Configuration Manager のレポートの概要
適用対象: System Center 2012 Configuration Manager,System Center 2012 Configuration Manager SP1,System Center 2012 Configuration Manager SP2,System Center 2012 R2 Configuration Manager,System Center 2012 R2 Configuration Manager SP1
System Center 2012 Configuration Manager のレポートでは、SQL Reporting Services の高度なレポート機能と Reporting Services レポート ビルダーの充実したオーサリング機能を活用するために役立つ一連のツールとリソースを利用できます。 レポート機能を使用して、組織内のユーザー、ハードウェアとソフトウェアのインベントリ、ソフトウェア更新プログラム、アプリケーション、サイト ステータス、およびその他の Configuration Manager 操作に関する情報を収集、整理、および提示できます。 レポート機能には、そのまま利用することも、必要に応じて変更することもできる定義済みレポートが多数用意されています。また、カスタム レポートを作成することもできます。
Configuration Manager のレポートを管理する際には、次のセクションを参考にしてください。
SQL Server Reporting Services
レポート サービス ポイント
Configuration Manager レポート
レポートを作成および変更する
レポートを実行する
レポートのプロンプト
レポート リンク
レポート フォルダー
レポートのサブスクリプション
レポート ビルダー
Configuration Manager の新機能
Configuration Manager SP1 の新機能
System Center 2012 R2 Configuration Manager の新機能
SQL Server Reporting Services
SQL Server Reporting Services は、各組織のレポートの作成、展開、および管理に役立つ既成の各種ツールとサービス、および、レポート機能の拡張とカスタマイズを可能にするプログラミング機能を提供します。 Reporting Services は、多様なデータ ソースを対象とした総合的レポート機能を提供する、サーバーベースのレポート プラットフォームです。
Configuration Manager は、SQL Server Reporting Services をレポート ソリューションとして使用します。 この Reporting Services との統合の利点は、次のとおりです。
Configuration Manager データベースのクエリに業界標準のレポート システムを使用できます。
Configuration Manager レポート ビューアー、または Web ベースでレポートに接続するレポート マネージャーを使用してレポートを表示できます。
優れたパフォーマンス、可用性、およびスケーラビリティを実現します。
ユーザーがサブスクライブ可能なレポートのサブスクリプション機能を利用できます。たとえば管理者は、ソフトウェア更新プログラムのロールアウト ステータスの詳細を示すレポートにサブスクライブし、毎日自動的に電子メールでレポートを受信することができます。
ユーザーが選択できる各種の標準形式でレポートをエクスポートできます。
Reporting Services の詳細については、SQL Server 2008 オンライン ブックの「SQL Server Reporting Services」を参照してください。
レポート サービス ポイント
レポート サービス ポイントはサイト システムの役割の 1 つで、Microsoft SQL Server Reporting Services を実行しているサーバー上にインストールされます。 レポート サービス ポイントは、Configuration Manager レポートの定義を Reporting Services にコピーし、レポート カテゴリを基にレポート フォルダーを作成し、Configuration Manager 管理ユーザーの役割に基づいた権限に従ってレポート フォルダーとレポートのセキュリティ ポリシーを設定します。 レポート マネージャーなどを使用して、10 分間隔でレポート サービス ポイントが Reporting Services に接続し、変更があったセキュリティ ポリシーを再度適用します。 レポート サービス ポイントの計画とインストールの詳細については、次のドキュメントを参照してください。
「レポート サービス ポイントのインストール場所を決定する」トピックの「Configuration Manager のレポートの計画」セクション
「レポート サービス ポイントのインストール」トピックの「Configuration Manager のレポートの構成」セクション
Configuration Manager レポート
