Microsoft Office 365: ビジネスの生産性を向上する

Office 365 は、ビジネス ツールの革新における次のステップで、Office デスクトップ エクスペリエンスを補完するクラウド ベースの生産性を実現します。

Joshua Hoffman

ビジネスの生産性は、インフォメーション ワーカーにかかっています。単独作業とグループ作業のどちらでも、1 人のワーカーが処理できる作業量には限界があります。これまで、IT が、そのようなことを実現する必要に迫られることはありませんでした。ですが、インフォメーション ワーカーは、さまざまな文書、プレゼンテーション、スプレッドシートを通じて重要なビジネス情報を伝達し、安定した通信ソリューションを使用して重要なビジネス情報を迅速かつ安全に共有し、同僚、顧客、パートナーと分け隔てなくグループ作業を行えることを必要としています。

これまで Office ファミリ製品は、インフォメーション ワーカーが抱える問題に対処するソリューションを提供してきましたが、問題は進化し、テクノロジと通信を取り巻く環境も変化し続けています。Office ファミリ製品は進化を続け、ユーザーの潜在的な可能性を引き出して、ビジネスの生産性を最大限に引き上げるのに役立つ多種多様なツールを提供しています。

Office 365 製品ファミリが、この進化における次のステップです。Office 365 は、Office の生産性をクラウドに移行し、ビジネスのニーズに応じたクラウド ベースの生産性を実現します。この記事では、Office 365 の機能と Office 365 がもたらすメリットについて説明し、組織が Office 365 に移行する準備を整えるために必要な情報を提供します (Office 365 の詳細と Office 365 のベータ プログラムに参加する方法については、Office 365 Beta (英語) ページにアクセスしてください)。

Office Online

Office 365 では、Office デスクトップ クライアントのエクスペリエンスを補完して強化する一連のクラウド ベースのアプリケーションを提供します。特筆すべきは、SharePoint Online です。SharePoint を社内に展開して管理するのではなく、SharePoint Online を使用すると、完全にホストされている SharePoint のエクスペリエンスが提供されます。IT プロフェッショナルとビジネス ユーザーは、どこからでも SharePoint のコラボレーション、情報管理、ビジネス インテリジェンスの機能にアクセスできます。

SharePoint Online では、次の作業を行うためのサイトにアクセスできます。

  • 重要なファイルとドキュメントを管理して共有する (マイ サイト)
  • 重要なプロジェクトについてチームの意思統一を図り、プロジェクトを管理する (チーム サイト)
  • 社内の最新情報やお知らせを確認する (イントラネット サイト)
  • 顧客やパートナーと安全にドキュメントを共有する (エクストラネット サイト)
  • 一般に公開する Web サイトを使用してビジネスの宣伝やマーケティングを行う

SharePoint Online には、Word、Excel、PowerPoint などの Office 2010 クライアント アプリケーションから直接アクセスできます。ドキュメントは、いつもと同じように作成することが可能で、SharePoint のオンライン ワークスペースに保存できます。

ドキュメントをオンライン ワークスペースに保存すると、SharePoint Online を使用して Web ブラウザーからアクセスしたり、細かいアクセス許可の制御を使用して組織内外のユーザーとドキュメントを共有できます。また、SharePoint Online の Web ポータルと Office Web App を使用すると、リアルタイムでドキュメントの共同編集やグループ作業を行えます (図 1 参照)。そのため、電子メールを使用して何度も相互に改訂版を送る必要がなくなります。

Office 365 を使用したオンライン グループ作業

図 1 Office 365 を使用したオンライン グループ作業

SharePoint Online では、ユーザーが、SharePoint のマイ サイトを使用して、オンライン プロファイルに興味のあること、スキル、能力を追加できるので、組織内の主題専門家を簡単に探せます。その結果、ビジネスの生産性が向上するだけでなく、社内の個人的なネットワークと仕事に関するのネットワークが広がります。SharePoint Online では、さまざまなタグ付けもサポートされているので、ユーザーとコミュニティは、ビジネスに最も有益な方法で情報を整理できます。

リアルタイムのコミュニケーション

Office 365 では、Exchange Online と Lync Online を使用して、堅牢なホストされている通信インフラストラクチャが提供されます。Exchange Online には、電子メール、予定表、連絡先、および仕事のインフラストラクチャが備わっており、プレゼンス情報、空き時間情報の公開、メール ヒントなど、組織内に Exchange Server を展開したときと同様の機能も提供されます。

