する場合があります。

    注意

    新しい子プライマリ サイトをインストールすると、同様のファイル リプリケーション操作が起こるため、アップグレード処理中は階層に 新しい Configuration Manager サイトをインストールしないようにしてください。

  • Configuration Manager コンソールを使用して SMS 2003 プライマリ サイトを管理することはできません。SMS 2003 プライマリ サイトの親サイトを Configuration Manager 2007 にアップグレードした場合、リモート SMS 2003 の管理コンソールをインストールしてすべての SMS 2003 子プライマリ サイトを管理する必要があります。

    注意

    SMS 2003 セカンダリ サイトは、Configuration Manager 2007 コンソール内から管理することができます。

  • Configuration Manager セットアップ ウィザードを使用して SMS 2003 管理コンソールをアップグレードする場合、新しい Configuration Manager コンソールが既存の SMS 2003 Administrator コンソールと並列にインストールされます。Configuration Manager コンソールがインストールされた後は、SMS 2003 Administrator コンソールを単独でアンインストールするオプションはなく、Configuration Manager コンソールをアンインストールすると、両方のコンソールがアンインストールされます。既存の SMS 2003 プライマリ サイトを管理する SMS 2003 Administrator コンソールが不要な場合、Configuration Manager コンソールをインストールする前に SMS 2003 Administrator コンソールをアンインストールする必要があります。

    アップグレード処理で SMS 2003 Administrator コンソールをアンインストールするには、Configuration Manager セットアップ ウィザードの代わりに、/upgrade セットアップ コマンド ライン オプションを使用できます。Setup /upgrade コマンドを使用して SMS 2003 Administrator コンソールをアップグレードすると、新しい Configuration Manager コンソールがインストールされる前に、既存の SMS 2003 Administrator コンソールがアンインストールされます。

    注意

    SMS 2003 Administrator コンソールをアップグレードした後に、新しい Configuration Manager コンソールがサイト データベースに接続されないことがあります。Configuration Manager コンソールを Configuration Manager サイト データベースに接続するには、サイト データベースへの接続ウィザードを使用します。サイト データベースへの接続ウィザードの詳細については、「サイト データベースへの接続ウィザード」を参照してください。

  • SMS 2003 サイトのアップグレード後は、SMS 2003 サイト内で作成されたサイトの境界は、Configuration Manager コンソール内からは変更できません。SMS 2003 サイトをアップグレードするときには、以前から存在している SMS 2003 サイトの境界は Configuration Manager コンソール 内では読み取り専用となり、変更できません。アップグレード後にサイトの境界を変更するには、既存の SMS 2003 サイトの境界を削除し、新しいサイトの境界を作成する必要があります。

  • アップグレード処理中に、既存の既定コレクションが再作成されます。サイトをアップグレードする前に、既定のコレクションのカスタムのメンバシップの規則が作成されている場合、既定のコレクションのメンバシップの規則が保持され、カスタマイズされたクエリ値を使用し続けます。既定の Configuration Manager 2007 コレクションは、アップグレードするサイトに存在しない場合は、アップグレード処理中に作成されます。アップグレード処理中に既定のコレクションの再作成を行わないようにするには、セットアップのコマンド ライン オプション /NODEFAULTCOLL を使用できます。セットアップのコマンド ライン オプション /NODEFAULTCOLL の詳細については、「セットアップのコマンド ライン オプション」を参照してください。

  • SMS 2003 フォルダ構造内の SMS 以外のすべてのファイルまたはフォルダは、SMS 2003 のアップグレード時に削除されます。SMS のアップグレードまたは削除時に SMS 以外のデータが削除されないようにするには、他のアプリケーションまたはデータ ファイルが含まれていないフォルダに SMS をインストールします。

  • SMS 2003 用に Active Directory スキーマを拡張している場合は、Configuration Manager 2007 用のスキーマ拡張を更新する必要があります。スキーマ拡張は必須ではありませんが、Configuration Manager 2007 サイトの多くのメリットが提供されるので、強くお勧めします。Configuration Manager 2007 用 Active Directory スキーマを拡張するかどうかを決める場合の詳細については、「Active Directory スキーマを拡張する必要があるかどうかを判断する」を参照してください。Configuration Manager 2007 用 Active Directory スキーマの拡張方法の詳細については、「Configuration Manager に対して Active Directory スキーマを拡張する方法」を参照してください。

