_creat、_wcreat
更新 : 2007 年 11 月
新しいファイルを作成します。Visual C++ 2005 では、_creat と _wcreat は使用されなくなったので、代わりに _sopen_s、_wsopen_s を使用してください。
int _creat(
const char *filename,
int pmode
);
int _wcreat(
const wchar_t *filename,
int pmode
);
パラメータ
filename
新しいファイルの名前。pmode
権限の設定。
戻り値
正常に実行された場合は、作成したファイルへのファイル記述子を返します。それ以外の場合、この関数は –1 を返し、errno を次の表のように設定します。
errno の設定 |
説明 |
---|---|
EACCES |
filename に、既存の読み取り専用ファイル、またはファイルではなくディレクトリを指定します。 |
EMFILE |
これ以上利用できるファイル記述子がありません。 |
ENOENT |
指定されたファイルが見つかりません。 |
filename が NULL の場合、「パラメータの検証」に説明されているように、この関数は無効なパラメータ ハンドラを呼び出します。実行の継続が許可された場合、これらの関数は errno を EINVAL に設定し、-1 を返します。
リターン コードの詳細については、「_doserrno、errno、_sys_errlist、および _sys_nerr」を参照してください。
解説
_creat 関数は、新しいファイルを作成するか、既存のファイルを開いて切り詰めます。ワイド文字の場合、_creat ではなく _wcreat を使用します。_wcreat の filename 引数はワイド文字列です。それ以外では、_wcreat と _creat の動作は同じです。
汎用テキスト ルーチンのマップ
Tchar.h のルーチン |
_UNICODE および _MBCS が未定義の場合 |
_MBCS が定義されている場合 |
_UNICODE が定義されている場合 |
---|---|---|---|
_tcreat |
_creat |
_creat |
_wcreat |
filename で指定したファイルがない場合は、指定したアクセス許可の設定で新しいファイルを作成し、書き込み用に開きます。指定したファイルが既に存在し、アクセス許可の設定が書き込み許可である場合、_creat はファイル長を 0 に切り詰めて既存の内容を破棄し、書き込み用に開きます。アクセス許可の設定 pmode は、新しく作成したファイルだけに適用されます。新しいファイルに指定したアクセス許可が設定されるのは、初めてファイルを閉じたときからです。整数式 pmode には、SYS\Stat.h で定義されている記号定数 _S_IWRITE と _S_IREAD のいずれか、または両方を指定します。両方を指定する場合は、ビットごとの OR 演算子 (|) で結合します。パラメータ pmode には、次のいずれかの値を設定します。
値 |
定義 |
---|---|
_S_IWRITE |
書き込み許可。 |
_S_IREAD |
読み取り許可。 |
_S_IREAD | _S_IWRITE |
ファイルの読み取りおよび書き込みを許可します。 |
書き込み許可属性を指定しないと、ファイルは読み取り専用になります。すべてのファイルが常に読み取り可能であるため、書き込み専用アクセス許可は指定できません。したがって、_S_IWRITE モードと _S_IREAD| _S_IWRITE モードは同じです。_creat を使用して開いたファイルは、常に _SH_DENYNO を使用して互換モード (「_sopen」を参照) で開かれます。
_creat は、アクセス許可を設定する前に、現在のファイルのアクセス許可マスクを pmode に適用します。「_umask」を参照してください。_creat は、主に以前のライブラリとの互換性のために用意されています。oflag パラメータに _O_CREAT と _O_TRUNC を指定して _open を呼び出すと、_creat と同じ結果になります。新しくコードを記述する場合はこの方法を使用してください。
必要条件
ルーチン |
必須ヘッダー |
オプション ヘッダー |
---|---|---|
_creat |
<io.h> |
<sys/types.h>、<sys/stat.h>、<errno.h> |
_wcreat |
<io.h> または <wchar.h> |
<sys/types.h>、<sys/stat.h>、<errno.h> |
互換性の詳細については、「C ランタイム ライブラリ」の「互換性」を参照してください。
使用例
// crt_creat.c
// compile with: /W3
// This program uses _creat to create
// the file (or truncate the existing file)
// named data and open it for writing.
#include <sys/types.h>
#include <sys/stat.h>
#include <io.h>
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
int main( void )
{
int fh;
fh = _creat( "data", _S_IREAD | _S_IWRITE ); // C4996
// Note: _creat is deprecated; use _sopen_s instead
if( fh == -1 )
perror( "Couldn't create data file" );
else
{
printf( "Created data file.\n" );
_close( fh );
}
}
Created data file.