次の方法で共有


Microsoft Assessment and Planning Toolkit

Microsoft Assessment and Planning Toolkit (MAP) 4.0

Rob Polly

IT プロフェッショナル、パートナー、またはコンサルタントであっても、Microsoft Assessment and Planning (MAP) Toolkit 4.0 を使用することで、企業の IT インフラストラクチャを理解して、ニーズに適したマイクロソフト テクノロジを特定できます。この無料の Solution Accelerator を使用すると、お使いの環境にエージェント ソフトウェアをインストールする必要なく、IT 環境の規模に関係なく、迅速に IT 環境をインベントリできます。MAP Toolkit で提供されるデータと分析結果によって、さまざまなものの検出、移行への対応度、およびサーバー統合プロジェクトの計画プロセスを簡略化できます。

MAP Toolkit を 1 台のネットワーク コンピューターにインストールすると、Windows Management Instrumentation (WMI)、リモート レジストリ サービス、Active Directory ドメイン サービス、コンピューター ブラウザー サービスなど、既に導入されているテクノロジを使用して IT 環境に関する情報を収集して整理できます。必要なデータを収集したら、MAP Toolkit では、次のタスクに役立つ概要レポートと詳細レポートを生成できます。

  • オペレーティング システムに対するハードウェアの対応度とデバイスの互換性を判断します
  • 稼働率の低い物理サーバーとそのコンピューターにインストールされている役割を確認します
  • Hyper-V を使用したサーバーの統合に関する推奨事項を策定します
  • お使いの環境で使用している Microsoft SQL Server と仮想マシンを確認します

図 1. Windows 7 への移行の対応度の結果を表示した MAP Toolkit コンソール

 

MAP Toolkit 4.0 の新機能

2009 年 7 月、Solution Accelerator チームは MAP Toolkit の最新バージョンをリリースしました。これは Microsoft ダウンロード センターからダウンロードして、ご利用いただけます (https://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?displaylang=ja\&FamilyID=67240b76-3148-4e49-943d-4d9ea7f77730)。このリリースでは、Windows 7 と Windows Server 2008 R2 への移行の対応度に関する新しい評価、向上したパフォーマンス メトリックの収集エンジン、およびサーバーの仮想化の計画のカスタマイズに役立つ新しい構成設定が導入されました。

この記事では、Windows 7 と Windows Server 2008 R2 への移行の対応度に関する新しい評価が、社内の既存のコンピューターを新しいオペレーティング システムに移行する際に、どのように役立つかを説明します。また、MAP Toolkit が、仮想化による既存の物理サーバーの統合計画に、どのように役立つかについても説明します。

既存の Windows ベースのコンピューターを Windows 7 へ移行する計画を支援するため、MAP Toolkit には、どのコンピューターで Windows 7 を実行できるかを評価するのに役立つ移行の対応度のシナリオが用意されています。環境調査が完了すると、MAP Toolkit では、 Windows XP、Windows Vista など以前のバージョンの Windows を実行している各コンピューターについて、CPU 速度、メモリ、ディスクの空き領域を最小システム要件または推奨システム要件と比較します。搭載しているメモリなど、コンピューターが特定の要件を満たしていない場合は、具体的な推奨事項を提供することで、コンピューターを推奨レベルに上げるために必要な操作を提示します。

評価が完了すると、MAP Toolkit のコンソールに結果が表示されます (図 1 参照)。MAP Toolkit ではWindows 7 に関する調査結果を次の 4 つのセクションに分類して表示します。

  • Inventory Summary (インベントリの概要)
  • Before Hardware Upgrades (アップグレード前のハードウェア環境)
  • After Hardware Upgrades (アップグレード後のハードウェア環境)
  • Device Compatibility Summary (デバイスの互換性の概要)

Inventory Summary セクションでは、MAP Toolkit によるインベントリの実行結果の概要を示します。ここでは、クライアント オペレーティング システムを実行しているコンピューターとサーバー オペレーティング システムを実行しているコンピューターの台数と、対応度を判断するのに十分なデータを収集できなかったコンピューターの台数を表示します。

