システム要件の評価
公開日: 2016年3月
対象: System Center 2012 SP1 - Orchestrator、System Center 2012 - Orchestrator、System Center 2012 R2 Orchestrator
このセクションは、展開要件を決定するための ITIL ベスト プラクティスを、Orchestrator に適用してまとめたものです。 次のテーブルに評価基準を順に示します。
タスク | 情報 |
---|---|
1:プロジェクトの適用範囲を定義する | 作業の適用範囲の定義 |
2:自動化を計画するタスクを特定する | タスクの特定 |
3:Orchestrator のシステム作業負荷と自動化を計画するタスクを特定する | 個々の作業負荷の定義 |
4:1 時間あたりの実行ジョブ数を見積もる | 実行ジョブの合計数の決定 |
5:環境に必要な統合パックを特定する | 必要な統合パックの特定 |
6:セキュリティ要件を決定する | セキュリティ モデルの決定 |
7:Runbook サーバーの数と配置を決定する | Runbook サーバー要件の設計 |
8:フォールト トレランスの要件を決定する | フォールト トレランス |
9:展開に必要な追加リソースの特定 | リソース要件 |
10:ネットワーク トラフィックと潜在するボトルネックを特定する | ネットワーク |
11:サービスとオペレーションの必要条件を特定する | サービスとオペレーションの必要条件 |
12:他の System Center 製品との統合レベルを決定する | System Center との統合 |
13:オーサリング要件を決定する | オーサリング |
14:Orchestrator テスト環境を設計する | テスト環境 |
15:Orchestrator 運用前環境を設計する | 運用前環境 |
作業の適用範囲の定義
展開サイズの計画の一環として、事業要件の特定から始めます。 このプロセスでは、Orchestrator を使用して自動化するプロセス、組織の報告要件、このインストールによってインパクトを受ける部署を定義します。 実行するタスクに関連する、すべてのアプリケーション、サービス、サーバー、および手動プロセスを特定します。 効果的に展開タスクの優先順位を決めるため、事業のインパクトを基準にして必要条件の優先順位を付けます。
タスクの特定
自動化を計画するプロセスを検討します。 自動化を意図するプロセスを、関連する個々の手順にマッピングします。 このレベルが詳細であれば、Runbook のオーサリング タスクが簡略化されます。 運用環境で Runbook に任せる前に、特に注意して検証する必要がある、事業に重要なプロセスを特定してください。
個々の作業負荷の定義
自動化するプロセスについて、実行を予定する頻度を決定します。 1 日に 1 回起動する Runbook は、システム プロセスを監視する継続して実行される Runbook に比べて、はるかに少ないリソースを消費します。Orchestrator システムと自動化プロセスの両方の作業負荷を検討してください。 以前は手動で入力された要求に応答していたサーバーが、要求入力が自動化されると、動作がまったく変わる可能性があります。
各 Runbook に必要な公開データのログの出力量を検討してください。 ログ出力が増加するにつれて、Orchestrator データベースのホスト サーバーのネットワーク トラフィックと負荷が増大します。
実行ジョブの合計数の決定
個々の作業負荷が定義されたら、任意の時点で実行される可能性があるジョブの合計数を計算します。 システム設計は、最大作業負荷を考慮すべきです。 実行する Runbook の最大数に合わせて、自動化するプロセスのリソースおよび Runbook サーバーの配置数をサイジングする必要があります。
必要な統合パックの特定
Microsoft の製品でないデバイスやアプリケーションは、統合パックを使って自動化されます。 自動化プロセスに必要な統合パックを特定します。 ソフトウェアとハードウェアの製品には、通常それぞれ固有の統合パックが必要になります。 統合パックが販売されていない場合、スクリプトを作成して自動化できるか検討します。 完全に自動化するために、カスタム統合パックの作成が必要になるか検討します。
セキュリティ モデルの決定
セキュリティ モデルの計画には、複数の Active Directory フォレストに Runbook サーバーとリソース を配置する必要があるかの決定が含まれます。 クロス ドメイン信頼を確認します。 証明書が必要な Operations Manager ゲートウェイの有無を確認します。 環境の現在のセキュリティ要件を確認して、アクセス許可と証明書の必要条件を特定します。
Runbook サーバー要件の設計
ワイド エリア ネットワーク (WAN) リンクおよび信頼境界を越えて Runbook サーバーを検索する予定ですか。 その場合は、Orchestrator データベースと Runbook サーバーとの関係においてゲートウェイ サーバーの配置を決定する必要があります。 Management サーバーが実行されていなくても Runbook の起動や Runbook データの保存はできますが、すべてのアクティブな Runbook サーバーに Orchestrator データベースが必要です。
フォールト トレランス
Orchestrator 展開のフォールト トレランス レベルを決定します。 必要条件次第では、単一障害に備えた高可用性を持つように Orchestrator 環境を設計できます。
リソース要件
Orchestrator 展開の必要条件と、自動化のために必要条件が増えたプロセスによる追加負荷を決定します。 任意の時間に実行される可能性がある Runbook 数に対して適切な数の Runbook サーバーがあるか検討します。Orchestrator データベースのサイズが、すべての要求と公開データのログ出力を処理するのに適切かを検討します。
サービスとオペレーションの必要条件
環境のすべての必要条件を特定します。 横断型管理グループ、データの保持、データウェアハウスのサイズ、あるいはフォールト トレランスに関する、あらゆるデータ統合方法と必要条件が含まれます。
ネットワーク
Runbook サーバーと Orchestrator データベースが生成するトラフィックの増大をサポートするのに、帯域幅の追加が必要か決定します。Orchestrator Web サービスに対応するために、ネットワーク ポートの設定を変更する必要があるか確認します。
System Center との統合
Orchestrator は、Service Manager や Operations Manager など、すべての System Center 製品をサポートします。 環境にある既存の System Center 製品を特定して、Management サーバーやゲートウェイの追加が必要であるかを決定します。
オーサリング
Runbook のオーサリングを実行する場所と方法を決定します。 Runbook のオーサリングは、通常、運用とは別の環境のコンピューターで行われます。 ただし、事業要件に、計画されていなかった Runbook のオーサリングの必要条件が含まれている可能性があります。
テスト環境
運用環境から離れてオーサリングする場合は、新しい Runbook のビルドとテストに必要なリソースを特定します。
運用前環境
Runbook を運用環境に導入する前に、運用前環境で影響が大きい Runbook を展開することは賢明です。 運用前環境は、運用環境とほぼ同規模にしてください。