チュートリアル : MMC を使用した IIS 6.0 での ASP.NET アプリケーションの構成

[アーティクル]
10/22/2014

更新 : 2007 年 11 月

ASP.NET を使用すると、Internet Information Services (IIS) 6.0 で実行するアプリケーションの構成設定を作成できます。構成設定は、次の方法で作成できます。

Web サイト管理ツールを使用する。このツールにより、Web サイトの所有者はローカルまたはリモートで Web サイトを管理できます。詳細については、「ASP.NET Web サイト管理ツール」を参照してください。
configuration API を使用して、プログラムで設定を管理する。詳細については、「ASP.NET 構成 API の概要」を参照してください。
ASP.NET Microsoft 管理コンソール (MMC: Microsoft Management Console) を使用する。MMC を使用することにより、サーバーの管理者は、すべての Web サイト、または特定の Web サイトの構成設定を作成できます。Web サイト管理ツールとは異なり、MMC では Web サーバー全体の構成階層構造を制御できます。

このチュートリアルでは、MMC の使用方法について説明します。Web ページの背景色を表す値を保存するアプリケーション設定を単一の Web サイトに追加します。次に、作成するアプリケーション設定を使用する ASP.NET Web ページを作成します。このチュートリアルで実行する MMC のタスクは、ASP.NET MMC での作業方法の概要を示すためのものです。したがって、複雑ではありません。

このチュートリアルでは、以下のタスクを行います。

ASP.NET MMC を起動する。
MMC で設定を行う。
MMC で行った構成変更の結果を表示する。
IIS マネージャを使用して IIS を構成する方法の詳細については、「Configuring Internet Sites and Services (IIS 6.0)」を参照してください。

メモ :
IIS MMC スナップインを使用してリモートサーバーを構成する場合、[ASP.NET 構成の設定] ダイアログボックスは使用できません。

前提条件

このチュートリアルを実行するために必要な項目や条件は、次のとおりです。

Microsoft Internet Information Services (IIS) 6.0 がローカルコンピュータにインストールされていること
.NET Framework Version 2.0
コンピュータの管理者特権

IIS 仮想ディレクトリの作成

このチュートリアルでは、最初に Web ページのフォルダを作成し、Internet Information Services (IIS) Manager を使用して、このフォルダがポイントする仮想ディレクトリを作成します。

フォルダおよび IIS 仮想ディレクトリを作成するには

コンピュータ上に、Web サイトのファイルを保持するフォルダを作成します。

たとえば、C:\SampleWebSite という名前のフォルダを作成します。
[スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。
[名前] ボックスに「inetmgr」と入力し、[OK] をクリックします。
Internet Information Services (IIS) Manager で、ローカルコンピュータを展開し、[Web サイト] を展開します。
[既定の Web サイト] を右クリックし、[新規作成] をポイントして、[仮想ディレクトリ] をクリックします。

仮想ディレクトリの作成ウィザードが表示されます。
[次へ] をクリックします。
[エイリアス] ボックスに、サイトの名前 (「SampleWebSite」など) を入力し、[次へ] をクリックします。
[パス] ボックスに、手順 1. で作成したフォルダのパスを入力し、[次へ] をクリックします。
[読み取り] チェックボックスおよび [ASP などのスクリプトを実行する] チェックボックスをオンにして、[次へ] をクリックします。次に、[完了] をクリックします。

ASP.NET MMC を使用したアプリケーション設定の作成

これで、ASP.NET MMC を使用して Web サイトの設定を作成できます。

アプリケーション設定を作成するには

Internet Information Services (IIS) Manager で、新しい仮想ディレクトリの名前を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

[<WebSiteName> プロパティ] ダイアログボックスが表示されます。
[ASP.NET] タブの [構成の編集] をクリックします。

[ASP.NET 構成の設定] ダイアログボックスが表示されます。
[全般] タブの [アプリケーションの設定] で、[追加] をクリックします。

[アプリケーション設定の編集と追加] ダイアログボックスが表示されます。
[Key] ボックスに「CustomBGColor」と入力します。
[値] ボックスに「#00FF00」と入力します。これは、緑を表す 16 進数のカラーコードです。
[OK] をクリックして [アプリケーション設定の編集と追加] ダイアログボックスを閉じます。
[OK] をクリックして [ASP.NET 構成の設定] ダイアログボックスを閉じます。
[OK] をクリックして [<WebSiteName> プロパティ] ダイアログボックスを閉じます。