Before Hardware Upgrades セクションでは、インベントリされた環境の Windows 7 への移行の対応度の結果を示します。"Ready for Windows 7" (Windows 7 への移行の準備ができています) に分類されたコンピューターは、CPU、メモリ、および使用可能なディスクの空き領域が、移行の準備段階での最小ハードウェア要件を満たしています。"Not Windows 7 Ready" (Windows 7 への移行の準備はできていません) に分類されたコンピューターは、移行の準備段階での最小システム要件を満たしていませんが、搭載されているメモリまたは使用可能なディスクの空き領域を増やすことで最小要件を満たすレベルに達する可能性があります。"Cannot Run Windows 7" (Windows 7 を実行できません) に分類されたコンピューターは、通常、CPU に OS を実行できる処理能力がありません。"Insufficient Data" (データが不足しています) という結果は、コンピューターが検出されなかったりインベントリできなかったことを意味します。Windows 7 Assessment の詳細レポートの Client Assessment (クライアントの評価) ワークシートでは、各コンピューターの移行の対応度に関する情報を提供します。これには、コンピューターが適切にインベントリされたかどうか、基本的なハードウェア情報、現在の Windows 7 への移行の対応度 (最小要件、推奨要件を満たしているかどうか)、アップグレードが必要な場合の詳細なハードウェアのアップグレード情報、およびコンピューターで特定されたデバイスの互換性に関する問題が含まれます。

After Hardware Upgrades セクションでは、評価の詳細レポートで提示した推奨されるハードウェアのアップグレードをすべて実装した場合の、お使いの環境の Windows 7 への移行の対応度を示します。

図 2. Windows 7 Hardware Assessment をカスタマイズするためのダイアログ ボックス

 

Device Compatibility Summary では、ハードウェア デバイスの分析結果を示します。プリンター、外付けハード ドライブなどの検出された各デバイスを分析して、デバイス ドライバーが Windows 7 の DVD で提供されているのか、Microsoft Update から入手できるのか、デバイスの製造元の Web サイトから入手できるのか、またはデバイスの製造元に問い合わせて互換性を確認する必要があるのかを判断できます。この概要で提示される値は、移行作業で直面する可能性がある互換性に関する問題を示唆します。

MAP Toolkit で使用するデバイス ドライバーの互換性に関する情報は頻繁に更新されます。[Reference Material] (参考資料) タブにある [Check for Updates] (更新情報を確認) を定期的にクリックして、評価に最新の情報が使用されるようにする必要があります。

Windows 7 Hardware Assessment をカスタマイズする

Windows 7 への移行

MAP Toolkit 4.0 の新機能を使用すると、ハードウェアの移行の対応度の評価で使用する要件をカスタマイズできます。Windows 7 Readiness Summary Results を表示しているときの操作ウィンドウには、Set assessment properties (評価プロパティの設定) というタスクが表示されます。[Set assessment properties] をクリックすると [Assessment Properties] (評価プロパティ) ダイアログ ボックスが表示されます (図 2 参照)。このダイアログ ボックスでは、x64 アーキテクチャと x86 アーキテクチャの両方について次のハードウェア要件を調整できます。

  • CPU Speed (CPU 速度)
  • Free Disk (ディスクの空き領域)
  • Memory (メモリ)

各プロパティの値を最小要件のレベルまで減らしたり、環境で必要となるレベルまで増やすことができます。このダイアログ ボックスでは設定をカスタマイズできるので、推奨されるシステム要件とデスクトップ ユーザーのニーズに応じて、移行の対応度の決定を柔軟に行うことが可能です。環境に適した設定を決定したり、何度か繰り返し処理を実行して最適なハードウェアの構成を確認したら、設定を必要な値に変更して [Run Assessment] (評価の実行) をクリックします。MAP Toolkit では、この新しい設定に基づいてインベントリ情報を分析し、たった数分で評価結果を更新します。

詳細レポート

MAP Toolkit では、ユーザー インターフェイスに表示される概要結果に加えて、印刷可能な概要レポートと詳細レポートを提供して、企業の計画作業をサポートします。このような書式設定済みのレポートを作成するには、Windows 7 Readiness Summary Results を表示したときの操作ウィンドウ、または [File] (ファイル) メニューから利用できる Prepare New Reports and Proposals (新しいレポートおよび提案書の準備) ウィザードで、Generate report/proposal (レポート/提案書の作成) というタスクを使用します。

Windows 7 への移行の対応度のシナリオに関する詳細レポートでは、Microsoft Excel ブックで評価結果を提供します。各ワークシートには、環境の Windows 7 への移行の対応度についての概要、分析で使用した評価属性、各コンピューターの評価結果、デバイス ドライバーの互換性に関する概要情報と詳細情報、移行の準備段階の最小要件と推奨要件を満たすために各コンピューターで必要なハードウェアのアップグレード、およびインベントリ プロセス中にクライアント コンピューターで検出されたすべてのアプリケーションの一覧が含まれます。

