メッセージングの概要
更新 : 2007 年 11 月
Microsoft Windows メッセージ キューを使用すると、アプリケーション開発者は、メッセージの送受信をとおしてアプリケーション プログラムとのやり取りをすばやく確実に行うことができます。メッセージングは、多数のビジネスプロセスを実行する上で、確実なメッセージの配信と堅牢でフェイルセーフな方法を提供します。たとえば、週 7 日、1 日 24 時間稼動させる必要がある小売り POS アプリケーションがあるとします。アプリケーションの背後にあるデータベース システムがダウンした場合、販売スタッフは注文を手動で受け付ける必要があります。メッセージ キューを使用すると、システムのダウン中に処理できない注文を自動的にキューに格納して、データベースが復旧したらすぐに処理するようにシステムをセットアップできます。
Microsoft Visual Studio および Microsoft Windows Software Development Kit (SDK) では、MessageQueue コンポーネントのインスタンスを使用して、既存のメッセージ キューにすばやく簡単に接続し、その内容を調べ、メッセージを送受信できます。また、サーバー エクスプローラを使用して、アクセス可能な任意のサーバー上のメッセージ キューを表示したり、これらのキューに含まれるメッセージに関する情報を表示したりできます。サーバー エクスプローラからコンポーネントのデザイナにキューを追加すると、そのキューとやり取りするコンポーネントを自動的に作成できます。
メッセージ キューとの対話
メッセージングとメッセージは、サーバー ベース アプリケーションのコンポーネントどうしがプロセス間通信を行うための強力で柔軟な機構を提供します。コンポーネント間での直接呼び出しに比べて、メッセージには次のような多数の利点があります。
保全性。メッセージはキューに格納され、適切に処理されるまでキューに保持されるため、コンポーネント間の直接呼び出しに比べて、コンポーネントのエラーによる影響がかなり小さくなります。メッセージ処理が保証されるという点で、メッセージングはトランザクション処理に似ています。
メッセージの優先順位付け。緊急性や重要性が高いメッセージを他のメッセージよりも先に受信できるため、重要なアプリケーションに対して適切な応答時間を保証できます。
オフライン機能。メッセージを一時的なキューに送信し、正しく配信されるまでの間その状態を保つことができます。これにより、必要なキューに何らかの理由でアクセスできない場合でも、ユーザーは操作を続けることができます。その間は、メッセージが既に処理済みであるかのように、ほかの操作を実行できます。これは、ネットワーク接続の回復時にメッセージが配信されることが保証されているためです。
トランザクション メッセージ。いくつかの関連するメッセージを 1 つのトランザクションに結合することで、メッセージが正しい順序で一度だけ配信され、送信先のキューから正しく取得できるようになります。エラーが発生した場合は、トランザクション全体がキャンセルされます。
セキュリティ。MessageQueue コンポーネントの基盤となるメッセージ キュー テクノロジでは、Windows のセキュリティを使用して、コンポーネントが送受信するメッセージのアクセス制御の保護、監査、暗号化および認証を行います。
環境条件
MessageQueue コンポーネントを開発するには、システムが次の条件を満たす必要があります。
サーバー エクスプローラでキュー情報を表示したり、コードからキューにアクセスしたりするには、メッセージ キューをクライアント コンピュータにインストールする必要があります。
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メモ :メッセージ キューをインストールする場合は、接続するプライマリ メッセージ キュー サーバーを選択します。ほかのプライマリ メッセージ キュー サーバー上にあるキューは、表示することも操作することもできません。
メッセージ キューは、ドメイン環境またはワークグループ環境で動作します。メッセージ キューでは、ドメイン コントローラが含まれていて、かつ Active Directory などのディレクトリ サービスを提供する環境をドメイン環境と呼び、そのようなディレクトリ サービスを提供しない環境をワークグループ環境と呼びます。
参照
処理手順
方法 : MessageQueue コンポーネントのインスタンスを作成する