次の方法で共有


Windows SharePoint Services プロセス テンプレート プラグイン

更新 : 2007 年 11 月

Windows SharePoint Services プラグインでは、チームのプロジェクト ポータルが SharePoint サイト テンプレートに基づいて定義されます。プラグイン名は、Microsoft.ProjectCreationWizard.Portal です。Windows SharePoint Services XML ファイルは、WssTasks.xml という名前でプロセス テンプレート フォルダ階層の Windows SharePoint Services フォルダに格納されます。必要に応じて、XML ファイルとフォルダの名前を変更できます。

XML ファイル内では、1 つ以上のタスクと依存関係を指定します。指定するタスクで重要なのは 3 つです。それは、どのサイト テンプレートを使用するか、どのドキュメント ライブラリを作成するか、およびどのフォルダとファイルをドキュメント ライブラリにコピーするかです。単純なプロジェクト ポータルを指定するタスクの例については、MSF for Agile Software Development プロセス テンプレートの WssTasks.xml ファイルを参照してください。

ms243868.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

Team Foundation Server には、クライアント側のプラグイン、ポリシー、その他の変更を配置する機構は含まれていません。プラグイン、ポリシー、その他の変更をチーム エクスプローラに配置するには、配布とインストールを行う独自のプログラムを使用する必要があります。

Windows SharePoint Services サイトおよび Windows SharePoint Services 管理の詳細については、『Windows SharePoint Services 管理者ガイド』を参照してください。

サイト テンプレート

プロジェクト ポータルの基になるサイト テンプレートを指定する必要があります。サイト テンプレートは、Team Foundation Server SharePoint Portal でも使用できる必要があります。サイト テンプレートは、プロセス テンプレートに含まれません。

サイト テンプレートの指定には、site 要素を使います。

<site template="" language=""/>

site 要素の属性を次の表に示します。

属性

説明

template

使用するテンプレートを指定します。テンプレートは、テンプレート名と、SharePoint サーバー上の webtemp.xml ファイルにある構成 ID を組み合わせたものです。

language

サイト テンプレートで使用する言語バージョンを示すロケール ID を指定します。英語バージョンは 1033 です。

次の例では、テンプレート VSTS_MSFAgile の英語バージョンを参照します。

  <task id="SharePointPortal"
        name="Create Sharepoint Portal"
        plugin="Microsoft.ProjectCreationWizard.Portal"
        completionMessage="Project site created.">
    <dependencies/>
    <taskXml>
      <Portal>
        <site template="VSTS_MSFAgile" language="1033"/> 
...
ms243868.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

他のすべての Windows SharePoint Services タスクは、このタスクに依存します。プロジェクト ポータルを作成した後でなければ、ドキュメント ライブラリの作成やファイルのコピーは実行できないからです。

カスタム サイト テンプレートの作成

カスタムの SharePoint サイト テンプレートを作成して、プロセス テンプレートと組み合わせて使用できます。SharePoint サイト テンプレートを作成するには、SharePoint サイトの管理機能を使用します。SharePoint サイト テンプレート作成の詳細については、Microsoft Windows SharePoint Services 2.0 のヘルプを参照してください。

作成したカスタムの SharePoint サイト テンプレートは、それを使用する Team Foundation Server に追加する必要があります。まず、カスタム サイト テンプレートを .stp ファイルに保存します。サイト テンプレート保存の詳細については、Microsoft Windows SharePoint Services 2.0 のヘルプを参照してください。

カスタム サイト テンプレートを追加するには、SharePoint サイトを使用するか、コマンド プロンプトを使用します。次の手順は、カスタム サイト テンプレートを Team Foundation Server に追加する方法を示しています。

カスタム サイト テンプレートを Team Foundation Server に追加するには

  1. Team Foundation Server で、コマンド プロンプト ウィンドウを開きます。

  2. コマンド プロンプトで、\Program Files\Common Files\Microsoft Shared\web server extensions\12\bin ディレクトリに変更します。

  3. 次のコマンドを入力して、カスタム サイト テンプレートを Team Foundation Server に追加します。

    stsadm -o addtemplate -filename <custom site template filename>.stp -title <site template title>

