ADO.NET Entity Data Model デザイナの概要

ADO.NET Entity Data Model デザイナ (エンティティ デザイナ) は、ポイント アンド クリック操作で EDM の変更を行えるビジュアル ツールです。エンティティ デザイナを使用すると、エンティティ、アソシエーション、マッピング、および継承関係を視覚的に作成および変更できます。また、EDM を検証することもできます。

エンティティ デザイナを Entity Data Model ウィザードおよびモデルの更新ウィザードと共に使用することで、EDM を生成、編集、および更新できます。

エンティティ デザイナは、次に示すコンポーネントで構成されています。

  • 概念モデルを編集するための視覚的なデザイン画面。エンティティとアソシエーションの作成、変更、または削除を行うことができます。

  • マッピングの表示および編集を行う [マッピングの詳細] ウィンドウ。エンティティ型またはアソシエーションをデータベース テーブル、列、およびストアド プロシージャにマップできます。詳細については、「[マッピングの詳細] ウィンドウ」を参照してください。

  • 概念モデルおよびストレージ モデルのツリー ビューを表示する [モデル ブラウザ] ウィンドウ。詳細については、「[モデル ブラウザ] ウィンドウ」を参照してください。

  • エンティティ、アソシエーション、および継承関係を作成するためのツールボックス コントロール。

エンティティ デザイナは、Visual Studio コンポーネントと統合されています。

エンティティ デザイナは、.edmx ファイルで機能します。.edmx ファイルは、概念スキーマ定義言語 (CSDL)、ストア スキーマ定義言語 (SSDL)、およびマッピング スキーマ言語 (MSL) という 3 つの EDM メタデータ ファイルの組み合わせで構成されます。Entity Data Model ウィザードを実行すると、.edmx ファイルが作成され、ソリューションに追加されます。このファイルは、ウィザードが終了すると自動的にエンティティ デザイナで開きます。.edmx ファイルは、ソリューション エクスプローラ内でダブルクリックしてエンティティ デザイナで開くこともできます。

次のスクリーン ショットは、エンティティ デザイナで開いた .edmx ファイルを示しています。このスクリーン ショットは、概念モデル、[モデル ブラウザ] ウィンドウ、[マッピング詳細] ウィンドウの作成および編集を行う視覚的なデザイン画面です。

EF デザイナのビュー

エンティティ デザイナの使用方法の詳細については、「Entity Data Model ツールのタスク」を参照してください。

エンティティ デザイナでサポートされていない Entity Framework の機能

現在、Entity Framework の以下の機能は、エンティティ デザイナでサポートされていません。

  • Multiple-Entity-Sets-per-Type。

  • ルート型以外のエンティティ セットの作成。

  • Table-Per-Concrete Class マッピング。

  • マッピングの条件での EntityType プロパティの使用。

  • ストレージ モデル要素の編集。

  • マップされていない抽象型。エンティティ デザイナで抽象型のエンティティ型を作成する場合、その型はテーブルまたはビューにマップされている必要があります。

  • アソシエーションのマッピングに対する条件の作成。

  • ストアド プロシージャへのアソシエーションの直接のマッピング。多対多のアソシエーションのマッピングはサポートされていません。その他のアソシエーションは、該当するナビゲーション プロパティをストアド プロシージャ パラメータにマップすることにより、エンティティ型と共にストアド プロシージャに間接的にマップすることができます。

  • Function Import のマッピングに対する条件の作成。

  • 複合型。

  • 注釈。

  • QueryViews

  • 更新関数での影響を受けた行の数を返すパラメータの指定。エンティティ デザイナでは、この出力パラメータを指定するためのユーザー インターフェイスは公開されません。ただし、更新関数でこの出力パラメータが処理されるように .edmx ファイルを手動で編集することができます。

  • 他のモデルへの参照を含むモデル。

    [!メモ]

    エンティティ デザイナでこれらの機能を使用しようとした場合や、.edmx ファイルを手動で編集した場合、エラーが発生してエンティティ デザイナに .edmx ファイルが表示されなくなることがあります。その場合は、ファイルを XML エディタで開くように求められます。

これらの機能の詳細については、「Entity Data Model のマッピング シナリオ (アプリケーション シナリオ)」を参照してください。

参照

その他のリソース

Entity Data Model ウィザード
モデルの更新ウィザード
ADO.NET Entity Data Model デザイナのシナリオ
Entity Data Model ツールのタスク