チュートリアル : Web サイトの公開

[アーティクル]
09/30/2008

更新 : 2007 年 11 月

Microsoft Visual Web Developer の Web 開発ツールの Web サイトの発行ユーティリティを使用して Web サイトをコンパイルし、その出力をアクティブな Web サイトにコピーするための手順を詳しく説明します。

完成した Web サイトをサーバーに配置するには、Microsoft Visual Web Developer の Web 開発ツールに含まれている Web サイトの発行ユーティリティを使用します。Web サイトの発行ユーティリティは、Web サイトのページとコードをプリコンパイルし、コンパイラ出力を指定したフォルダに書き込みます。この出力を対象の Web サーバーにコピーして、そこからアプリケーションを実行できます。

メモ :
Web サイトの発行ユーティリティは、Visual Web Developer Express Edition では使用できません。

このチュートリアルでは、以下のタスクを行います。

Web サイトの発行ユーティリティを使用して、プリコンパイルされた出力を作成します。

前提条件

このチュートリアルを完了させるための要件を次に示します。

Visual Web Developer。

Visual Web Developer Express Edition では、Web サイトの発行ユーティリティはサポートされていません。
Microsoft Internet Information Services (IIS) にアクセスして、Web サイトの公開テストを行います。

このチュートリアルでは、コンピュータで IIS が実行されていることを前提としています。または、IIS のインスタンスに仮想ディレクトリを作成するアクセス許可を付与されている場合は、IIS のインスタンスを使用してもかまいません。

Web サイトの作成

「チュートリアル : Visual Web Developer での基本的な Web ページの作成」を完了して、Visual Web Developer で Web サイトを既に作成している場合は、その Web サイトを使用して、次のセクションに移動できます。それ以外の場合は、次の手順に従って、新しい Web サイトおよびページを作成します。

このチュートリアルでは、ファイルシステム Web サイトを作成します。

ファイルシステム Web サイトを作成するには

Visual Web Developer を開きます。
[ファイル] メニューの [新しい Web サイト] をクリックします。

[新しい Web サイト] ダイアログボックスが表示されます。
[Visual Studio にインストールされたテンプレート] の [ASP.NET Web サイト] をクリックします。
左端の [場所] ボックスの一覧の [ファイルシステム] をクリックします。
右端の [場所] ボックスの一覧に、Web サイトのページを格納するフォルダの名前を入力します。

たとえば、フォルダ名として「C:\WebSites」と入力します。
[言語] ボックスで、作業に使用するプログラミング言語をクリックします。
[OK] をクリックします。

Visual Web Developer によりフォルダが作成され、Default.aspx という名前の新しいページが作成されます。

テストページとクラスの作成

このチュートリアルでは、いくつかのコントロールを持つ Web ページを作成します。Web ページで使用するためのクラスファイルも作成します。Web ページと、別のクラスを作成すると、発行プロセスにおいて Web サイトの内容がどのようにプリコンパイルされるのかを確認できます。

まず、新しいページを作成し、そのページにボタンとラベルを追加します。

ページを作成してコントロールを追加するには

ソリューションエクスプローラで、Web サイトの名前を右クリックし、[新しい項目の追加] をクリックします。
[Visual Studio にインストールされたテンプレート] の [Web フォーム] をクリックします。
[名前] ボックスに「SamplePage.aspx」と入力します。
[言語] ボックスの一覧で、作業に使用するプログラミング言語をクリックします。
[追加] をクリックします。
デザインビューに切り替えます。
ツールボックスの [標準] グループから、Label コントロールをページにドラッグします。
ツールボックスの [標準] グループから、Button コントロールをページにドラッグし、Label コントロールの横に配置します。

次に、プロパティを 1 つだけ持つ単純なクラスのソースコードを作成します。このクラスは、ページのコードで使用します。

クラスを作成するには

ソリューションエクスプローラで、Web サイトの名前を右クリックし、[ASP.NET フォルダの追加] をポイントし、[App_Code] をクリックします。

ソリューションエクスプローラのアプリケーションに新しいフォルダ App_Code が表示されます。App_Code フォルダは、特別に ASP.NET アプリケーションフォルダとしてのみ使用されます。詳細については、「ASP.NET Web サイトのレイアウト」を参照してください。
App_Code フォルダを右クリックし、[新しい項目の追加] をクリックします。
[Visual Studio にインストールされたテンプレート] の [クラス] をクリックします。
[名前] ボックスに「TestClass」と入力します。
[言語] ボックスの一覧で、作業に使用するプログラミング言語をクリックします。

