ツールボックス: IT プロフェッショナル向けの新製品
今月のツールボックス コラムで紹介する 2 つのツールは、仮想会議を促進したり、ログ ファイルを追跡して、トラブルシューティングや監視を行ったりするのに役立ちます。
Greg Steen
join.me
電話会議に出席したときに、自分が持っていないドキュメントについて他の人が言及していたことはありませんか。このような状況が発生すると、もどかしく感じるでしょう。仮想化とグローバル化が進む今日のビジネス環境では、"実際に現場にいなくても現場にいられる" ことをサポートするさまざまな方法があります。デスクトップ画面の共有は連絡を取るための 1 つの方法で、これは現代企業に欠かせないツールになっていますが、緊急の会議や社外会議を行うために、デスクトップ画面の共有をセットアップするのにかかる費用や時間が現実的ではないことが多いでしょう。
ある企業がコンピューターの種類や環境を問わず、デスクトップを共有するプロセスを簡略化しました。LogMeIn 社の join.me という製品サービスは、最小限の技術的な要件でユーザーのトレーニングなしで、安全で使いやすいコラボレーション ツールを提供することを目的としています。
この企業が、このツールの利便性によって成功を収めたのは間違いありません。他の人と画面を共有するには、まず join.me.com にアクセスし、[pro] (プロ版) または [basic] (ベーシック版) のどちらかをクリックし、[share] (共有) をクリックします。この操作により、join.me の実行可能ファイルがダウンロードされ、最初のセッションが開始されます。デスクトップに join.me のショートカットが自動的に追加されるので、次回セッションを開始するにはショートカットをダブルクリックするだけで join.me.com にアクセスできます。
自分が共有しているセッションに他の人が参加するには、ビューアーのリンクをコピーして、参加者に送信する必要があります。参加者がリンクをクリックすると、ブラウザーが起動して、指定の URL が表示され、join.me の Adobe Flash クライアント ビューアーが起動します。Windows、Mac、およびモバイル デバイス (iPad、iPhone、または Android) 用のクライアント ビューアーがあります。クライアントのインストールや管理は必要ないため、リモート環境やたとえば客先のオフィスでの商談など 1 回しか使用しない環境で、簡単に使用できます。
通信をセキュリティで保護するために、join.me では、SSL で AES256 を使用して、データを暗号化しています。また、セッション データが join.me サーバーに保存されることはありません。発表者は、簡単に画面を操作できます。画面上部には、参加者と共有できるセッション リンクがあり、その下には join.me のさまざまな機能を操作するボタン バーがあります。
電話のアイコンを使用すると、インターネット通話ができます。この機能では、設定されたオーディオ デバイスを使用して発表者から参加者に対して一方通行の情報伝達を行います。チャットのアイコンを使用すると、発表者と参加者がチャットできます。発表者は、チャットの宛先にすべての参加者または特定の参加者を指定できます。また、ボタン バーの中央にあるラジオ タワーのアイコンをクリックして、接続を切断することなく、即座に画面の共有を一時停止することもできます。人のアイコンを使用すると、現在セッションに接続している参加者を確認できます。また、セッションの参加者であればだれとでも、マウス操作やキーボード操作を共有できます。
さらに参加者をクリックして、その参加者にファイルを送信することもできます。無料で使用できる basic (ベーシック) 版の join.me のその他の機能として、マルチ モニター、最大 250 名の参加者との画面の共有、および join.me 経由でオーディオ会議番号へのダイヤルがあります。pro (プロ) 版を使用すると、basic 版のすべての機能に加えて、優れた特別機能を使用できます。
pro 版では、統合オーディオ、発表者の交代、会議のスケジューラー、ユーザー管理、および国際電話を使用する会議へのアクセス機能など、その他の機能も使用できます。join.me セッションのための個人用リンクを取得し、簡単に会議を開けるようにすることもできます。pro 版の価格は、サブスクリプション ベースで設定されており、1年 149 ドルまたは 1 か月 19 ドルで購入できます。次回、画面を共有したり、プレゼンテーションを行ったりする必要があるときには、join.me は使いやすい画面共有ツールおよび会議ツールとして役立ちます。
mTAIL
