保護された配布ポイントについて

適用対象: System Center Configuration Manager 2007, System Center Configuration Manager 2007 R2, System Center Configuration Manager 2007 R3, System Center Configuration Manager 2007 SP1, System Center Configuration Manager 2007 SP2

Microsoft System Center Configuration Manager 2007 サイト システムを保護することとは、保護された境界の外部のクライアントからはそのサイト システムの配布ポイントまたは状態移行ポイントの役割にアクセスできなくなることを意味します。保護は、サイトの役割のプロパティだけではなく、サイト システム全体に適用されます。ただし、保護は、配布ポイントおよび状態移行ポイントを除くサイト システムの役割には効果はありません。

保護されていない配布ポイントへの切り替え

配布ポイントの保護では、保護された境界内のクライアントが、保護されていない配布ポイントからコンテンツへアクセスするのを防ぐ必要はありません。パッケージが保護された配布ポイント上に存在しない場合、各パッケージの提供情報の構成と経過した時間に応じて、クライアントは保護されていない配布ポイントの使用に切り替えることがあります。配布ポイントがオフラインまたは 8 時間以上プロビジョニングされていない場合や、［保護された配布ポイントでコンテンツが利用できない場合に、保護されていない配布ポイントへの切り替えをクライアントに許可する］の設定を選択した場合は、クライアントは保護されていない配布ポイントからコンテンツを受信できます。

次の表に、コンテンツが保護された配布ポイントで使用できるかどうかによって異なる、提供情報の構成の動作方法を示します。

シナリオ	オプション :保護された配布ポイントでコンテンツが利用できない場合に、保護されていない配布ポイントへの切り替えをクライアントに許可しない	オプション :保護された配布ポイントでコンテンツが利用できない場合に、保護されていない配布ポイントへの切り替えをクライアントに許可する
1 つ以上の配布ポイントが次の条件を満たしている場合 : パッケージに追加されている クライアントの保護された境界内に存在する オンラインであり、アクセス可能である 標準配布ポイントまたはブランチ配布ポイントのいずれかである	保護された配布ポイントのみが返されます。クライアントは保護された配布ポイントからパッケージをダウンロードします。	コンテンツが保護された配布ポイント上に存在する場合、その配布ポイントが返されます。 コンテンツが保護された配布ポイント上に存在しない場合、コンテンツを含む保護されていない配布ポイントが返されます。 コンテンツを含む保護されていない配布ポイントが存在しない場合、クライアントは "コンテンツは利用できません。" というメッセージを受け取り、失敗します。
1 つまたは複数の標準配布ポイントが次の条件を満たしている場合: クライアントの保護された境界内に存在する オンラインで、アクセス可能である 保護された標準配布ポイントがパッケージに追加されない ブランチ配布ポイントが、クライアントの保護された境界内に存在しない	返される配布ポイントはありません。クライアントは "コンテンツは利用できません。" というメッセージを受け取り、失敗します。	コンテンツを含む保護されていない配布ポイントが戻されます。 コンテンツを含む保護されていない配布ポイントが存在しない場合、クライアントは "コンテンツは利用できません。" というメッセージを受け取り、失敗します。
1 つまたは複数のブランチ配布ポイントが次の条件を満たしている場合: クライアントの保護された境界内に存在する オンラインで、アクセス可能である 保護されたブランチ配布ポイントがパッケージに追加されない パッケージがオンデマンド パッケージ配布用に構成されている	保護されたブランチ配布ポイントをパッケージに追加するように、管理ポイントが配布マネージャにメッセージを送信します。 クライアントは保護されたブランチ配布ポイントからパッケージをダウンロードします。 保護された配布ポイントの境界内の次のクライアントがコンテンツの場所を要求した場合、保護されたブランチ配布ポイントが返されます。	保護されたブランチ配布ポイントをパッケージに追加するように、管理ポイントが配布マネージャにメッセージを送信します。今後は、コンテンツの場所の要求に対し、保護されたブランチ配布ポイントが返されます。 コンテンツが保護されたブランチ配布ポイント上に存在しない場合、コンテンツを含む保護されていない配布ポイントが返されます。 クライアントは、保護されたブランチ配布ポイントまたは保護されていない配布ポイントから、パッケージをダウンロードします。
1 つまたは複数のブランチ配布ポイントが次の条件を満たしている場合: クライアントの保護された境界内に存在する オンラインで、アクセス可能である 保護されたブランチ配布ポイントがパッケージに追加されない パッケージがオンデマンド パッケージ配布用に構成されていない 標準配布ポイントが、クライアントの保護された境界内に存在しない	返される配布ポイントはありません。クライアントは "コンテンツは利用できません。" というメッセージを受け取り、失敗します。	返される配布ポイントはありません。クライアントは "コンテンツは利用できません。" というメッセージを受け取り、失敗します。
配布ポイントが次の条件を満たしている場合: パッケージに追加されている クライアントの保護された境界内に存在する ブランチ配布ポイントまたは標準配布ポイントのいずれかである 配布ポイントがオフラインで、アクセスできない	保護された配布ポイントのみが返されます。8 時間経過後に、クライアントは "コンテンツは利用できません。" というメッセージを受け取り、失敗します。	保護された配布ポイントのみが返されます。8 時間経過後に、クライアントは "コンテンツは利用できません。" というメッセージを受け取り、失敗します。