Configuration Manager は、50 以上のレポート フォルダー内の 400 以上のレポートを対象とするレポート定義を提供します。レポート サービス ポイントのインストール過程で、このレポート定義は SQL Server Reporting Services のルート レポート フォルダーにコピーされます。 レポートは Configuration Manager コンソールに表示され、レポート カテゴリに基づくサブフォルダーに整理されます。 レポートは、Configuration Manager 階層の上位や下位へ伝達されることはなく、レポートの作成元のサイトのデータベースに対してのみ実行されます。 ただし、Configuration Manager はグローバル データを階層全体にレプリケートするため、階層全体の情報にアクセスできます。 レポートがサイト データベースからデータを取得する際に、現在のサイトと子サイトのサイト データ、および階層内の全サイトのグローバル データにアクセスできます。 他の Configuration Manager オブジェクトと同様に、管理ユーザーがレポートの実行や変更を行うには適切なアクセス許可が必要となります。 レポートを実行するには、オブジェクトの "レポートの実行" アクセス許可が必要です。 レポートを作成するには、オブジェクトの "レポートの変更" アクセス許可が必要です。
レポートを作成および変更する
Configuration Manager では、モデルベースのレポートと SQL ベースのレポートの両方を対象に、Microsoft SQL Server レポート ビルダーが専用のオーサリングおよび編集ツールとして使用されます。Configuration Manager コンソールでレポートの作成または編集を行うと、レポート ビルダーが開きます。 レポートの管理の詳細については、「Configuration Manager レポートの管理」の「Configuration Manager のレポートの操作とメンテナンス」セクションを参照してください。
レポートを実行する
Configuration Manager コンソールでレポートを実行すると、レポート ビルダーが開きます。 レポートの必須パラメーターの指定後、Reporting Services がデータを取得してビューアーに結果を表示します。 また、SQL Services Reporting Services に接続し、サイトのデータ ソースにアクセスしてレポートを実行することもできます。
レポートのプロンプト
Configuration Manager のレポート プロンプトまたはレポート パラメーターは、レポートの作成時または変更時に構成可能なレポート プロパティです。 レポート プロンプトは、レポートで取得するデータを制限したり指定したりするために作成します。 レポートには、プロンプト名が固有のものである限りは複数のプロンプトを入れることができ、識別子については SQL Server 規則に準拠する英数字のみが使用できます。
レポートを実行すると、必要なパラメーターの値を要求するプロンプトが表示され、その値に基づいてレポート データが取得されます。 たとえば、[特定のコンピューターのコンピューター情報] レポートは、特定のコンピューターに関するコンピューター情報を取得するため、管理ユーザーがコンピューター名を入力することが求められます。 Reporting Services は、レポートの SQL ステートメントで定義されている変数に指定値を渡します。
レポート リンク
Configuration Manager のレポート リンクをソース レポートで使用して、ソース レポートの各項目の詳細などの追加データへの簡単なアクセスを管理ユーザーに示すことができます。 ターゲット レポートでプロンプトを実行する必要がある場合は、各プロンプトの適切な値の入った列をソース レポートに含める必要があります。 プロンプトの値が含まれている列の番号を指定する必要があります。 たとえば、最近探索されたコンピューターを一覧表示するレポートを、特定のコンピューターに関して最近受信されたメッセージを一覧表示するレポートにリンクするとします。 リンクを作成するときに、ソース レポートの列 2 に、ターゲット レポートに必要なプロンプトであるコンピューター名を格納するように指定できます。 ソース レポートを実行すると、データの各行の左側にリンク アイコンが表示されます。 任意の行のアイコンをクリックすると、その行の指定された列にある値が、ターゲット レポートを表示するために必要なプロンプト値として渡されます。 レポートの構成に使用できるリンクは 1 つのみで、そのリンクは 1 つの対象リソースのみに接続可能です。
警告 |
---|
ターゲット レポートを別のレポート フォルダーに移動すると、ターゲット レポートの場所が変更されます。 ソース レポートのレポート リンクは自動的に新しい場所に更新されず、レポート リンクはソース レポート内では動作しなくなります。 |
レポート フォルダー
System Center 2012 Configuration Manager のレポート フォルダーは、Reporting Services に格納されているレポートを並べ替えてフィルターする手段を提供します。 管理するレポートが多くある場合、レポート フォルダーは特に便利です。 レポート サービス ポイントをインストールすると、レポートが Reporting Services にコピーされ、50 以上のレポート フォルダーに整理されます。 レポート フォルダーは読み取り専用です。Configuration Manager コンソールで変更することはできません。