Exchange Online のサービスには、さまざまな方法でアクセスできます。たとえば、Outlook デスクトップ クライアントや Outlook Web App (図 2 参照) からアクセスしたり、Exchange ActiveSync を使用すればモバイル デバイスからアクセスすることもできます。Outlook Web App は、Internet Explorer、Safari、および Firefox で完全に機能します。

モバイル デバイスに関しては、Windows Phone、Nokia E シリーズと N シリーズのデバイス、Palm デバイス、iPhone、iPad、一部の Android を搭載した携帯電話がサポートされます。Exchange Online の一部のプランでは BlackBerry デバイスがサポートされます。多数のプラットフォームとの互換性が確保されているので、いつでも、どこからでも重要なビジネス情報にアクセスできるようになります。

Outlook Web App を使用して電子メールにアクセスする

図 2 Outlook Web App を使用して電子メールにアクセスする

Lync Online では、Microsoft Office Communications Server の後継である Microsoft Lync Server のホストされているバージョンにアクセスできます。また、セキュリティが確保され安定したリアルタイムの通信プラットフォームと多数の次世代機能が提供されます。

Lync Online では、インスタント メッセージング、音声通話とビデオ通話、オンライン会議、Web 会議において、いつでも、どこからでも連絡を取ることができます (図 3 参照)。インスタント メッセージングの会話とアドホックなオンライン会議の間をシームレスに行き来したり、音声、ビデオ、画面共有を使用して顧客やパートナーに対してオンラインでプレゼンテーションを行ったり、外部のユーザーがオンライン会議に参加できるようにしたり、Lync Online やそれ以外の Office アプリケーションで他のユーザーのプレゼンス状態を確認したりすることができます。

Microsoft Lync Online を使用して音声、ビデオ、およびアプリケーションを共有する

図 3 Microsoft Lync Online を使用して音声、ビデオ、およびアプリケーションを共有する

Exchange Online と Lync Online の両方で、共存展開モデルがサポートされています。そのため、社内のサービスとホストされているサービスを簡単に統合できます。2 つの環境が共存できるので、自分のペースで柔軟にクラウド ベースのサービスに移行できます。組織内でホストしているサーバーを使用しているユーザーが存在する状態で、一部のユーザーを Office 365 に移行することもできます。共存展開アーキテクチャの詳細については、TechNet ライブラリの「Exchange 2010 展開アシスタント」を参照してください。

準備と管理

Office 356 では、ユーザー単位で必要なサービスに対して料金を支払います。Office 365 には、Office 365 for Enterprise、Office 365 for Small Business、および Offfice 365 for Education という 3 種類のサブスクリプションがあります。各サブスクリプションでは、組織のサイズとニーズに応じて適切なサービスが提供されます。新しいユーザーが増えたら、簡単に新しいユーザーの準備をできます。また、オンラインの IT 管理ダッシュボードで既存のユーザーを管理することもできます (図 4 参照)。

Office 365 の IT 管理ダッシュボード

図 4 Office 365 の IT 管理ダッシュボード

IT 管理ダッシュボードでは、新しいユーザーの追加、パスワードのリセット、サブスクリプション レベルの調整、セキュリティ グループの作成、サービス要求の管理などを行えます。また、細かいレベルで管理を委任できるので、役割に応じて、同僚が特定の管理機能にアクセスできるようにすることが可能になります。たとえば、法務部にユーザー メールボックスの管理者用アクセス権を付与できます。

Office 365 には、Office Professional Plus の課金制のライセンスと管理機能が用意されています。また、最新バージョンの Office デスクトップ アプリケーションと統合された Office Web App が含まれているので、ユーザーは、ドキュメント、電子メール、予定表をはじめとする Office のドキュメントに、事実上、どのデバイスからもアクセスできます。

Office 365 は、ユーザーが、ビジネスにおいて重要な情報を作成、管理、および共有する方法を変える準備ができています。なじみのある Office 製品のエクスペリエンスをクラウドで実現し、プラットフォームとデバイスを問わないアクセスを提供し、柔軟なライセンスと展開の機能を提供することで、Office 365 は、グローバル化とモバイル化が進む環境に遅れずについていくための頼もしいパートナーになります。

Joshua Hoffman

Joshua Hoffman は、TechNet マガジンの前の編集長です。現在は、フリーランスで執筆活動とコンサルティングを行っており、クライアントにテクノロジとそれぞれのクライアントに合ったマーケティング手法に関するアドバイスをしています。また、市場調査の分野の成長と強化に注力している ResearchAccess.com (英語) で編集長を務めています。現在、ニューヨーク市に住んでいます。

 

関連コンテンツ