  4. iisreset」と入力し、Enter キーを押します。IIS が再起動され、追加したサイト テンプレートが使用できるようになります。

カスタム サイト テンプレートを Team Foundation Server にアップロードした後で、プロセス テンプレートではそれらのサイト テンプレートを使ってチーム プロジェクトを作成できます。次の手順は、プロセス テンプレート XML を変更してカスタム サイト テンプレートを使用する方法を示しています。

カスタム サイト テンプレートをプロセス テンプレートに追加するには

  1. Team Foundation Server で、コマンド プロンプト ウィンドウを開きます。

  2. コマンド プロンプトで、\Program Files\Common Files\Microsoft Shared\web server extensions\12\bin ディレクトリに変更します。

  3. stsadm -o enumtemplates」と入力し、Enter キーを押します。使用できるサイト テンプレートの一覧が表示されます。この情報は、プロセス テンプレート XML を適切に作成するために必要です。

    たとえば、ExCustom という名前のサイト テンプレートを追加した場合は、次のような出力が表示されます。

    ExCustom - Language: 1033 - Site Template: _GLOBAL_#1 - Template Id: 1

    ms243868.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

    テンプレート ID は、サーバーにあるサイト テンプレートの数によって異なる場合があります。

  4. Visual Studio で、[チーム] メニューの [Team Foundation Server の設定] をポイントし、[プロセス テンプレート マネージャ] をクリックします。

  5. プロセス テンプレート マネージャ を使って変更するプロセス テンプレートをダウンロードします。

    プロセス テンプレートのダウンロードの詳細については、「方法 : プロセス テンプレートをダウンロードする」を参照してください。

  6. プロセス テンプレートで、WSSTasks.xml を編集します。

    site 要素を探し、手順 3 で取得したサイト テンプレート名に一致するように template 属性を変更します。次の XML は、ExCustom サンプル テンプレートの site 要素の例を示しています。

    <site template="_GLOBAL_#1" language="1033"/>
    
  7. 更新したプロセス テンプレートをアップロードします。

    プロセス テンプレート アップロードの詳細については、「方法 : プロセス テンプレートをアップロードする」を参照してください。

    ms243868.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

    更新したプロセス テンプレートでは、フォルダに .exe ファイルを含めることはできません。.exe ファイルが含まれていると、更新したプロセス テンプレートが正常にアップロードされた場合でも、プロジェクトの作成はエラーになります。

これで、新しいチーム プロジェクト ウィザードを使ってカスタム プロセス テンプレートから新しいチーム プロジェクトを作成することが可能になりました。新しいチーム プロジェクトでは、プロジェクト ポータルにカスタム サイト テンプレートが使用されます。

ドキュメント ライブラリ

プロジェクト ポータルの作成後に、追加で作成するドキュメント ライブラリを指定できます。ドキュメント ライブラリの指定には documentLibrary 要素を使用します。

<documentLibraries>
   <documentLibrary name="" description=""/>
</documentLibraries>
ms243868.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

ドキュメント ライブラリのバージョン管理をプロセス テンプレート内で有効または無効に設定することはできません。バージョン管理の有効または無効の設定は、Windows SharePoint Services サイト テンプレートを使って、プロジェクトの作成後に実行できます。

documentLibrary 要素に含まれる属性を次の表に示します。

属性

説明

name

プロジェクト ポータルに表示されるドキュメント ライブラリの名前を指定します。

description

プロジェクト ポータルに表示されるドキュメント ライブラリの説明を指定します。

次の例では、開発チームがドキュメントの保存に使用できる Development という名前のドキュメント ライブラリを作成します。

<documentLibraries>
   <documentLibrary name="Development" 
      description=" Documents for the development team "/>
</documentLibraries>

フォルダとファイル

プロジェクト ポータルの作成後に、追加で作成するフォルダを指定できます。また、テンプレート ファイルなどのコピーするファイルを指定できます。

新しいフォルダを作成するには、folder 要素を使用します。

<folders>
   <folder documentLibrary="" name=""/>
</folders>

folder 要素に含まれる属性を次の表に示します。

属性

説明

documentLibrary

フォルダを作成するドキュメント ライブラリを指定します。

name

フォルダの名前を指定します。

次の例では、Trip Reports という名前のフォルダを Development ドキュメント ライブラリに作成します。開発者は、このフォルダに会議または顧客先への訪問に関する出張報告書を保存できます。

