_stricmp、_wcsicmp、_mbsicmp、_stricmp_l、_wcsicmp_l、_mbsicmp_l
更新 : 2007 年 11 月
文字列の文字を小文字として比較します。
int _stricmp(
const char *string1,
const char *string2
);
int _wcsicmp(
const wchar_t *string1,
const wchar_t *string2
);
int _mbsicmp(
const unsigned char *string1,
const unsigned char *string2
);
int _stricmp_l(
const char *string1,
const char *string2,
_locale_t locale
);
int _wcsicmp_l(
const wchar_t *string1,
const wchar_t *string2,
_locale_t locale
);
int _mbsicmp_l(
const unsigned char *string1,
const unsigned char *string2,
_locale_t locale
);
パラメータ
string1, string2
NULL で終わる比較対象の文字列。locale
使用するロケール。
戻り値
戻り値は、次のように string1 と string2 の関係を示します。
戻り値 |
説明 |
---|---|
< 0 |
string1 buf1 は buf2 より小さいstring2 |
0 |
string1 buf1 と buf2 は等しいstring2 |
> 0 |
string1 buf1 は buf2 より大きいstring2 |
エラーが発生すると、_mbsicmp 関数は、STRING.H と MBSTRING.H で定義されている _NLSCMPERROR を返します。
解説
_stricmp 関数は、string1 と string2 の小文字バージョンを辞書式に比較し、その関係を示す値を返します。_stricmp 関数と _stricoll 関数では、_stricmp 関数での比較が LC_CTYPE に影響を受ける一方、_stricoll 関数での比較はロケールの LC_CTYPE と LC_COLLATE カテゴリに基づいて行われるという点で異なります。LC_COLLATE カテゴリの詳細については、「setlocale、_wsetlocale」および「ロケールのカテゴリ」を参照してください。_l サフィックスが付いていないこれらの関数のバージョンは、ロケールに依存する動作に現在のロケールを使用します。サフィックスが付いているバージョンは、渡されたロケールを代わりに使用することを除いて同じです。詳細については、「ロケール」を参照してください。
_strcmpi 関数の処理内容は _stricmp 関数の場合と同じであり、下位互換性の維持のためだけに用意されています。
stricmp 関数は小文字を比較するため、予測しない動作をすることがあります。
stricmp 関数による大文字と小文字の変換が結果に与える影響について、2 つの文字列 JOHNSTON と JOHN_HENRY を例に説明します。"_" の ASCII コードの値は小文字の S より小さいため、文字列 JOHN_HENRY は JOHNSTON より小さいと見なされます。実際には、ASCII コードの値 91 ~ 96 を持つ文字は、その他の文字より小さいと見なされます。
stricmp 関数の代わりに strcmp 関数を使用すると、JOHN_HENRY は JOHNSTON より大きいと見なされます。
_wcsicmp 関数と _mbsicmp 関数は、_stricmp 関数のワイド文字バージョンとマルチバイト文字バージョンです。_wcsicmp 関数の引数と戻り値はワイド文字列で、_mbsicmp 関数の引数と戻り値はマルチバイト文字列です。_mbsicmp 関数は、現在のマルチバイト コード ページに基づいてマルチバイト文字のシーケンスを認識し、エラー発生時には _NLSCMPERROR を返します。詳細については、「コード ページ」を参照してください。それ以外では、これらの関数の動作は同じです。
_wcsicmp 関数と wcscmp 関数では、wcscmp 関数が比較前にその引数を小文字に変換しないという点を除いて動作は同じです。_mbsicmp 関数と _mbscmp 関数の場合は、_mbscmp 関数が比較前にその引数を小文字に変換しないという点を除いて動作は同じです。
_wcsicmp 関数で Latin 1 文字を処理するには、setlocale 関数を呼び出す必要があります。既定では C ロケールが有効になっているため、たとえば、ä は Ä と等しいと見なされません。_wcsicmp 関数を呼び出す前に、C ロケール以外のロケールを指定して setlocale 関数を呼び出してください。_wcsicmp 関数がロケール指定によってどのように動作するかを次の例で示します。
// crt_stricmp_locale.c
#include <string.h>
#include <stdio.h>
#include <locale.h>
int main() {
setlocale(LC_ALL,"C"); // in effect by default
printf("\n%d",_wcsicmp(L"ä", L"Ä")); // compare fails
setlocale(LC_ALL,"");
printf("\n%d",_wcsicmp(L"ä", L"Ä")); // compare succeeds
}
別の方法としては、_create_locale 関数を呼び出し、パラメータとして返されたロケール オブジェクトを _wcsicmp_l 関数に渡す方法があります。
これらすべての関数で、パラメータが検証されます。string1 または string2 が NULL の場合は、「パラメータの検証」に説明されているように、無効なパラメータ ハンドラが呼び出されます。実行の継続が許可された場合、これらの関数は _NLSCMPERROR を返し、errno を EINVAL に設定します。
汎用テキスト ルーチンのマップ
TCHAR.H のルーチン |
_UNICODE および _MBCS が未定義の場合 |
_MBCS が定義されている場合 |
_UNICODE が定義されている場合 |
---|---|---|---|
_tcsicmp |
_stricmp |
_mbsicmp |
_wcsicmp |
必要条件
ルーチン |
必須ヘッダー |
---|---|
_stricmp, _stricmp_l |
<string.h> |
_wcsicmp, _wcsicmp_l |
<string.h> または <wchar.h> |
_mbsicmp, _mbsicmp_l |
<mbstring.h> |
互換性の詳細については、「C ランタイム ライブラリ」の「互換性」を参照してください。
使用例
// crt_stricmp.c
#include <string.h>
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
char string1[] = "The quick brown dog jumps over the lazy fox";
char string2[] = "The QUICK brown dog jumps over the lazy fox";
int main( void )
{
char tmp[20];
int result;
// Case sensitive
printf( "Compare strings:\n %s\n %s\n\n", string1, string2 );
result = strcmp( string1, string2 );
if( result > 0 )
strcpy_s( tmp, _countof(tmp), "greater than" );
else if( result < 0 )
strcpy_s( tmp, _countof(tmp), "less than" );
else
strcpy_s( tmp, _countof(tmp), "equal to" );
printf( " strcmp: String 1 is %s string 2\n", tmp );
// Case insensitive (could use equivalent _stricmp)
result = _stricmp( string1, string2 );
if( result > 0 )
strcpy_s( tmp, _countof(tmp), "greater than" );
else if( result < 0 )
strcpy_s( tmp, _countof(tmp), "less than" );
else
strcpy_s( tmp, _countof(tmp), "equal to" );
printf( " _stricmp: String 1 is %s string 2\n", tmp );
}
Compare strings:
The quick brown dog jumps over the lazy fox
The QUICK brown dog jumps over the lazy fox
strcmp: String 1 is greater than string 2
_stricmp: String 1 is equal to string 2
.NET Framework の相当するアイテム
参照
参照
strncmp、wcsncmp、_mbsncmp、_mbsncmp_l
_strnicmp、_wcsnicmp、_mbsnicmp、_strnicmp_l、_wcsnicmp_l、_mbsnicmp_l
strrchr、wcsrchr、_mbsrchr、_mbsrchr_l