ログ ファイルをリアル タイムで監視することはトラブルシューティングをするうえで役に立ちます。Linux や Unix の世界では、ファイルの監視を目的とするよく知られた tail と呼ばれるコマンド ライン ユーティリティがあります。tail と似たようなグラフィカル インターフェイスでログ ファイルを監視する、シンプルで使いやすい Windows ユーティリティに、Olivier Philipp 社の mTAIL があります。mTAIL ログ ファイル ビューアーは単独の実行可能ファイルとして配布されているので、持ち運び可能なユーティリティのコレクションに簡単に追加できます。
ファイルの監視を始めるには、実行可能ファイルをダブルクリックし、監視するログ ファイルを参照して、[start] (開始) をクリックします。mTAIL で同じファイルを何度も開いている場合は、[Add to File Manager] (ファイル マネージャーに追加) ボタンを使用して既知のファイルの一覧に追加できます。また、各ファイルには簡単にアクセスできるようにするエイリアスが設定されます。監視しているログ ファイルがプロセスの出力の場合またはデータを使用する前に事前処理が必要な場合は、ファイル マネージャーのファイルの一覧にコマンド文字列を割り当てることができます。読み取ったファイルを自動オフセットするかどうかを定義したり、ファイルのエンコード (UTF-8 など) を設定したり、読み取りバッファーのサイズと読み取り/更新間隔の周期の両方を定義したりできます。mTAIL ビューアーでは、UTF-8、UTF-16、Big Indian、Low Indian、および標準の Unicode がサポートされています。
ファイルの表示に関しては、1 行のフィルターで特定のパターンを含むまたは除外するという設定を指定して、ハイライトの色を設定できます。これらの設定は、2 つの mTAIL の .ini ファイルに保存できます。また、安全性や移植性を考えて、ファイルの場所を別の場所に設定することもできます。mTAIL を使用してファイルの監視を始めると、ファイル サイズ、ファイルが作成されてからの期間、およびファイルの種類についての有益な情報を示すステータス バーが画面下部に表示されます。更新間隔、読み込んだ行数、および除外された行数に関する統計データも提供されます。
ファイル マネージャーと同様に、メイン インターフェイスでは、読み取りバッファーや行オフセットを変更したり、行フィルターを追加して含める行または除外する行を設定したりできます。指定のテキストが検出されたときに、ハイライト表示したり、音声を鳴らしたり、メールを送信したりする Alert (アラート) と呼ばれる追加のフィルターがあります。Alert (アラート) を有効にした状態で入力フィールドを空欄のままにすると、ファイルのコンテンツが変更されたときにアラートがトリガされます。この設定はエラーのみが記録されるログ ファイルを監視している場合に有効です。アラートがトリガされると、アラート ウィンドウに問題があると思われるコード行がポップ アップ表示され、簡単に確認できます。このビューでは、アラートがトリガされたときに、mTAIL で特定のアプリケーションが起動されるようにすることもできます。
メイン テキスト ビュー領域には、特定の行に対して使用できる多くのコンテキスト メニュー オプションが用意されています。たとえば、選択したテキストをフィルターまたはアラートの条件として追加したり、問題があると思われる行を含む電子メールを送信したりすることができます。テキストの種類によっては、ログ行で通知されたパスやファイルを開いたり、経路を追跡したり、IP やドメインに対して ping を実行したり、ブラウザーで URL を開いたりすることができます。
アラートの電子メールについては SMTP サーバー、資格情報、送信者アドレスの定義など、mTAIL のオプションを構成できます。また、テキスト領域でさまざまな状態の色を定義したり、読みやすくするためにテキスト領域のフォントを設定したり、アラートがトリガされたときのアクション (音声通知、メールの送信、mTAIL アプリケーションを最前面に表示するなど) を定義したりできます。それから、異なるスレッドでファイルを追跡するかどうかを選択したり、スレッドの優先順位を設定したり、[送る] メニューに mTAIL を追加したり、mTAIL ウィンドウを最前面表示したりするように設定することもできます。
mTAIL ビューアーは、商用ではなく、個人で使用する場合は無料で使用できます。商用で使用する場合は (つまり、業務に使用する場合は)、PayPal 経由で 1 ライセンス 30 ドル以上の寄付が必要になります。Linux や Unix の tail コマンドに似たシンプルなファイル監視ツールを探している場合は、Olivier Philipp 社の mTAIL をお試しください。
Greg Steen は技術プロフェッショナルであり、企業家でもあります。また、新製品のファンであるとも言えます。より簡単な操作、品質保証、および開発に役立つ IT プロフェッショナルのための新しいツールを日夜追い求めています。