チュートリアル : ローカルディレクトリオブジェクトの表示

[アーティクル]
09/12/2008

このトピックの手順は、DirectoryEntry を使用してローカルコンピュータ上のユーザー、グループ、およびサービスを一覧表示する方法を示しています。DirectoryEntry は、Active Directory ドメインサービステクノロジを使用してこの情報にアクセスします。このコンポーネントによって作成される各エントリには、プロパティの一覧が含まれています。

ユーザーインターフェイスを作成するには

[ファイル] メニューの [新規作成] をポイントし、[プロジェクト] をクリックします。
[新しいプロジェクト] ダイアログボックスの左側のペインで、[Visual Basic .NET]、[Visual C#]、または [Visual J#] を選択し、[Windows アプリケーション] テンプレートを選択します。プロジェクトに "ActiveDirectory" という名前を付けます。
ツールボックスの [Windows フォーム] タブから、TreeView コントロールを Form1 にドラッグします。
TreeView コントロールの [Name] プロパティを「viewPC」に設定します。このチュートリアルでは、後でこの TreeView コントロールを変更して、ユーザー、グループ、およびサービスのそれぞれについて 1 つずつ、合計 3 つのトップレベルノードが含まれるようにします。第 2 レベルの各ノードは、コンピュータ上に登録されている 1 人のユーザー、1 つのグループ、または 1 つのサービスを表します。各ユーザー、グループ、およびサービスには 2 つの子ノードがあります。1 つは Active Directory ドメインサービスパスのノードで、もう 1 つはプロパティのノードです。

DirectoryEntry コンポーネントを設定するには

[ソリューションエクスプローラ] で、プロジェクトを右クリックし、ショートカットメニューの [参照の追加] をクリックします。
"System.DirectoryServices.dll" への参照を追加します。
ツールボックスの [コンポーネント] タブから、DirectoryEntry コンポーネントのインスタンスをデザイナにドラッグします。
DirectoryEntry コンポーネントの [Name] プロパティを「entryPC」に設定します。

DirectoryEntry コンポーネントの [Path] プロパティを「WinNT://<ドメイン>/<コンピュータ名>」に設定します。DirectoryEntry コンポーネントが Active Directory ドメインサービスの WinNT サービスプロバイダを使用してローカルコンピュータを調べるように、自分のドメイン名とコンピュータ名を使用します。

メモ :
ドメインまたはコンピュータの名前に誤りがある場合、アプリケーションは実行時に例外をスローします。パスに「WinNT://<コンピュータ名>」と入力すると、サービスプロバイダがコンピュータを検出します。

TreeView コントロールにトップレベルノードを追加するには

デザイナで、[Form1] をダブルクリックして、コードエディタに Form_Load イベントハンドラを作成します。

ユーザー、グループ、およびサービスに対して 3 つのトップレベルノードを作成するために必要なコードを Form1_Load メソッドに追加します。このアプリケーションの実行時には、entryPC という名前のコンポーネントの Children プロパティに、Path (ローカルコンピュータ) 内のすべてのエントリが格納されます。子はそれぞれ DirectoryEntry オブジェクトでもあります。コンピュータのパスで WinNT プロバイダを使っているため、子である DirectoryEntry オブジェクトの SchemaClassName プロパティは、"User"、"Group"、"Service" のいずれかになります。SchemaClassName プロパティによって示されるディレクトリエントリの種類に応じて、select または switch ステートメントを使用してノードを適切なグループに追加します。

AddPathAndProperties メソッドは、次の手順で記述します。

Private Sub Form1_Load(ByVal sender As System.Object, _
ByVal e As System.EventArgs) Handles MyBase.Load
   Dim users As New TreeNode("Users")
   Dim groups As New TreeNode("Groups")
   Dim services As New TreeNode("Services")
   viewPC.Nodes.AddRange(New TreeNode() {users, groups, services})