レポートのサブスクリプション
Reporting Services のレポートのサブスクリプションは、サブスクリプションで指定するアプリケーション ファイル形式のレポートの定期配信またはイベントへの応答としての配信を求める定期要求です。 サブスクリプションは、オンデマンド レポート実行の代替手段となります。 オンデマンド レポートでは、レポートを表示するたびに手動でレポートを選択しなければなりません。 これと対照的に、サブスクリプションはスケジュールを設定して自動的にレポートを配信できます。
レポートのサブスクリプションは、Configuration Manager コンソールで管理できます。 レポート サーバーでその処理が行われます。 サブスクリプションの配信には、サーバーに展開される配信拡張機能が使用されます。 既定では、共有フォルダーまたは電子メール アドレスにレポートを送信するサブスクリプションを作成できます。 レポート サブスクリプションの管理の詳細については、「レポートのサブスクリプションの管理」の「Configuration Manager のレポートの操作とメンテナンス」セクションを参照してください。
レポート ビルダー
Configuration Manager では、モデルベースのレポートと SQL ベースのレポートの両方を対象に、Microsoft SQL Server Reporting Services レポート ビルダーが専用のオーサリングおよび編集ツールとして使用されます。Configuration Manager コンソールでレポートの作成操作または編集操作を開始すると、レポート ビルダーが開きます。 レポートの初回作成時または変更時に、レポート ビルダーが自動的にインストールされます。Configuration Manager SP1 以降、レポートを実行または編集すると、インストールされているバージョンの SQL Server と関連付けられたバージョンの Report Builder が開きます。
重要 |
---|
サービス パックなしの Configuration Manager のみ: Configuration Manager の既定では、新しいレポートを作成したり既存のレポートを変更しようとすると、レポート ビルダー 2.0 をインストールして実行する、レポート ビルダー 2.0 の ClickOnce バージョンが開きます。 レポート サーバーで SQL Server 2008 R2 を実行している場合は、SQL Server 2008 R2 Reporting Services と共にレポート ビルダー 3.0 の ClickOnce バージョンが自動的にインストールされます。 そのため、Configuration Manager でレポート ビルダー 2.0 の ClickOnce バージョンを開こうとすると、そのファイルが見つからないためエラーが表示されます。 レポート ビルダー 3.0 の使い方の詳細については、「レポートの操作にレポート ビルダー 3.0 を使用するように構成する」の「Configuration Manager のレポートの構成」セクションを参照してください。 |
レポート ビルダーのインストールにより、20 言語のサポートが追加されます。 レポート ビルダーを実行すると、ローカル コンピューターで実行中のオペレーティング システムの言語でデータが表示されます。 レポート ビルダーがその言語をサポートしない場合は、データは英語で表示されます。 レポート ビルダーは SQL Server 2008 Reporting Services の全機能をサポートします。以下の機能が含まれます。
Microsoft Office のような外観の直観的なレポート オーサリング環境
SQL Server 2008 レポート定義言語 (RDL) の柔軟なレポート レイアウト
チャートやゲージなど多様なデータ表示形式
リッチ形式のテキスト ボックス
Microsoft Word 形式のエクスポート
レポート ビルダーは、SQL Server Reporting Services から開くこともできます。
SQL Server Reporting Services のレポート モデル
Configuration Manager の SQL Reporting Services では、レポート モデルを使用することで、管理ユーザーがモデルベースのレポートに含める項目をデータベースから容易に選択することができます。 レポートを構築する管理ユーザーには、レポート モデルで指定したビューと項目のみが選択用に表示されます。 モデルベースのレポートを作成するには、少なくとも 1 つのレポート モデルが必要です。 レポート モデルには、次の特長があります。
データベースのフィールドとビューに論理的な事業名を設定し、レポート生成を効率化することができます。 レポートを生成するには、データベース構造に関する知識は必要ありません。
項目は論理的にグループ化できます。
項目間のリレーションシップ