<folders>
   <folder documentLibrary="Development"
           name="Trip Reports"/>
</folders>

また、ファイルをドキュメント ライブラリとフォルダにコピーする必要があります。ソース ファイルは、Windows SharePoint Services フォルダに格納します。プロジェクト ポータル上のターゲットを指定する必要があります。

<files>
   <file source="" documentLibrary="" target="" queryId="" /> 
</files>

file 要素の属性を次の表に示します。

属性

説明

source

ファイルのローカル コピーへの相対パスを指定します。一般に、ソースのパス名は常に Windows SharePoint Services で始まります。

documentLibrary

ファイルのコピー先のドキュメント ライブラリの名前です。

target

ファイルのコピー先となるプロジェクト ポータル上のターゲットへの相対パスです。

queryId

ファイルにバインドする作業項目クエリを指定します。ファイルを最初に開いた時点で、このクエリの実行結果がファイルに読み込まれます。この属性は省略可能です。指定するクエリは、workitems.xml ファイルに存在する必要があります。

ms243868.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :
queryId は、.xls ファイルと .mpp ファイルだけに適用されます。

次の例では、Project Checklist という名前のテンプレート ファイルを Project Management フォルダにコピーします。また、この例では、ファイルを最初に開いたときに Project Checklist 作業項目クエリの結果が読み込まれます。

<files>
   <file source="Windows SharePoint Services\Templates\Project Checklist.xls" 
      documentLibrary="Project Management" 
      target="Project Checklist.xls" 
      queryId="Project Checklist" />
</files>
ms243868.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

フォルダとファイルをサイト テンプレートの一部に含めることもできます。その場合、フォルダとファイルを XML に記述する必要はありません。

ms243868.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

Windows SharePoint サイトで .exe ファイルがサポートされていない場合に .exe ファイルを指定すると、プロセス テンプレートを使ってチーム プロジェクトを正しく作成することはできません。

プロセス テンプレートのパフォーマンス

wsstasks.xml 内に指定されたファイルは、プロセス テンプレートをアップロードするときにその一部としてアップロードされます。プロセス テンプレートのサイズは、新しいチーム プロジェクトの作成にかかる時間に影響します。プロセス テンプレートが大きいほど、新しいチーム プロジェクトの作成にかかる時間が長くなります。したがって、プロセス テンプレートのパフォーマンスが低下する場合は、別の方法でファイルを提供することを検討する必要があります。

サイト テンプレートの使用

ファイルを Windows SharePoint サイト テンプレートの一部として含めることができます。これにより、ファイルはプロセス テンプレートからサイト テンプレートに移動し、新しいチーム プロジェクトの作成時のパフォーマンスが向上します。

ただし、ファイルを wsstasks.xml に記述することには利点があります。前記の queryid 属性を使って、Microsoft Project ファイルと Microsoft Excel ファイルをクエリにバインドできます。その結果、ファイルを開いた時点で正しい Team Foundation Server とクエリに接続されるので、チーム メンバは作業が省けます。

代替 Web サイトの使用

複数のチーム プロジェクトで共有される大量のファイルがある場合は、代替 Web サイトを使ってファイルをホストし、プロジェクト ポータルまたは Web ページからファイルにリンクすることができます。この方法を使うと、ファイルをプロジェクト ポータルにコピーする必要がないため、チーム プロジェクト作成時のパフォーマンスも向上します。

プロセス ガイダンス

プロセス ガイダンス ファイルは、Windows SharePoint Services プラグインによってインストールされます。すべてのプロセス ガイダンス ファイルが Windows SharePoint Services\Process Guidance フォルダ下にあり、ファイルをプロジェクト ポータルにコピーするための file 要素がファイルごとに指定されている必要があります。プロセス ガイダンスのカスタマイズの詳細については、「Process Templates and Tools」の「MSF for Agile Software Development」および「MSF for CMMI Process Improvement」のセクションを参照してください。

参照

処理手順

方法 : Windows SharePoint Services の変更を検証する

方法 : プロセス テンプレートをダウンロードする

方法 : プロセス テンプレートをアップロードする