メモ :

ここで選択したプログラミング言語は、.aspx ページで使用するプログラミング言語と同じである必要はありません。
[追加] をクリックします。

Visual Web Developer に、指定したプログラミング言語のスケルトンクラスファイルが作成されます。クラスファイル名の拡張子が、選択した言語と一致していることに注意してください。たとえば、Microsoft Visual Basic でクラスを作成すると、ファイル名の拡張子には .vb が使われます。

メモ :
ここで選択したプログラミング言語は、.aspx ページで使用するプログラミング言語と同じである必要はありません。

TestProperty という名前のプロパティを作成します。

完成したクラスは次のようになります。

Imports Microsoft.VisualBasic
    Public Class TestClass
    Private TestPropertyValue As String
    Public Property TestProperty() As String
        Get
            Return TestPropertyValue
        End Get
        Set(ByVal value As String)
            TestPropertyValue = value
        End Set
    End Property
End Class

using System;
public class TestClass
{
    public TestClass() { }
    private string TestPropertyValue;
    public string TestProperty
    {
        get{ return TestPropertyValue; }
        set{ TestPropertyValue = value; } 
    }
}

これで、クラスをページに使用する準備が整いました。クラスファイルは、使用前にコンパイルする必要はありません。

クラスをページコードで使用するには

SamplePage.aspx を開いて、デザインビューに切り替えます。
Button コントロールをダブルクリックして、このコントロールの Click ハンドラを作成します。

Click ハンドラに、前の手順で作成した TestClass のインスタンスを作成し、TestProperty プロパティに値を割り当て、次に Label コントロールで TestProperty の値を表示します。

完成したコードは、次のように記述されます。

Protected Sub Button1_Click(ByVal sender As Object, _
    ByVal e As System.EventArgs)
    Dim testClass As New TestClass
    testClass.TestProperty = "Hello"
    Label1.Text = testClass.TestProperty
End Sub

protected void Button1_Click(object sender, EventArgs e)
{
    TestClass testClass = new TestClass();
    testClass.TestProperty = "Hello";
    Label1.Text = testClass.TestProperty;
}

サイトのテスト

サイトを発行する前に、サイトをテスト表示して、期待したとおりの操作を行うことができることを確認します。

Web サイトをテストするには

[SamplePage.aspx] ページを開きます。
Ctrl + F5 キーを押します。

ブラウザにページが表示されます。
[Button] をクリックして、テキストが Label コントロールに表示されることを確認します。
ブラウザを閉じます。

Web サイトの発行

Web サイトが完成したので、それを発行します。Web サイトは、ローカルコンピュータ上、または Visual Web Developer でサポートされているプロトコルで接続されたネットワーク上の、アクセス可能ないずれの場所にも発行できます。Web サイトをコピーするためのオプションは次のとおりです。

UNC 共有を使用して、ネットワーク上の別のコンピュータにある共有フォルダにコピーします。
FTP を使用してサーバーにコピーします。
HTTP プロトコルを使用して、Microsoft の FrontPage 2002 Server Extension を、サポートするサーバーにコピーします。

このチュートリアルでは、Web サイトをローカルのフォルダに公開します。

Web サイトを発行するには

[ビルド] メニューの [Web サイトの発行] をクリックします。

[Web サイトの発行] ダイアログボックスが表示されます。

[ターゲットの場所] ボックスに「c:\CompiledSite」と入力します。

注意 :
対象フォルダとそのサブフォルダのすべてのデータが削除されます。したがって、データが入ったフォルダやサブフォルダの名前を誤って入力しないように注意してください。

このチュートリアルの目的を達成するために、ローカルフォルダに公開します。UNC 共有に公開することもできます。HTTP または FTP を使用してリモートの Web サイトに公開する場合は、[ターゲットの場所] ボックスは、リモートサーバーの URL の指定先となります。

このプリコンパイルされたサイトを更新可能にするオプションは、すべてのプログラムコードがコンパイルされてアセンブリが作成されるように指定します。しかし、その .aspx ファイル (単一ファイルの ASP.NET Web ページを含みます) はそのまま対象フォルダにコピーされます。このチュートリアルでは、このオプションを選択しません。詳細については、「Web サイトの公開」を参照してください。

