次の方法で共有


ユーティリティ スポットライト

Microsoft Live Mesh

Lance Whitney

マイクロソフトでは、インターネット経由でファイルやドキュメントを保存および同期するのに無料で使用できる、いくつかの便利なツールを提供しています。Live Mesh、Windows Live Sync、および Windows Live SkyDrive は、すぐれた機能を備えたマイクロソフトのサービスです。ですが、これらのサービスの目的と潜在的に統合して相互に補完するという関係については、あいまいな点があります。クラウド コンピューティングが注目を集めている現状を受けて、今月のコラムでは Live Mesh を取り上げ、Sync および SkyDrive と比較しながら説明することにしました。

Live Mesh

Live Mesh は、基本的にクラウドにあるデスクトップと考えられます。Live Mesh を使用すると、ファイルをオンラインで保存して、任意のコンピューターからファイルにアクセスできます。また、任意のコンピューターのローカルに保存されているファイルやフォルダーを同期できるので、Live Mesh および同期対象に含めた任意のコンピューターで、ファイルとフォルダーが同期されます。

Live Mesh を使用するには、まず、Live Mesh Web サイト (英語) にアクセスし、Windows Live アカウントでサインインします。ソフトウェア使用許諾契約書に同意すると、[Devices] (デバイス) ウィンドウが表示されます。このウィンドウには、Live Desktop のアイコンと同期対象に含めるデバイスを追加するオプションが表示されます。まず、Get Started (はじめに) というヘルプ情報にアクセスできる [Desktop] (デスクトップ) にアクセスし、アップロードするファイルを格納するための新しいフォルダーを作成する必要があります。

フォルダーを作成すると、従来のオンライン ファイル ストレージ サイトと同じように Live Mesh を使用できるようになります。これには、[Create new folder] (新しいフォルダーの作成) アイコンをダブルクリックし、フォルダー名を指定します。新しいフォルダーを開いたら、ファイルをアップロードできます。ファイルは、参照して指定するかローカル パスを入力して、個別にアップロードできます。また、ファイルをフォルダー ウィンドウにドラッグ アンド ドロップして、一度に複数のファイルをアップロードすることもできます (ファイルをドラッグ アンド ドロップするには、Live Desktop プラグインがインストールされている必要があります。現時点では、ドラッグ アンド ドロップ操作は Internet Explorer でのみ対応しています)。

Desktop のフォルダーは、アイコンまたは詳細モードで表示できます。また、ナビゲーション ウィンドウを有効にして、左側にフォルダー ツリーを表示し、右側にファイルの一覧が表示されるようにすることもできます。Media Viewer では、MA ファイル、WMV ファイルなど、特定のオーディオ コンテンツとビデオ コンテンツを Live Mesh 内で再生できます。ただし、ほとんどのファイルとドキュメントについては、ダブルクリックすると、作成元のアプリケーションで開かれるようになっているので、アプリケーションがローカル コンピューターにインストールされている必要があります。

Live Mesh は、単純なオンライン ストレージ サイトとして機能しますが、私が最も便利だと感じているのは同期機能です。コンピューターを Live Mesh ネットワークに追加することで、Live Desktop と追加したコンピューターの間でフォルダーやファイルを同期できます。複数のデスクトップやノート パソコンを同時に使用している場合は、Live Mesh を使用して、ドキュメント、ブラウザーのお気に入りをなど、複数のコンピューター間で同期できます。

Live Mesh のネットワークを構築するには、同期対象に含めるコンピューターから Live Mesh にログオンします。Live Mesh で、[Devices] (デバイス) タブをクリックし、[Add Device] (デバイスの追加) アイコンをクリックすると、Live Mesh ソフトウェアをダウンロードしてインストールすることを求めるメッセージが表示されます。ソフトウェアが読み込まれると、コンピューターを追加することを求めるメッセージが表示されます。コンピューターを追加すると、コンピューターが [Devices] (デバイス) ウィンドウに表示されます。Live Mesh は、Windows のスタートアップ プロセスに追加されるので、Live Mesh のアイコンがシステム トレイに表示されます。

 

図 1 複数のコンピューターを Live Mesh に追加して同期できる

設定が完了したら、ローカル コンピューター上にある任意のフォルダーやファイルを右クリックし、[Add Folder to Live Mesh] (Live Mesh にフォルダーを追加) をクリックします。選択したオブジェクトはアップロードされ、Live Mesh の Desktop と同期されます。任意の数のデバイスを追加することが可能で、各デバイス上にある同じフォルダーを同期できます。私は、Live Mesh を使用して、複数のコンピューターで Downloads フォルダーを同期し、特定のコンピューターでダウンロードしたものが、他のすべてのコンピューターでも使用できるようにしました。

Live Mesh は、便利なリモート制御プログラムとして、リモート デスクトップ接続の代わりに使用することもできます。複数のコンピューターに Live Mesh をインストールすると、コンピューターを相互にリモートで制御できます。また、ホストとクライアント間でファイルやコンテンツをコピーして、貼り付けることもできます。

Windows Live Sync

Sync では、Live Mesh と同じ同期の概念が採用されていますが、Sync はピア ツー アピア (P2P) のサービスです。Sync に含めたファイルはクラウドに格納されるのではなく、コンピューター間でコピーと更新が行われます。そのため、Sync は、オンラインで格納したくないが、複数のコンピューター間でファイルを同期する必要がある場合に適しています。

ただし、Sync は P2P ネットワークなので、ファイルを同期するために、少なくともネットワークに接続している 2 台のコンピューターの電源を定期的に投入する必要があります。私は、デスクトップ、ノート パソコン、小型のノート パソコンで Sync を使用して、この 3 台のコンピューター間でドキュメントとブラウザーのお気に入りを同期しています。通常、私はデスクトップといずれかのノート パソコンを毎日使用して、コンピューター間で同期を取るようにしています。

Windows Live SkyDrive

SkyDrive は、生粋のオンライン ストレージ サイトです。SkyDrive では、250 GB もの領域が無料で提供されているので、オンラインで格納する必要はあるが、同期する必要のない大きなファイルやドキュメントを格納する場所として最適です。SkyDrive は、近日、マイクロソフトから提供される予定の Office Web Apps でも一役買っています (Office Web Apps については、先月のコラムで取り上げました)。WebApps では、SkyDrive 経由で Office 2010 ドキュメントを保存したり、開いたり、オンラインで編集したりすることができます。

このコラムを読み終えた今も、これらの 3 つのサービスの違いがわずらわしいと思われていても、問題ありません。最近のニュースによると、マイクロソフトは、近いうちに、これらのオンライン サービスを改良し、Live Mesh と Sync を Live Sync という名前の 1 つのサービスに統合する可能性があります。伝えられるところによると、この新しい Live Sync では、クラウドにファイルを同期する機能と P2P 経由で同期する機能の両方が 1 つのサービスで提供されるようになります。

Lance Whitney は、テクニカル ライターであり、IT コンサルタントであり、ソフトウェア トレーナーでもあります。Windows のワークステーションとサーバーをカスタマイズすることに数えきれないほどの時間を費やしてきました。元々はジャーナリストでしたが、1990 年代前半に、IT 業界に転向しました。

関連コンテンツ