Windows 7 Readiness Assessment の概要レポートは、Microsoft Word 文書で提供されるので、ユーザー インターフェイスに表示されている評価結果を印刷することができます。このリリースでは、概要レポートで提供されるコンテンツをカスタマイズする機能が新たに追加されました。この機能を利用すると、パートナーやコンサルタントは、すぐにプレゼンテーションで使用できる図やグラフを入手して、独自のテキスト、推奨事項、マーケティング メッセージ、またはブランドと組み合わせて使用できます。MAP Toolkit キットをカスタマイズしてブランド提携する方法の詳細については、Microsoft Partner Program の Web サイト (https://partner.microsoft.com/40114089) を参照してください。

Windows Server 2008 R2 への移行の対応度

MAP Toolkit 4.0 が提供する新しい評価は、サーバー コンピューターの検出とインベントリに役立ち、そのコンピューターの Windows Server 2008 R2 への移行の対応度を評価します。Windows 7 のシナリオと同様に、MAP Toolkit では、CPU 速度、搭載されているメモリ、および使用可能なディスクの空き領域を確認し、現在、各コンピューターが移行の対応度に関する最小または推奨要件を満たしているのかどうかを判断します。

図 3. Windows Server 2008 R2 への移行の対応度の結果を表示した MAP Toolkit コンソール

 

Windows Server 2008 R2 は x64 互換ハードウェアでしか実行できないので、MAP Toolkit では、インベントリされた CPU の属性を確認して、この OS と互換性があるかどうかも判断します。
評価が完了すると、MAP Toolkit のコンソールに結果が表示されます (図 3 参照)。Windows Server 2008 R2 への移行の対応度に関しては、次の 4 種類の評価結果を表示します。

  • Inventory Summary (インベントリの概要)
  • Readiness Summary Results (移行の対応度に関する概要結果)
  • Operating System Summary (オペレーション システムの概要)
  • Device Compatibility Summary (デバイスの互換性に関する概要)

Inventory Summary セクションと Device Compatibility Summary セクションでは、Windows 7 のシナリオでクライアントに関して表示されるのと同様のサーバーに関する情報を示します。

Readiness Summary Results セクションでは、サーバー環境の Windows Server 2008 R2 への移行の対応度が 4 つのカテゴリに分類されて表示されます。MAP Toolkit では、最小システム要件および推奨システム要件という 2 つのシステム要件を使用して、Windows Server 2008 の場合と同様にサーバーの R2 への移行の対応度を判断します。これらの要件を満たすサーバーはそれぞれ、Minimum System Requirements (最小システム要件) または Recommended System Requirements (推奨システム要件) というカテゴリに分類されます。

ハードウェアの性能が不十分だったり、x86 互換のハードウェアと判断されたりしたために Windows Server 2008 R2 を実行できないコンピューターは、Cannot run Windows Server 2008 R2 (Windows Server 2008 R2 を実行できません) というカテゴリに分類されます。MAP Toolkit では、インベントリできなかったコンピューターや必要な属性を確認できなかったコンピューターを Insufficient Data (データが不足しています) というカテゴリに分類します。

Operating System Summary セクションでは、IT 環境で使用しているサーバー オペレーション システムに関する情報を提示します。この結果をアップグレード パスの情報 (tinyurl.com/n6tr7j、英語) と組み合わせて使用して、インプレース アップグレードと新規インストールのどちらが移行プロジェクトのニーズに適しているかを判断することができます。

Windows Server 2008 R2 Hardware Assessment を

カスタマイズする

Set assessment properties の機能は、Windows Server 2008 R2 の評価でも使用できます。Windows Server 2008 R2 Readiness Summary Results を表示した状態で操作ウィンドウの [Set assessment properties] をクリックすると、[Assessment Properties] ダイアログ ボックスが表示されます (図 4 参照)。このダイアログ ボックスでは、推奨システム要件を満たすサーバーを特定するために MAP Toolkit で使用する値を調整できます。

調整できるのは、CPU 速度、ディスクの空き領域、および搭載されているメモリの値です。Windows 7 の評価と同様に、環境のニーズを反映するように、この値を調整できます。この値を設定したら、[Run Assessment] をクリックして、収集したデータを使用して結果を更新できます。

図 4. Windows Server 2008 R2 Hardware Assessment をカスタマイズするダイアログ ボックス

 

