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接続のトラブルシューティング (デバイス)

更新 : 2007 年 11 月

開発用コンピュータとデバイス間の接続に関する問題の多くは、セキュリティまたはネットワークに関する問題が原因で発生します。ここでは、接続に関する一般的な問題を特定して解決するのに役立つ情報を示し、セキュリティで保護された信頼性の高い接続を確立する手順について説明します。

デバイス エミュレータへの接続

デバイス エミュレータに接続するには、Visual Studio に用意されているダイレクト メモリ アクセス (DMA: direct memory access) のトランスポートを使用します。このトランスポートを使用すると、開発用コンピュータとエミュレータ間の接続に関するほとんどの問題が解決されます。

ms228835.alert_caution(ja-jp,VS.90).gif重要 :

TCP/IP トランスポートは、特別な理由がない限り使用しないでください。エミュレータで TCP/IP を使用したことが原因で発生した問題を解決するには、次の手順に従います。詳細については、Mobile Developer Center を参照してください。

仮想スイッチ ドライバを開くことができない

エミュレートされた NE2000 カードまたは CS8900 カードを使用してデバイス エミュレータをネットワークに接続する場合は、仮想スイッチ ドライバが必要です。ドライバは、「Mobile Developer Center」からダウンロードできます。

ドライバを開く際にエラーが発生する原因としては、次のような理由があります。

  • ドライバが不足している。

  • 開発用コンピュータ上のネットワーク カードのドライバがインストールされていない。

  • ドライバのインストール中に問題があった。

  • ドライバが無効な状態である。

  • 開発用コンピュータにネットワーク カードがない。

次の手順を使用して、正確な原因を診断します。

エラーの正確な原因を診断するには

  1. [エミュレータのプロパティ] ダイアログ ボックスの [ネットワーク] タブを調べます。

    NE2000 カードと CS8900 カードの一方または両方が有効な場合は、それらが関連付けられているネットワーク カードが存在し、接続されていることを確認します。[エミュレータのプロパティ] ダイアログ ボックスを開くには、デバイス エミュレータで、[ファイル] メニューの [構成] をクリックします。

  2. アダプタのネットワーク プロパティを調べ、[仮想マシン ネットワーク サービス] という項目が存在して有効になっており、バージョンが正しい (2.6.465.224 以降) ことを確認します。

  3. これらの手順により問題が解決されない場合、ドライバを再インストールします。

エミュレータへの配置を行う際のエラー

開発用コンピュータでワイヤレス ネットワーク接続が設定されている場合に TCP トランスポートを使用すると、Microsoft Loopback Adapter のインストールなど、追加の手順が必要になる可能性があります。詳細については、「Mobile Developer Center」を参照してください。

ms228835.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

TCP トランスポートを使用する特別な理由がない限り、ネットワークに関する問題を回避するために、DMA トランスポートを使用してください。

トランスポートを切り替えた後にデバッグできない

エミュレータのトランスポートは変更できますが、デバイスをソフト リセットするまでは、エミュレータは新しいトランスポートにバインドされません。

ms228835.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

DMA トランスポートは、デバイス エミュレータに適したトランスポートです。TCP/IP トランスポートは、特別な理由がない限り使用しないでください。

トランスポートを切り替えるには

  1. Visual Studio で、[ツール] メニューの [オプション] をクリックし、[デバイス ツール] をクリックします。次に、[デバイス] をクリックします。

  2. エミュレータを選択し、[プロパティ] をクリックします。

  3. [トランスポート] ボックスで、別のトランスポートを選択します。

    TCP/IP に切り替える場合は、[構成] をクリックし、追加オプションを設定します。

  4. [OK] をクリックしてダイアログ ボックスを閉じます。

Virtual PC セッションでの実行中にエミュレータに接続できない

この接続に関する問題は、エミュレータに DMA トランスポートを使用することで回避できます。詳細については、「方法 : Virtual PC セッションからデバイス エミュレータに接続する」を参照してください。

デバイス エミュレータのインストールの修復

一般に、デバイス エミュレータへの接続が失敗したことを示すエラーは、インストールのエラーではありません。ただし、次の手順を実行して、デバイス エミュレータのインストールを修復できます。この手順を実行するには、元のインストール メディアが必要です。Visual Studio のインストールを修復しても、デバイス エミュレータのインストールは修復されません。

