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移行の概要

更新 : 2007 年 11 月

以前のバージョンの ASP.NET でビルドされたアプリケーションを ASP.NET Version 2.0 で使用するには、次のいくつかの方法があります。

  • 既存の ASP.NET アプリケーションを ASP.NET 2.0 に移行します。

  • 既存の ASP.NET アプリケーションを移行しないで .NET Framework Version 2.0 で実行します。

  • 既存の ASP.NET アプリケーションと ASP.NET 2.0 アプリケーションとを side-by-side 実行します。

以下では、これら 3 つの方法について説明します。ASP.NET 2.0 の新機能を ASP.NET 1.x アプリケーションで使用するために、Web アプリケーションを移行する必要はありません。しかし、アプリケーションを移行することにより、コードとマークアップとの分離向上、予約済みアプリケーション フォルダ、柔軟な配置オプションなどの利点が得られます。移行による利点は、新しい Web ページ分離コード モデル、Web アプリケーションのフォルダ構造、ページ コンパイル モデルなどの、ASP.NET 2.0 の新機能に関連しています。

互換性のあるアプリケーション バージョンの詳細については、「バージョンの互換性」を参照してください。アプリケーションの互換性に影響する可能性のある、クラス ライブラリに対するパブリック API の変更点の一覧については、「Compatibility Considerations and Version Changes」を参照してください。

移行

ASP.NET を以前のバージョンから ASP.NET 2.0 に移行することは、Web アプリケーションを .NET Framework Version 2.0 でコンパイルできるように変更することを意味します。Web アプリケーションを移行する前に、ASP.NET 2.0 の新機能を理解しておく必要があります。最も重要な検討事項には、ページ分離コード モデル、Web アプリケーションのフォルダ構造、およびページ コンパイル モデルに対する変更点が関連しています。

新しいページ分離コード モデルは部分クラスに基づいており、マークアップとコードとの分離が向上しています。部分クラスを使用することで、分離コード ファイル内のコントロール宣言とイベント ワイヤアップ コードが不要になります。

ASP.NET 2.0 の新しい Web アプリケーション構造では、予約済みフォルダを使用して特定の内容を格納するので、アプリケーションを効率的に編成できます。予約済みフォルダは、Web 要求に対してはその内容を提供しませんが、アプリケーション コードからアクセスできます。詳細については、「ASP.NET Web サイトの構造」を参照してください。

既定では、Web サイト上のリソースが要求されると、アプリケーション コードとその依存リソースが ASP.NET 2.0 により自動的にコンパイルされます。たとえば、ASP.NET 2.0 上で既存の Web ページまたは依存リソースへの変更を保存して、そのページを再度要求するだけで、そのページとリソースを再コンパイルできます。この動作は、App_Code フォルダのコード ファイル、App_GlobalResources フォルダと App_LocalResources フォルダのリソース ファイル、および App_Themes フォルダのテーマに適用されます。ページ コンパイル モデルの詳細については、「ASP.NET コンパイルの概要」を参照してください。

ASP.NET 1.x アプリケーションの ASP.NET 2.0 への移行の詳細については、「ASP.NET 1.x アプリケーションの ASP.NET 2.0 への移行」を参照してください。

多数のページの移行を予定している場合は、Visual Web Developer 2005、Visual Web Developer 2005 Express Edition、Visual Studio 2005、または Visual Studio 2005 Team System を使用することをお勧めします。それぞれに移行ウィザードがあるので、移行に必要な数多くのタスクを自動化できます。ウィザードは、必要な変更を Web ページに対して行って ASP.NET 2.0 互換にします。

ASP を ASP.NET 2.0 に移行する場合、ASP.NET 2.0 は ASP から大幅に機能拡張されているので、必要な変更が多くなります。ASP ページは、ASP.NET の以前のバージョンに移行してから ASP.NET 2.0 に移行するのではなく、直接 ASP.NET 2.0 に移行することをお勧めします。詳細については、「ASP ページから ASP.NET への移行」を参照してください。

その他のテクノロジから ASP.NET への移行に関する情報、および移行に関する一般的な質問については、「Microsoft ASP.NET Developer Center Migration」のサイトを参照してください。

ASP.NET v1.x アプリケーションの .NET Framework 2.0 での実行

以前のバージョンの ASP.NET で作成された Web アプリケーションは、再コンパイルなしで .NET Framework 2.0 で実行できます。.NET Framework 2.0 では、ASP.NET 1.x アプリケーションに対する高度な下位互換性を提供しています。アプリケーションが .NET Framework 2.0 を使用する場合、アプリケーションのページで ASP.NET 2.0 機能を使用できます。

既定では、ランタイムがインストール済みのコンピュータに .NET Framework 2.0 がインストールされても、以前のバージョンの .NET Framework に割り当てられている ASP.NET アプリケーションが、新しいバージョンを使用するよう更新されることはありません。既存の ASP.NET 1.x アプリケーションで .NET Framework 2.0 を使用するように構成する方法については、「方法 : .NET Framework 2.0 で ASP.NET 1.x アプリケーションを実行する」を参照してください。

side-by-side 実行

ASP.NET 1.x アプリケーションと ASP.NET 2.0 アプリケーションは、Microsoft Internet Information Services (IIS) を実行するサーバー上で side-by-side 実行できます。Microsoft 管理コンソール (MMC: Microsoft Management Console) の ASP.NET 用スナップインを使用して、既存の Web アプリケーションを指定したバージョンの ASP.NET で実行するように構成できます。side-by-side 実行では、.NET Framework 1.x で実行しているアプリケーションで ASP.NET 2.0 の機能を使用することはできません。詳細については、「ASP.NET の side-by-side 実行の概要」を参照してください。

参照

概念

バージョンの互換性

ASP.NET Web サイトのレイアウト

ASP.NET の side-by-side 実行の概要

その他の技術情報

ASP.NET Development Center for Migration

ASP.NET 用 MMC スナップイン

ASP.NET 1.x アプリケーションの ASP.NET 2.0 への移行

ASP ページから ASP.NET への移行