移行の対応度に関するレポート

Windows Server 2008 R2 の評価に付属する詳細レポートでは、環境の移行の対応度に関する概要、ハードウェアの不備を指摘する各コンピューターの評価結果、物理サーバー環境と仮想サーバー環境の詳細なインベントリ、デバイス ドライバーの互換性に関する概要情報と詳細情報、およびサーバーで検出されたアプリケーションの一覧が提供されます。

サーバーの仮想化を計画する

MAP Toolkit は、2008 年に誕生したツールですが、当初から仮想化を使用したサーバー統合を計画する機能を提供しています。バージョン 4.0 では、この機能セットを次のように改良しました。

  • 配置を決定する際の考慮事項として、測定したメモリを加味します
  • ユーザーがホストの属性として IOP (IO/秒) を定義できます
  • ホスト構成を定義、指定、および再利用する機能を提供します
  • ユーザーが追加のゲストのメモリ予約とディスク領域を構成できます
  • サーバー統合に関する推奨事項を Microsoft Integrated Virtualization ROI Calculator と統合します
  • 仮想化の推奨事項を策定するために必要なワークフローを簡略化します

MAP Toolkit を使用して統合に関する推奨事項を策定する

サーバー統合のシナリオを MAP Toolkit で完成させるには、次の 4 つの手順を実行する必要があります。

  1. サーバーを識別する
  2. パフォーマンス メトリックを収集する
  3. ホストと実行の分析エンジンを構成する
  4. 潜在的な ROI を計算する

サーバーを識別する

統合するサーバーを特定する最も簡単な方法は、まず、Inventory and Assessment Wizard (インベントリと評価のウィザード) を実行することです。このウィザードでは、MAP Toolkit でコンピューターを検出する方法を構成できます。また、MAP Toolkit で検出したコンピューターをインベントリするために必要なローカル管理者の資格情報を指定します。このタスクが完了したら、Windows Server 2008 R2 Readiness Assessment の結果を確認して、インベントリが成功したかどうかを確認します。移行の対応度に関する詳細レポートの Server Inventory (サーバー インベントリ) ワークシートで、正常にインベントリされなかったコンピューターを確認します。より完全なインベントリが必要な場合は、『Getting Started Guide』(入門ガイド) の環境の準備に関するセクションを確認して、接続や資格情報に関する問題に対処し、Inventory and Assessment Wizard を再実行します。必要なインベントリの結果を入手したら、再び Server Inventory ワークシートを使用して、パフォーマンス メトリックを収集するコンピューターのターゲット リストを作成できます。Computer Name (コンピューター名) 列の値をコピーしてテキスト ファイルに貼り付けて、次の手順で使用するために、このファイルを保存します。

パフォーマンス メトリックを収集する

Server Consolidation Wizard (サーバー統合ウィザード) を有効にするには、その前に、MAP Toolkit で Performance Metrics Wizard (パフォーマンス メトリック ウィザード) を利用して、推奨配置構成を策定する際に使用するパフォーマンス カウンターのデータを収集する必要があります。このウィザードでは、前の手順で保存したテキスト ファイルを使用して対象のコンピューターを確認し、ローカル管理者の資格情報を提供して MAP Toolkit がインベントリ対象のコンピューターに接続できるようにして、メトリックを収集する期間を指定します。

Performance Metrics Wizard では、確認された各コンピューターの CPU、メモリ、ディスク、およびネットワークの使用率に関する情報を収集します。また、各コンピューターから 5 分おきにパフォーマンス カウンターのデータを収集します。MAP Toolkit でパフォーマンス カウンターのデータを適切に収集できるコンピューターの台数は、ネットワーク待ち時間、サーバーの応答性などの要因に左右されます。多数のコンピューターのパフォーマンス データを収集する必要がある場合、対象のコンピューターをバッチ (最大 150 台) に分割することをお勧めします。MAP Toolkit では、使用率のピーク時に関するデータを収集すると、統合に関するより適切な推奨事項を提供できます。『Getting Started Guide』のガイダンスに従って、このシナリオにおける MAP Toolkit の使用を最適化します。

図 5. Server Virtualization and Consolidation Wizard (サーバーの仮想化と統合のウィザード)

パフォーマンス メトリックを収集したら、MAP Toolkit コンソールに結果が表示されます。各コンピューターに関するデータ収集の成功率、CPU、メモリ、ネットワーク、ディスクの使用率などの評価属性は、MAP Toolkit の Performance Metrics Results ノードで確認できます。