[OK] をクリックします。

Visual Web Developer により Web サイトの内容がプリコンパイルされ、その出力が指定したフォルダに書き込まれます。[出力] ウィンドウに進行状況を示すメッセージが表示されます。コンパイル時にエラーが発生すると、[出力] ウィンドウに表示されます。
発行時にエラーが発生したときは、エラーを修復してから、手順 1. を繰り返します。

Publish Web Site コマンドの出力の検査

Web サイトの発行コマンドの出力の検査を行うと、Visual Web Developer で Web サイトファイルに対し、どのような処理が行われたかがわかります。

Publish Web Site コマンドの出力を検査するには

Windows エクスプローラで、Web サイトの発行コマンドの動作対象として指定したフォルダに移動します。
メモ帳などのテキストエディタで、SamplePage.aspx ファイルを開きます。

ファイルには、最初にユーザーが追加したマークアップは含まれていません。代わりに、.aspx ページは URL の一部として使用できる単なるプレースホルダとなっています。
Bin フォルダに移動します。

このフォルダには 2 種類のファイルがあります。
- 1 つは .compiled ファイルで、ページに対応しています。
- もう 1 つは、作成したクラスファイルなど、Web サイトの実行可能コードの .dll ファイルです。

ユーザーが作成したページ、コード、別個のクラスファイルは、すべてコンパイルされて、実行可能コードに変換されています。

発行された Web サイトのテスト

発行された Web サイトを実行してテストする準備ができました。

発行された Web サイトをテストするには

対象のフォルダを指す IIS 仮想ディレクトリを作成します。

IIS 管理ツールを使用するか、代わりに次の手順を実行します。
1. Windows のエクスプローラで、対象フォルダを右クリックし、[共有とセキュリティ] をクリックします。
2. [共有] タブの [このフォルダを共有する] をクリックします。
  
  [エイリアスの編集] ダイアログボックスが表示されます。
3. 必要に応じてエイリアスを変更します。
  
  既定のアクセス許可では、読み取りアクセスが許可され、ASP.NET ページなどのスクリプトを実行できます。
4. [OK] をクリックして [エイリアスの編集] ダイアログボックスを閉じ、[OK] をクリックして [プロパティ] ダイアログボックスを閉じます。
ブラウザを開いて、次の URL を入力します。

https://localhost/CompiledSite/SamplePage.aspx

SamplePage.aspx ページが開きます。ただし、ここで表示されるのは、プリコンパイラによって配置用に作成されたページです。

次の手順

このチュートリアルでは、プリコンパイルされた Web サイトを発行する基本的な手順について説明しました。次に行う操作で、知識を深めることをお勧めします。

Copy Web ツールを使用して、Web サイトをそのまま (ソースコードのまま) 対象フォルダにコピーします。

詳細については、「Web サイトのコピーツールを使用した Web サイトのコピー」を参照してください。
Web サイトをリモートの IIS Web サイトに発行します。

参照

処理手順

チュートリアル : Copy Web Site ツールを使用した Web サイトのコピー

概念

ASP.NET 配置の概要

Web サイトの公開

次の方法で共有

チュートリアル : Web サイトの公開

前提条件

Web サイトの作成

ファイルシステム Web サイトを作成するには

テストページとクラスの作成

ページを作成してコントロールを追加するには

クラスを作成するには

クラスをページコードで使用するには

サイトのテスト

Web サイトをテストするには

Web サイトの発行

Web サイトを発行するには

Publish Web Site コマンドの出力の検査

Publish Web Site コマンドの出力を検査するには

発行された Web サイトのテスト

発行された Web サイトをテストするには

次の手順

参照

処理手順

概念

その他のリソース

次の方法で共有

チュートリアル : Web サイトの公開

前提条件

Web サイトの作成

ファイル システム Web サイトを作成するには

テスト ページとクラスの作成

ページを作成してコントロールを追加するには

クラスを作成するには

クラスをページ コードで使用するには

サイトのテスト

Web サイトをテストするには

Web サイトの発行

Web サイトを発行するには

Publish Web Site コマンドの出力の検査

Publish Web Site コマンドの出力を検査するには

発行された Web サイトのテスト

発行された Web サイトをテストするには

次の手順

参照

処理手順

概念

その他のリソース

ファイルシステム Web サイトを作成するには

テストページとクラスの作成

クラスをページコードで使用するには