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マイクロソフト サービス & サポート: Fix It を使用してトラブルシューティングを迅速に行う

新しく公開された Microsoft Fix it Center Pro を使用すると、より効率的かつ正確にトラブルシューティングを行えるようになります。

Steve Justice

トラブルシューティングは、面倒な作業になる場合がよくあります。なんらかのサポートがなければ、ひいき目に見ても、あてずっぽうの作業になります。Microsoft サポートでは、既知の問題に付随する問題の痕跡を見つけることで、複雑な問題の根本的な原因を自動的に特定できるシステムを開発しました。パターン認識、呼び出し履歴の分析、問題の痕跡検出などの技法を使用して、既知の問題と使用可能な解決策を自動的に照合できます。

過去 1 年にわたって、手作業による解析を行わずに複雑な問題の解決策をすばやく見つけられるようにするため、私たちはこの診断システムの開発に多大な労力を費やしてきました。その結果、問題を特定して、適切な解決策を導き出すために必要な作業が大幅に削減され、トラブルシューティングに数時間または数日間かかっていた問題が、数分間で解決できるようになりました。

この自動診断機能が、マイクロソフト社内に与える影響の大きさから、この機能をオンラインで使用できるようにしました。最初の試みとして、Fix it Center Pro という新しいサービスを提供しました。このサービスはベータ版として提供中で、世界中のマイクロソフト ユーザーが抱える問題を解決できるように 18 か国語に対応しています。

Fix it Center Pro Beta では、Windows Server のパフォーマンス分析から Exchange Server の診断まで、14 の異なる領域の自動解析機能が公開されています。この範囲内で、さまざまな問題の痕跡を確認できます。

解析セッション

Fix it Center Pro の機能をわかりやすく紹介するために、解析機能によって、どのように解決策が提示されるかを、例を示しながら詳しく見ていきましょう。まず、FixIt Center Pro Beta サイトにアクセスし、Windows LiveID でサインインします (Windows Live ID は、あなたが行った解析結果を保護して他のユーザーが表示できないようにするために必要です)。

次に、画面左側のツール バーで [解析] をクリックします。この操作により、トラブルシューティングを行う解析ダッシュボードが表示されます。正確な解析を開始するために必要なことは、[新規] をクリックして、開始する解析パッケージを選択するだけです (図 1参照)。

Fix it Center Pro に新しい解析パッケージを設定する

図 1. Fix it Center Pro に新しい解析パッケージを設定する

解析パッケージでは、問題のトラブルシューティングを行う際に、情報の読み取りしか行いません。お使いのシステムが変更されることはありません。解析が完了すると、推奨解決策が提示されるため、問題に対処する操作を選択できます。

"Windows Performance" (Windows のパフォーマンス) 解析パッケージをクリックします。このパッケージでは、Windows 7 と Windows Server 2008 R2 のパフォーマンスに関する問題を診断します (図 2 参照)。

ニーズに最適な解析パッケージを選択する

図 2. ニーズに最適な解析パッケージを選択する

解析パッケージを開始すると、解析セッションの名前を入力するように求められます。名前を付けることで、後で簡単に解析セッションを参照できるようになります。次に、解析パッケージをダウンロードして実行するように選択します。診断が適切に開始されるようにするための、質問がいくつか表示されます。

マイクロソフトが開発した診断システムの威力が発揮されるのは、ここからです。特定のファイルと設定の解析が始まり、Windows のパフォーマンスに関する問題の既知の原因が特定されます。従来は、技術者が Windows のシステム ファイル、ログ ファイル、およびレジストリ設定を調べて、手作業で原因を特定していました。Fix it Center Pro は、マイクロソフトが保有している膨大な専門知識により、この処理を自動的かつ安全に行い、既知の問題を見つけて、具体的な解決策を提示します。

診断システムによって何千もの問題の痕跡の調査が行われるため、解析には、時間がかかる場合があります。通常、分析パッケージの実行にかかる時間は 15 分未満です。より深くまでシステムのスキャンが行われている場合、診断には 15 分以上かかりますが、通常、解析時間は、長くても 1 時間以内には完了します。Fix it Center Pro で診断を行っている間も、コンピューターを使用し続けることができます。

より詳細なシステム解析を実行するために、Fix it Center Pro で特定のシステム ファイルを安全にアップロードして、マイクロソフトの診断サービスで解析する必要が生じる場合があります (図 3 参照)。アップロードされたすべてのシステム ファイルは、マイクロソフトのプライバシーに関する声明に従って、解析後、完全かつ速やかに削除されます。

Fix it Center Pro でデータをマイクロソフトに送信する必要が生じることがありますが、データはトラブルシューティングの目的にのみ使用されます

図 3. Fix it Center Pro でデータをマイクロソフトに送信する必要が生じることがありますが、データはトラブルシューティングの目的にのみ使用されます

処理が開始されたら、Fix it Center Pro のダッシュボードに戻って結果を確認できます。ファイルの処理が完了するまで数分かかる場合があります。ファイルの解析中に、解析パッケージを表示して進捗を確認できます (図 4 参照)。

解析中には、進捗状況を確認することも、作業を続けることもできます

図 4. 解析中には、進捗状況を確認することも、作業を続けることもできます

解析結果は Fix it Center Pro の解析ダッシュボードに表示されるので、結果を確認します。解決策は、理解しやすく、簡単に使用できるように作成されたサポート技術情報の記事でわかりやすく説明しています。一般的な解決策は、ソフトウェア更新プログラムのインストール、設定の変更、および推奨されるシステム設定に関連するものです (図 5 参照)。

解析結果が返されると、詳細な解決策を確認できます

図 5. 解析結果が返されると、詳細な解決策を確認できます

Fix it Center Pro には、"ガイド付き検索" を使用して解決策を効率的に検出する機能も用意されています。解析パッケージの [エスカレーション] ボタンをクリックして、マイクロソフトのサポート担当者に連絡することもできます。マイクロソフトに問題をエスカレートすることを選択したり、新しいサポート リクエストを作成したりすることを選択した場合、新しいサポート インシデントに対する料金が発生することがあります。

この記事では、Fix it Center Pro Beta がオンライン診断サービス プラットフォームとしてどのように役立つかを紹介しました。技術およびサービスに関する疑問に対する的確な答えを見つけることができれば、生産性と効率をさらに高めることができるでしょう。

Steve Justice

Steve Justice は、マイクロソフト カスタマー サービス & サポート部門でプリンシパル エスカレーション エンジニアとして働いています。1998 年に入社し、専門は Exchange Server と Outlook です。現在は、コンテンツの合理化、診断の自動化、オンライン機能の強化などにより、オンライン サポート エクスペリエンスの向上に特に力を注いでいます。

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