  • SMS 2003 から Configuration Manager 2007 に、すべてのサイトをアップグレードするか一部のサイトのみをアップグレードするかを決定します。SMS 2003 サイトは Configuration Manager 親サイトに報告することができますが、Configuration Manager サイトの SMS 2003 親サイトへの報告はサポートされていません。

  • どの SMS 2003 の機能を使用するかを決定します。Configuration Manager 2007 には多くの便利な機能が備わっています。機能によっては、使用前に対応する必要のある要件あることもあります。機能の要件が求める結果と競合することもあるため、求める結果を達成するために利用するアップグレードの戦略を検討するときは、常に目標を念頭に置いて行ってください。

  • SMS 2003 と Configuration Manager 2007 の間ではハードウェア インベントリ機能が変更されています。そのため、アップグレードしたサイトに割り当てられているクライアントでは、インベントリの再同期が実行され、デルタ レポートではなく完全なハードウェア インベントリ レポートが送信されます。一度に多数のクライアントが再同期を行うと、これらのインベントリの再同期によってネットワーク上に過度の負荷が発生し、Configuration Manager 2007 階層内のサイト システムでハードウェア インベントリ データの処理に時間がかかることがあります。ネットワークと Configuration Manager 2007 サイト サーバーの負荷を減らすために、同時に再同期を行うクライアントの数が多くなりすぎないように段階的にサイトのアップグレードを実行することを検討してください。

  • Configuration Manager 2007 へのアップグレード時に、SMS 2003 ハードウェア インベントリのカスタマイズ項目は移行されません。これらのカスタマイズ項目は手動で configuration.mof ファイル (カスタム データ クラス) および SMS_def.mof file (カスタム レポート クラス) に含める必要があります。これらのファイルはサイトのアップグレードが完了した後、アップグレード処理中に作成されます。

    重要

    サイトのアップグレード処理を開始する前に、Configuration Manager インストール ソース ファイルにある既定の SMS_def.mof ハードウェア インベントリ レポート ファイルを変更しないでください。SMS_def.mof ファイルは、サイトのインストール中に、アップグレードするサイトの構成に応じて更新されます。アップグレード処理の開始前に既定の SMS_def.mof ファイルを変更すると、アップグレードが失敗する可能性があります。

  • サイトをアップグレードすると、カスタマイズしたインベントリ名が SMS 2003 から移行され、既定のインベントリ コレクション名がインストールされます。既定のインベントリ コレクション名が以前に削除された場合は、アップグレード後に、ソフトウェア インベントリのクライアント エージェントのプロパティ にコレクション名が再度表示されます。

  • 異なる言語へのサイトのアップグレードはサポートされていません。サイトをアップグレードするときは、アップグレード前のサイトがアップグレードするバージョンのと同一の言語で実行していることを確認してください。

  • サイトのアップグレード中にソフトウェアの更新のメタデータが移行されますが、SMS 2003 インベントリ スキャン ツールを使用したソフトウェアの更新の対応のスキャン、および SMS 2003 クライアントへのソフトウェア の更新の展開にはいくつかの制限があります。詳細については、「SMS 2003 ソフトウェアの更新のアップグレードの計画」を参照してください。

    重要

    Configuration Manager 2007 では、SMS 2003 R2 の脆弱性評価用ツールがインストールされているサイトのアップグレードをサポートしていません。SMS 2003 R2 サイトを Configuration Manager 2007 にアップグレードする前に、脆弱性評価用ツールをアンインストールしておく必要があります。サイトを Configuration Manager 2007 にアップグレードした後、必要な構成管理の脆弱性評価の構成項目をダウンロードできます。

  • Configuration Manager 2007 の媒体使用センダ マネージャで作成したパーセルは、SMS 2003 の子サイトでは読み取れません。

  • 新しい Configuration Manager 2007 サイト サーバーをインストールした場合は、サイトのリセットにより、アクセス制御リスト (ACL) が元の設定に戻されます。既存の Systems Management Server (SMS) 2003 サイトをアップグレードした場合、セットアップではアップグレードしたディレクトリに対するアクセス許可は変更されません。また、SMS 2003 からアップグレードしたサイトに対してサイトのリセットを実行する場合も、アップグレードしたディレクトリの ACL はリセットされません。

参照:

概念

Configuration Manager へのアップグレードの計画