Performance Metric Results ワークシートを確認することで、統合の対象となるコンピューターの候補を特定できます。収集アクティビティの結果に加えて、このレポートではプロセッサ、メモリ、ネットワーク、物理ディスクと論理ディスクのインベントリ、および使用率の詳細な結果を提供します。満足できる結果であれば、いずれかのワークシートの Computer Name 列の値を使用して、統合対象候補のコンピューター名をテキスト ファイルにコピーし、次の手順で使用できます。追加のサーバーからデータを収集したり、収集サンプルが必要な場合は、再度 Performance Metrics Wizard を実行します。

ホストと実行の分析エンジンを構成する

サーバー統合に関する推奨事項を策定する最後の手順では、ホスト コンピューターの構成を作成し、統合を検討するサーバーを特定します。Server Consolidation Wizard では、使用する仮想化テクノロジを選択し、具体的な CPU、ストレージ、ネットワーク アダプター、およびメモリ構成を指定し、ゲストのメモリと物理ディスクの予約を調整して、MAP Toolkit の推奨事項を作成します。

図 6. サーバー統合の概要結果を表示した MAP Toolkit コンソール

ハードウェア ライブラリを作成する

毎回新しいホスト構成を設定せずに何度か繰り返し処理を行ったり、常に既存の構成で処理を行う場合、ハードウェア ライブラリを作成することで作業の効率化を図れます。Hardware Library Wizard (ハードウェア ライブラリ ウィザード) では、ホスト構成の名前付きインスタンスを事前に設定できます。このウィザードは [Tools] (ツール) メニューから使用できます。

このウィザードでは、CPU、ストレージ、ネットワーク アダプター、およびメモリ構成を入力するフォームを提供します。また、既存のハードウェア ライブラリのエントリを指定、編集、および削除することが可能です。これらの構成は、保存すると、Server Virtualization and Consolidation Wizard で使用できます (図 5 参照)。この保存したインスタンスを使用して、推奨事項を迅速に策定できます。

結果を確認する

サーバーの推奨配置構成が完了したら、MAP Toolkit コンソールの Server Consolidation Summary Results ノードで結果を確認できます (図 6 参照)。また、付属のレポートで提供される詳細情報でも確認できます。MAP Toolkit コンソールでは、推奨事項を 4 つのセクションに分類しています。

  • Consolidation Summary (統合の概要) セクションでは、適切に配置されたサーバーの台数を示す円グラフ、統合候補のサーバーの仮想化前のパフォーマンス カウンターのデータ、および仮想マシンを配置した場合に物理ホスト コンピューターで予測されるパフォーマンス メトリックを提供します。
  • Utilization Before Virtualization (仮想化する前の使用率) セクションと Utilization After Consolidation (統合した後の使用率) セクションでは、統合前の各コンピューターに関して収集された重要なパフォーマンス カウンターのデータと、統合後の新しい各ホスト コンピューターで予測される使用率を表示します。
  • Host Configuration (ホスト構成) セクションでは、ホスト構成と評価で使用したホストとゲストのしきい値を示します。

Server Virtualization Recommendations (サーバー仮想化の推奨事項) レポートでは、ホスト コンピューターの構成の詳細、統合する必要がある物理コンピューターに関する計画、および統合されたコンピューターの仮想化前に測定した使用率を提供します。新しいホスト コンピューターが必要な理由を理解するには、Consolidation Recommendations (統合に関する推奨事項) ワークシートの Last Placement Failed Reason (前回の展開が失敗した理由) 列を確認します。

潜在的な ROI を計算する

仮想化の計画プロセスを終了する前に、Microsoft Integrated Virtualization ROI Calculator を使用して、総保有コストと投資収益率 (ROI) を確認する必要があります。MAP Toolkit で Server Virtualization Recommendations レポートを生成すると、分析結果を含む XML ファイルも提供されます。

このファイルを使用すると、マイクロソフト仮想化ソリューションを導入した場合の ROI を見積もることができます。Integrated Virtualization ROI Calculator の詳細については、https://roianalyst.alinean.com/microsoft/virtualization/launch.html (英語) を参照してください。

 

Rob Polly は、マイクロソフトの社員で、シニア プログラム マネージャーとして Microsoft Assessment and Planning Toolkit に携わっています。Microsoft Solution Accelerator チームに参加する前は、マイクロソフト社内の経理と人事に関わる基幹業務ソリューションの構築を担当していました。連絡先は robpolly@microsoft.com (英語のみ) です。