デバイス エミュレータのインストールを修復するには

  1. Visual Studio の元のインストール メディアで、wcu\ARM に移動します。

    このフォルダの場所は、Disk 1、Disk 2 など、Visual Studio のエディションによって異なります。

  2. vs_emulator.exe をダブルクリックしてデバイス エミュレータ セットアップ ウィザードを開き、ウィザードの指示に従います。

その他のヒント

デバイス エミュレータ独自のヘルプ システムには、その他のヒントが用意されています。詳細については、デバイス エミュレータの [ヘルプ] をクリックし、[目次] タブまたは [キーワード] タブで「接続のトラブルシューティング」を検索してください。

物理デバイスへの接続

デバイスに適切な証明書がない

Smartphone 2003 以降を含む、一部のデバイスでは、セキュリティ上の理由から適切な証明書をインストールする必要があります。日常の開発作業に必要な証明書は、その証明書をインストールするためのツールと共に、Visual Studio に用意されています。

必要な証明書をインストールするには

  1. 使用できる任意の接続機構を使用してデバイスに接続します。

  2. VSDCerts.cab を開発用コンピュータからデバイスにコピーします。

    既定では、VSDCERTS.cab は drive:\Program Files\Microsoft Visual Studio 9.0\SmartDevices\SDK\SDKTools にあります。

  3. デバイスで、VSDCerts.cab を展開して証明書をインストールします。

Windows CE 5.0 デバイスが準備されていない

ActiveSync をサポートしていない Windows CE 5.0 デバイスでは、Visual Studio インスタンスへの接続を確立する前に、準備手順を実行する必要があります。詳細については、「方法 : ActiveSync を使用せずに Windows CE デバイスに接続する」を参照してください。

配置時に予期しない動作が起きる

開発用コンピュータが ActiveSync を通じてあるデバイスに接続されている場合、たとえば Windows CE デバイスとの TCP/IP 接続を確立しようとして接続エラーが発生すると、開発用コンピュータは ActiveSync 接続デバイスに接続されているので、TCP/IP 接続が失敗したことの警告は発行されません。

デバイスのプロンプトを承認した後、接続に失敗した

この問題は、2 階層プロンプト セキュリティ構成を使用する Smartphone デバイスまたは Windows Mobile 6 Standard デバイスで最も頻繁に発生します。Visual Studio は、物理デバイスに接続するときに、そのデバイス上にコア コネクティビリティ ファイルを配置して実行する必要があります。この場合、デバイスに VSDCerts 証明書がインストールされていないと、Visual Studio コア コネクティビリティ ファイルの実行許可を求めるプロンプトが表示されます。このセキュリティ プロンプトを承認した場合でも、接続は失敗します。その理由は、2 階層デバイスは標準の実行許可を与えますが、Visual Studio コア コネクティビリティ ファイルを実行するには特権のあるアクセス許可が必要なためです。

この問題を解決するには、必要な Visual Studio SDK 証明書をインストールするか、デバイスを 1 階層のセキュリティ モデルに変更します。

Visual Studio 2008 のインストール後、Visual Studio 2005 からデバイスへの接続に失敗する

Visual Studio 2008 をインストールすると、Visual Studio 2005 バージョンのコア コネクティビティが新しいバージョンのコア コネクティビティで上書きされます。新しいバージョンのコア コネクティビティは、新しい証明書で署名されており、Visual Studio 2008 がアンインストールされてもデスクトップ上に残ります。Visual Studio 2005 は、コア コネクティビティを使用してデバイスに接続するため、デバイスには Visual Studio 2008 の証明書 (drive:\Program Files\Microsoft Visual Studio 9.0\SmartDevices\SDK\SDKTools\VSDCerts.cab) と Visual Studio 2005 の証明書 (drive:\Program Files\Microsoft Visual Studio 8\SmartDevices\SDK\SDKTools\sdkcerts.cab) の両方がインストールされている必要があります。証明書をインストールするには、CAB ファイルをデバイスにコピーし、ファイル エクスプローラで選択して展開します。

ワイヤレス接続

Visual Studio では、デバイスへの接続にワイヤレス テクノロジを使用できますが、ワイヤレス テクノロジを使用すると、保守性のある正常な接続に悪影響を与える可能性のある別の要因が発生します。このような要因には、IR ポートの不整合、RF 接続におけるシグナルの障害や劣化などがあります。

参照

その他の技術情報

スマート デバイスとエミュレータの使用