例

次の図で、サブネット 192.168.11.0 は、ネーパービルの支社内にありますが、シカゴのサイトの一部でもあります。支社のブランチ配布ポイントは保護されているため、この配布ポイントにアクセスできるのは、192.168.11.0 内のクライアントだけです。本社の標準配布ポイントは保護されていません。192.168.10.0 ネットワーク上のクライアントは、192.168.11.0 上の保護された配布ポイントにあるパッケージにアクセスできません。提供情報は、既定で［保護された配布ポイントでコンテンツが利用できない場合に、保護されていない配布ポイントへの切り替えをクライアントに許可する］に設定されています。そのため、192.168.11.0 ネットワーク上のクライアントは、どちらの配布ポイントからのパッケージも受け取ることができます。この設定を変更すると、192.168.11.0 内のクライアントは、保護されたブランチ配布ポイントにパッケージがコピーされていない場合でも、保護されたブランチ配布ポイントからのみパッケージを取得しようとします(オンデマンド パッケージ配布用にパッケージが構成されている場合、管理ポイントはパッケージをその配布ポイントにコピーするように、配布マネージャに通知します)。ORD からのクライアントが LON サイトにローミングし、LON 配布ポイント上で提供パッケージが使用できない場合、クライアントは、(この配布ポイントにパッケージがコピーされていると仮定し) 192.168.10.0 上の配布ポイントを使用するように切り替えることができます。ただし、クライアントは 192.168.11.0 ネットワーク上に存在しないため、保護された配布ポイントにアクセスすることはできません。

サイト内のすべての配布ポイントを保護することもできます。その結果、複数の配布ポイントによって生じる冗長性が排除されます。次の図で、ミルピタスにある配布ポイントに接続できない場合、他のすべての配布ポイントは保護されているため、ミルピタス支社のクライアントはコンテンツを入手できません。

参照:

タスク

保護された配布ポイントの構成方法

概念

配布ポイントについて
Configuration Manager とコンテンツの場所 (パッケージ ソース ファイル)
配布ポイントの選択におけるコンテンツの場所のフローチャート
配布ポイントを保護するかどうかを判断する

その他の情報については、「Configuration Manager 2007 Information and Support」 (Configuration Manager 2007 の情報とサポート) を参照してください。
ドキュメント チームに連絡するには、次のアドレスに電子メールを送信してください。 SMSdocs@microsoft.com.