Crystal Reports とは
Crystal Reports は、1993 年から Visual Studio 製品群に加えられ、現在では Visual Studio 用の標準レポート作成ツールになっています。Crystal Reports は Visual Studio の全製品に同梱され、開発環境に直接統合されています。
Crystal Reports for Visual Studio により、Windows 環境に視覚効果の高い対話型のレポートを作成する機能が付加されます。Crystal Reports for Visual Studio を使用すると、GUI ベースのプログラムで複雑かつ専門的なレポートを作成できます。そして、作成したレポートをほとんどすべてのデータベース ソースや、結果セット(ADO.NET データセットなど)などのプロキシ データに接続できます。GUI デザイナ内のウィザードを使用して、書式設定、グループ化、チャート作成などの条件を簡単に設定できます。
作成したレポートは、Crystal Reports for Visual Studio のビューア コントロールの 1 つを使用して、Web アプリケーションまたは Windows アプリケーションのいずれかでホストできます。Windows クライアントおよび HTML 3.2 または 4.0 クライアントでのレポート プレゼンテーションでは、高度な対話的操作が可能で、チャートのドリル ダウン、レポートのナビゲーション、文字列の検索などの機能が提供されます。
Crystal Reports for Visual Studio は、拡張 SDK を同梱しています。この SDK により、次の 4 つのオブジェクト モデルのうちの 1 つを使用して、実行時にプログラムによってレポートと対話できます。
- CrystalReportViewer。最も単純なオブジェクト モデル。
- ReportDocument。拡張オブジェクト モデル。
- ReportClientDocument。最も高度な拡張オブジェクト モデル。このオブジェクト モデルは、Crystal Reports 2008 または RAS サーバーで使用可能です。
- InfoObject。Crystal Reports Server または BusinessObjects Enterprise のフレームワークでレポートのスケジューリングと設定を行うための強力なオブジェクト モデル。
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CrystalReportViewer オブジェクト モデルと ReportDocument オブジェクト モデルは、Crystal Reports for Visual Studio の全バージョンで使用可能です。ReportClientDocument オブジェクト モデルと InfoObject オブジェクト モデルには、更新されたライセンスが必要です。詳細については、「アップグレード オプション」を参照してください。 |
作成したレポートは、次のような多くの方法で Visual Studio プロジェクトに関連付けることができます。
- レポートを直接プロジェクトに埋め込む。
- ファイル ディレクトリから外部的にレポートにアクセスする。
- リモート サーバーからレポート Web サービスとしてレポートにアクセスする。
- Crystal サービスとしてレポートに接続する。
- Crystal Reports Server へのアップグレードにより、RAS サーバー経由でレポートにアクセスする。
- BusinessObjects Enterprise へのアップグレードにより、BusinessObjects Enterprise のフレームワークに含まれる Page Server または RAS サーバー経由でレポートにアクセスする。
Visual Studio プロジェクトでレポートがどのように機能するかについては、次の例を参考にしてください。
Crystal Reports を使用して、ユーザーがそれぞれのニーズに応じてチャートのドリル ダウンや情報のフィルタを実行できるレポートをデザインします。このレポートは ASP.NET プロジェクトに挿入された後、そのレポートにバインドされた CrystalReportViewer コントロールによって Web フォームに表示されます。ReportDocument オブジェクト モデルを使用することにより、ユーザーはこのレポートと対話できます。