ユーティリティ スポットライト: 独自のオンライン コースを作成する
Microsoft Learning Content Development System を使用して独自のカスタム コースウェアを開発すると、社内トレーニング プログラムを自由に管理できます。
Lance Whitney
IT マネージャーの方にお伺いしますが、トレーニングは、あなたの職務に含まれていますか。新入社員が業務上重要なアプリケーションについて学習したり、コンピューターの基本的な使い方を習得したりするのをサポートする役割を担っていますか。通常業務の一環として社員のトレーニングを担当する必要がある場合、または社内外の Web ベースの学習に関して指導権を持っている場合、オンライン コースを作成するのに役立つ、マイクロソフトが提供している無償のツールに興味を持たれるかもしれません。
Learning Content Development System (LCDS) は、対話型テスト、デモ、評価、およびアニメーションを含む e ラーニング コースを作成するのに役立ちます。作成したコースは、ユーザー、受講生、さらには同僚の IT 担当者に配布して、特定のテーマについて教授し、テストすることができます。
LCDS を使用するのに特別なプログラミング スキルやデザイン スキルは必要ありません。LCDS に組み込まれているデザイン テンプレートと、独自のビデオ、オーディオ クリップなどのマルチメディア ファイルを使用し、さまざまなモジュールを作成してカスタマイズすることで、対話型のコンテンツを作成できます。
独自にデザインする
LCDS は、Microsoft ラーニング サイト (英語) からダウンロードできます。LCDS をダウンロードするには、Windows Live ID を使用してサインインしてください。LCDS は、英語以外に 7 か国語で提供されています。言語を選択し、適切な EXE ファイルをダウンロードします。LCDS をインストールしたら、デスクトップのショートカット、または [スタート] メニューの [プログラム] の [Microsoft Learning] フォルダーに作成されたショートカットから LCDS を起動します。
LCDS を起動すると、[LCDS Author] (LCDS 作成ツール) 画面が表示されます。初めてコースをデザインするには、[New] (新規作成) をクリックし、プロジェクト名を指定します。作業画面は 3 つのペインに分割されています。左ペインには、コースの構造 (目次、レッスン、およびトピック) が表示されます。中央ペインには、さまざまな種類のコンテンツ テンプレートが表示されます。右ペインには、現在選択しているテンプレートを基に作成されたページが表示されます。
コースは、モジュールまたはレッスンに分けて、各モジュールまたはレッスンには追加のページを含めます。各ページを作成するには、適切なテンプレートを選択し、コンテンツを作成します。たとえば、概要には、テキストだけでなく、コースについて説明したビデオやアニメーションを含めることができます。それ以降のレッスンには、表、オーディオ、アニメーションなど、他の種類のコンテンツを含めることができます。真/偽で回答するテストや論文形式の問題など、対話型テストの組み込みテンプレートを使用して、各レッスンをクイズで締めくくることができます。
各テンプレートは、次の 6 つの異なるカテゴリに分類できます。
- Interact: 一連の質問を提示する対話型コンテンツを作成できる 4 つのテンプレートを提供します。質問の回答はそれぞれ、異なる経路を辿って、次の質問の性質を決定します。
- Watch: アニメーションや他のデモ用のテンプレートを提供します。
- Play: いくつかの対話型ゲームを提供します (少しお楽しみ要素を含められます)。
- Read: テキスト、表、画像、および対話型クイズを使用してコンテンツを作成できます。
- Try: ハンズオン シミュレーションを提供します。ユーザーはハンズオン シミュレーションで、学習中のソフトウェア プログラムの画面を実際に操作できます。
- Classroom: テキスト、画像、表などの要素を 1 つの包括的な形式にまとめます。
コースの構造を定義する際には、モジュール、レッスン、およびトピックを削除したり、移動したりできます。また、コースの作成中は、いつでもコースをプレビューできるので、ユーザーに表示されるコースの状態を確認できます。見本が必要な場合は、マイクロソフトの Web サイトから (SQL Server 2005 のコースなどの) いくつかのサンプル コースをダウンロードして、コースの構成方法を確認することもできます (図 1 参照)。
図 1 Microsoft Learning Content Development System を使用してデザインした SQL Server 2005 のコース
ビデオやオーディオなどのマルチメディア要素を追加するには、作成またはキャプチャしたファイルを指定します。オーディオ ファイルは、MP3 形式に変換する必要があります。アニメーションは、Shockwave Flash (SWF)、XML、または Windows Media ビデオ (WMV) 形式にすることができます。デモとアニメーションは、SWF または WMV ファイルを指定できます。グラフィックは、JPG または PNG ファイル形式で保存する必要があります。
クラスの受講
コースの作成が完了すると、LCDS では、配布パッケージを作成するいくつかのオプションが提示されます。ラーニング管理システムでコースをホストする場合、e ラーニング コンテンツの標準である SCORM パッケージ形式でコースを作成できます。それ以外の場合は、CD または Web サイトにコース ファイルをコピーできます。
各コースのファイルは、C:\ProgramData\Microsoft Learning\LCDS\courses フォルダーに保存されます。特定のコースのフォルダーのコンテンツを別の場所にコピーすると、受講者は、その場所からコース フォルダーのルートに保存されている wrapper.html ファイルをダブルクリックしてコースを表示できます。コースは、既定のブラウザーで表示されます。
LCDS でコースを作成するには、Windows XP SP 2 以降、Internet Explorer 7 以降、Microsoft .NET Framework 2.0 以降、Microsoft Core XML Services (MSXML) 6.0、Windows インストーラー 3.1、およびマルチメディア プレーヤー (Adobe Flash Player 8、Microsoft Silverlight 1.0 など) が必要です。受講者は Internet Explorer または Firefox でコースを表示できます。
今年 7 月にリリースされた最新バージョンの LCDS 2.5 では、Firefox や Silverlight 4.0 との互換性、クローズド キャプションを含むアニメーション対応の Silverlight 4 Media Player、いくつかのテンプレートでの拡張キーボード使用など、以前のバージョンにない強化された機能が提供されます。
Lance Whitney は、ライターであり、IT コンサルタントであり、ソフトウェア トレーナーでもあります。Windows のワークステーションおよびサーバーをカスタマイズすることに数えきれないほどの時間を費やしてきました。元々はジャーナリストでしたが、1990 年代前半に IT 業界への転向を実現しました。