メモ :

Internet Information Services (IIS) Manager は開いたままにしておきます。

メモ :
Internet Information Services (IIS) Manager は開いたままにしておきます。

ASP.NET MMC は、ASP.NET 構成ファイルを編集するためのグラフィカルツールです。このチュートリアルでは、ある Web アプリケーションの構成設定を編集します。つまり、このチュートリアルの最初に作成した Web サイトの Web.config ファイルを編集します。ここでは、Web.config ファイルをチェックして ASP.NET MMC で作成した設定を確認します。

アプリケーション設定を確認するには

Windows エクスプローラで、このチュートリアルの最初に作成したフォルダに移動します。

このフォルダには Web.config ファイルが含まれています。Web サイトの構成設定を作成したときには、Web.config ファイルが存在していなかったため、MMC によって新しい Web.config ファイルが作成されました。
Web.config ファイルをメモ帳などのテキストエディタで開きます。
Web.config ファイルに次の要素が作成されていることを確認します。
```
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<configuration>
    <appSettings>
        <add key="CustomBGColor" value="#00ff00" />
    </appSettings>
</configuration>
```
定義したキーと値のペアを保持するため、MMC によって <appSettings> 要素が作成されています。

アプリケーション設定の使用

これで、MMC で作成したアプリケーション設定を使用する Web ページを作成することにより、この設定をテストできます。

アプリケーション設定を使用するには

このチュートリアルの最初に作成したフォルダ内に新しいテキストファイルを作成し、「Default.aspx」という名前を付けます。

このファイルは、メモ帳などのテキストエディタで編集できます。

Default.aspx ページに次のコードをコピーします。

<%@ Page Language="VB" %>

<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Transitional//EN"
    "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-transitional.dtd">
<script runat="server">
    Protected Function CustomBGColor() As String
        Return ConfigurationManager.AppSettings("CustomBGColor")
    End Function
</script>

<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" >
<head>
    <title>Sample Web Application</title>
</head>
<body style="background-color:<%=CustomBGColor%>">
<form runat="server" id="Form1">
    Body background color:
    <%=CustomBGColor%>
</form>    
</body>
</html>

<%@ Page Language="C#" %>

<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Transitional//EN"
    "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-transitional.dtd">
<script runat="server">
    string CustomBGColor =
         ConfigurationManager.AppSettings["CustomBGColor"];
</script>

<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" >
<head>
    <title>Sample Web Application</title>
</head>
<body style="background-color:<%=CustomBGColor%>">
<form runat="server" id="Form1">
    Body background color:
    <%=CustomBGColor%>
</form>    
</body>
</html>

ブラウザを開いて、次の URL を入力します。
```
https://localhost/SampleWebSite/Default.aspx
```
ブラウザにページが表示されます。
背景色が緑になっていることを確認します。

ASP.NET MMC の設定の変更

ASP.NET MMC を使用して、既存の設定を変更することもできます。

背景色を変更するには

Internet Information Services (IIS) Manager で、仮想ディレクトリを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
[ASP.NET] タブの [構成の編集] をクリックします。
[全般] タブの [アプリケーションの設定] で、CustomBGColor 設定を含む行をクリックし、[編集] をクリックします。
[値] ボックスに、「#0000FF」と入力します。これは、青を表す 16 進数のカラーコードです。
[OK] をクリックして [アプリケーション設定の編集と追加] ダイアログボックスを閉じます。
[OK] をクリックして [ASP.NET 構成の設定] ダイアログボックスを閉じます。
[OK] をクリックして [<WebSiteName> プロパティ] ダイアログボックスを閉じます。
ブラウザを開いて、次の URL を入力します。
```
https://localhost/SampleWebSite/Default.aspx
```
背景色が青になっていることを確認します。

次の手順

このチュートリアルでは、ASP.NET MMC の概要について学びました。これで、Web サーバーコンピュータの管理者として ASP.NET の構成設定を作成できます。場合によっては、ASP.NET の構成設定を他の方法で作業する必要があります。次に行う作業の例を示します。

Web サイト管理ツールを使用して、ある Web サイトの構成設定を作成する。詳細については、「ASP.NET Web サイト管理ツール」を参照してください。
構成 API を使用して、プログラムで構成設定を変更する。詳細については、「ASP.NET 構成 API」を参照してください。

参照

その他の技術情報

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