   Dim child As System.DirectoryServices.DirectoryEntry
   For Each child In entryPC.Children
      Dim newNode As New TreeNode(child.Name)
      Select Case child.SchemaClassName
         Case "User"
            users.Nodes.Add(newNode)
         Case "Group"
            groups.Nodes.Add(newNode)
         Case "Service"
            services.Nodes.Add(newNode)
      End Select
      AddPathAndProperties(newNode, child)
   Next
End Sub

private void Form1_Load(object sender, System.EventArgs e)
{
   TreeNode users = new TreeNode("Users");
   TreeNode groups = new TreeNode("Groups");
   TreeNode services = new TreeNode("Services");
   viewPC.Nodes.AddRange(new TreeNode[] { users, groups, services });

   foreach(System.DirectoryServices.DirectoryEntry child 
      in entryPC.Children) 
   {
      TreeNode newNode = new TreeNode(child.Name);
      switch (child.SchemaClassName) 
      {
         case "User" :
            users.Nodes.Add(newNode);   
            break;
         case "Group" :
            groups.Nodes.Add(newNode);   
            break;
         case "Service" :
            services.Nodes.Add(newNode);   
            break;
      }
      AddPathAndProperties(newNode, child);
   }
}

Form1 クラスに次のコードを追加し、AddPathAndProperties メソッドを作成します。node パラメータは、そのエントリに関連付けられた TreeNode オブジェクトを表します。entry パラメータは、ディレクトリ内の 1 つのエントリ (ユーザー、グループ、またはサービスのいずれか) を表します。

DirectoryEntry コンポーネントには、文字列のインデックスが付いたプロパティのコレクションを含む Properties プロパティがあります。このコレクションの内容は、DirectoryEntry コンポーネントのスキーマによって異なります。Properties コレクションには PropertyNames プロパティがあります。これは、プロパティのすべての名前のコレクションです。このコレクションの内容を順次確認することにより、各プロパティを取得できます。各プロパティには、関連付けられた値のコレクションもあります。このメソッドでは、各プロパティの最初の値だけを取得します。

Private Sub AddPathAndProperties(ByVal node As TreeNode, _
ByVal entry As System.DirectoryServices.DirectoryEntry)
   node.Nodes.Add(New TreeNode("Path: " & entry.Path))
   Dim propertyNode As New TreeNode("Properties")
   node.Nodes.Add(propertyNode)

   Dim propertyName As String
   Dim oneNode As String
   For Each propertyName In entry.Properties.PropertyNames
      Try
         oneNode = propertyName & ": " & _
            CType(entry.Properties(propertyName)(0), String)
      Catch
         oneNode = propertyName & ": " & _
            "No text representation."
      End Try
      propertyNode.Nodes.Add(New TreeNode(oneNode))
   Next
End Sub

private void AddPathAndProperties(TreeNode node, 
   System.DirectoryServices.DirectoryEntry entry)
{
   node.Nodes.Add(new TreeNode("Path: " + entry.Path));
   TreeNode propertyNode = new TreeNode("Properties");
   node.Nodes.Add(propertyNode);
   foreach (string propertyName in entry.Properties.PropertyNames) 
   {
      string oneNode = propertyName + ": " + 
         entry.Properties[propertyName][0].ToString();
      propertyNode.Nodes.Add(new TreeNode(oneNode));
   }
}

プログラムを実行するには

F5 キーを押してプログラムを実行します。
ノードを展開して、パスとプロパティについて検査します。各ユーザーは同じスキーマを共有するため、同じプロパティのセットを共有しています。これは、グループノードおよびサービスノードの場合も同様です。

このチュートリアルでは、Active Directory ドメインサービスに対する WinNT サービスプロバイダを使用しました。他に使用できるサービスには、ライトウェイトディレクトリアクセスプロトコル (LDAP: Lightweight Directory Access Protocol)、Novell NDS (NetWare Directory Service)、Novell Netware 3.x サービス (NWCOMPAT) などがあります。各プロバイダでは、ディレクトリの検査および操作のために提供されるオブジェクトのセットがそれぞれ異なります。

ルートパスからエントリを検索するには、DirectorySearcher を使用できます。DirectorySearcher は LDAP プロバイダで動作します。

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