モデルの要素にセキュリティ保護を適用することで、管理ユーザーが表示のアクセス許可を持っているデータのみが表示されるように管理できます。
Configuration Manager にはレポート モデルのサンプルが用意されていますが、それぞれの業務要件に適したレポート モデルを定義することもできます。 レポート モデルの作成方法の詳細については、「SQL Reporting Services のカスタム レポート モデルの作成」を参照してください。
Configuration Manager の新機能
[!メモ]
このセクションの情報は、次の場所にも表示されます: 「System Center 2012 Configuration Manager の概要」ガイド
Configuration Manager 2007 以後、レポート機能が次のように変更されています。
Configuration Manager では、レポート ポイントを使用しません。レポート サービス ポイントが、Configuration Manager でレポート用に使う唯一のサイト システムの役割です。
Configuration Manager 2007 R2 SQL Server Reporting Services ソフトウェアの完全統合:標準レポート管理に加え、Configuration Manager 2007 R2 では SQL Server Reporting Services レポートのサポートが導入されました。System Center 2012 Configuration Manager では、 R2 と同様に SQL Server Reporting Services ソリューションを統合していますが、新しい機能が追加され、標準のレポート機能が削除されています。
レポート ビルダー 2.0 の統合について: System Center 2012 Configuration Manager では、モデルベースのレポートと SQL ベースのレポートの両方の作成と編集用に、Microsoft SQL Server 2008 Reporting Services のレポート ビルダー 2.0 だけを使います。 レポート ビルダー 2.0 は、レポートを初めて作成または変更するときに自動的にインストールされます。
SQL Server Reporting Services のレポートのサブスクリプションを構成できます。指定したレポートが定期的に電子メールで配信されるようにしたり、ファイル共有に配信されるようにすることができます。
Configuration Manager のレポートを実行するには、Configuration Manager コンソールでレポート ビューアーを使用する方法と、ブラウザーでレポート マネージャーを使用する方法の 2 通りあります。 どちらの方法で実行しても、同じように機能します。
Configuration Manager のレポートは、インストールされている Configuration Manager コンソールのロケールで表示されます。 サブスクリプションは、SQL Server Reporting Services がインストールされたロケールで表示されます。 レポートを作成するときに、アセンブリと式を指定できます。
Configuration Manager SP1 の新機能
Configuration Manager SP1 では、レポートの項目が次のように新しく追加または変更されています。
Configuration Manager SP1 は Microsoft SQL Server 2012 Reporting Services をサポートします。
Microsoft SQL Server 2012 または SQL Server 2008 R2 がレポート サービス ポイントで実行されている場合、レポートを作成または変更すると、Configuration Manager は Reporting Services Report Builder 3.0 を開きます。 Microsoft SQL Server 2008 がレポート サービス ポイントで実行されている場合、レポートを作成または変更すると、Configuration Manager は Reporting Services Report Builder 2.0 を開きます。
[監視] ワークスペースに、[レポート] ノードからの SQL Server Reporting Services レポート管理へのリンクが表示されるようになりました。
System Center 2012 R2 Configuration Manager の新機能
System Center 2012 R2 Configuration Manager では、レポート機能に関する次の項目が新しく追加または変更されています。
- Configuration Manager のレポートはロール ベースの管理に対応しました。Configuration Manager に含まれているすべてのレポートのデータが、レポートを実行する管理ユーザーのアクセス許可に基づいてフィルター処理されます。 特定の役割を持つ管理ユーザーに対して、個々の役割に定義されている情報のみ表示できます。 詳細については、「役割に基づいたレポートの管理計画」トピックの「Configuration Manager のレポートの計画」セクションを参照してください。