ユーティリティ スポットライト: Microsoft Outlook に関する問題のスキャン

Microsoft Outlook Configuration Analyzer Tool では、Outlook プロファイルをスキャンして、潜在的な問題を特定します。

Lance Whitney

Microsoft Outlook のトラブルシューティングでお困りですか。マイクロソフトでは適切な方向性を示す無料のユーティリティを公開しています。

Microsoft Outlook Configuration Analyzer Tool (OCAT) では、Outlook プロファイルをスキャンして、潜在的な問題やエラーを特定し、特定した内容について詳細なレポートを提供します。この便利なユーティリティは、見つけにくい問題をあぶり出すのに役立ちます。

OCAT では、Windows 7、Windows Vista SP2、および Windows XP SP3 で実行している Outlook 2007 と Outlook 2010 (32 ビットと 64 ビット バージョンの両方) をサポートしています。また、Microsoft .NET Framework 2.0 も必要です。

まず、Microsoft ダウンロード センターから OCAT_SETUP.zip をダウンロードします。OCAT supplemental information download.docx という名前のファイルもダウンロードします。このファイルでは、このユーティリティのセットアップ方法と使用方法について詳しく説明しています。

スキャンを実行する

スキャンするコンピューターの管理者としてログインします。OCAT_SETUP.zip を展開して、OCAT.msi と setup.exe を抽出します。setup.exe ファイルを起動すると、.NET Framework がインストールされていなければ .NET Framework 2.0 以降をインストールすることを求めるメッセージが表示されます。OCAT のセットアップ ウィザードが起動されたら、指示に従ってインストールします。

インストールが完了すると、[スタート] メニューのプログラムの一覧に "Microsoft Outlook Configuration Analyzer Tool" という名前のフォルダーが作成されます。このフォルダーを開き、OCAT を起動すれば準備完了です。

[OCAT Welcome] (OCAT へようこそ) 画面で、最初のアイテム [Select options for new scan] (新規スキャンのオプションを選択) をクリックし、スキャンの名前を入力します。既定では、Outlook が実行されていない場合、Outlook を起動することを求めるメッセージが表示されます。必要であれば、[Task] (タスク) メニューで、オフライン スキャンを選択することで、Outlook を起動せずにスキャンを実行することもできます。ただし、オンライン スキャンの方が、より多くの情報を特定して、詳しい情報を提供できるためオンライン スキャンを実行することをお勧めします。

スキャンするコンピューターが Exchange メールボックスと同じ Active Directory ドメインに参加していない場合に備えて、Active Directory のログイン資格情報を入力するという別のオプションもあります。必要なオプションをすべて選択したら [Start scanning] (スキャンの開始) リンクをクリックします (図 1 参照)。Outlook プロファイルのサイズによってはスキャンの実行に数分かかる場合があります。このユーティリティで提示される予想時間は必ずしも正確ではありません。

Microsoft Outlook Configuration Analyzer Tool の構成が完了したら、Outlook プロファイルのスキャンを開始できます

図 1. Microsoft Outlook Configuration Analyzer Tool の構成が完了したら、Outlook プロファイルのスキャンを開始できます

スキャンが完了したら、[View a report of this configuration scan] (この構成スキャンのレポートを表示) リンクをクリックします。検索結果は、既定の一覧形式で表示されます (図 2 参照)。1 つ目のタブ [Informational Items] (情報アイテム) には、インストールされている Outlook と Office の全アドインと更新プログラムが表示されます。個別の更新プログラムをクリックすると、Microsoft サポート ページへのリンクなど、さらに詳しい情報が表示されます。

2 つ目のタブ [All Issues] (すべての問題) には、スキャンで検出された潜在的な問題が表示され、3 つ目のタブ [Critical Issues] (重大な問題) には、非常に深刻な問題のみが表示されます。各タブに表示された結果は、種類、重大度、問題などに基づいて並べ替えることができます。

スキャンを実行するたびに、Microsoft Outlook Configuration Analyzer Tool の検出結果レポートが表示されます

図 2. スキャンを実行するたびに、Microsoft Outlook Configuration Analyzer Tool の検出結果レポートが表示されます

テスト プロセスで実行した、あるスキャンで、[All Issues] (すべての問題) タブに "Sent folder was too big" (送信済みフォルダーが大きすぎてスキャンできませんでした) というメッセージが表示されました。そのほかに、最近、Outlook がクラッシュし、Outlook の temp フォルダーに複数の孤立ファイルがあることもわかりました (図 3 参照)。[Critical Issues] (重大な問題) タブには、クラッシュと孤立ファイルに関する情報のみが表示されました。これらの問題は、重大度を示すアイコンによって強調表示されています。

Microsoft Outlook Configuration Analyzer Tool では、重大度に基づいて問題点を報告し、並べ替えます

図 3.Microsoft Outlook Configuration Analyzer Tool では、重大度に基づいて問題点を報告し、並べ替えます

ツリー型のレポートでは、すべての情報がツリー形式で表示されます。OCAT で検出された問題の詳細情報も参照できます。[Summary View] (概要ビュー) には OCAT で収集された Outlook データの概要が表示され、[Detailed View] (詳細ビュー) ではより深く掘り下げられた結果がトラブルシューティングに役立つリンクと共に表示されます (図 4 参照)。

[Detailed View] (詳細ビュー) には、広範なトラブルシューティングに必要な詳細情報が表示されます

図 4. [Detailed View] (詳細ビュー) には、広範なトラブルシューティングに必要な詳細情報が表示されます

[Detailed View] (詳細ビュー) には、Windows イベント ビューアーに記録された 2 つのイベントとクラッシュの詳細が表示されています。多くのログに記録されたイベントと同様に、詳細リストには、マイクロソフト サポート担当者が問題解決を支援するうえで最も役立つメモリ モジュールと ID が表示されます。

[送信済み] フォルダーが大きすぎてスキャンできないことを報告するアイテムのリンクをたどると、アイテム数が多すぎるフォルダーがパフォーマンスに影響する理由を説明しているマイクロソフトのサポート ページが表示されました。[Detailed View] (詳細ビュー) には、42 個の孤立した Outlook 一時ファイルの名前が表示されるので、それらのファイルを削除するかどうかを判断できます。

このレポートは印刷したり、XML、HTML、CSV などの形式でエクスポートしたりすることもできます。またスキャンの情報も保存されます。各スキャンの内容を確認するには、[Select a Configuration scan to view] (表示する構成スキャンを選択) をクリックします。その後、レポートを表示、エクスポート、または削除できます。

ネットワーク経由で OCAT をリモートで実行することはできません。OCAT は、スキャンするコンピューターに手動でインストールする必要があります。ですが、OCAT は、解決が難しい Outlook の問題を特定して解決するのに役立つユーティリティです。

Lance Whitney

Lance Whitney は、ライターであり、IT コンサルタントであり、ソフトウェア トレーナーでもあります。Windows のワークステーションおよびサーバーをカスタマイズすることに数えきれないほどの時間を費やしてきました。元々はジャーナリストでしたが、1990 年代前半に IT 業界への転向を実現しました。

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