_fcvt_s
更新 : 2007 年 11 月
浮動小数点数を文字列に変換します。この関数は、「CRT のセキュリティ強化」に説明されているように、_fcvt のセキュリティが強化されたバージョンです。
errno_t _fcvt_s(
char* buffer,
size_t sizeInBytes,
double value,
int count,
int *dec,
int *sign
);
template <size_t size>
errno_t _fcvt_s(
char (&buffer)[size],
double value,
int count,
int *dec,
int *sign
); // C++ only
パラメータ
[出力] buffer
変換結果を保持するために供給されるバッファ。[入力] sizeInBytes
バッファのサイズ (バイト数)。[入力] value
変換される数値。[入力] count
小数点以下の桁数を指定します。[出力] dec
格納されている小数点の位置へのポインタ。[出力] sign
格納されている符号インジケータへのポインタ。
戻り値
正常に終了した場合は 0 を返します。エラーが発生した場合の戻り値はエラー コードです。エラー コードは、Errno.h で定義されています。これらのエラーの一覧については、「errno、_doserrno、_sys_errlist、および _sys_nerr」を参照してください。
次の表に示すような無効なパラメータが指定された場合、この関数は「パラメータの検証」に説明されているように、無効なパラメータ ハンドラを呼び出します。実行の継続が許可された場合、この関数は errno を EINVAL に設定し、EINVAL を返します。
エラー条件
buffer |
sizeInBytes |
value |
count |
dec |
sign |
Return |
buffer の値 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
NULL |
any |
any |
any |
any |
any |
EINVAL |
変更されない。 |
NULL 以外 (有効なメモリを指し示している) |
<=0 |
any |
any |
any |
any |
EINVAL |
変更されない。 |
any |
any |
any |
any |
NULL |
any |
EINVAL |
変更されない。 |
any |
any |
any |
any |
any |
NULL |
EINVAL |
変更されない。 |
セキュリティの問題
buffer が有効なメモリを指し示さず、かつ NULL 以外の場合、_fcvt_s 関数はアクセス違反を生成することがあります。
解説
_fcvt_s 関数は、浮動小数点数を null で終わる文字列に変換します。value パラメータは、変換対象の浮動小数点数です。_fcvt_s は、value の数字を文字列として格納し、null 文字 ('\0') を追加します。count パラメータでは、格納する小数点以下の桁数を指定します。余分な桁は、count 桁まで丸められます。この桁数が count の有効桁数より少ない場合は、文字列 に 0 が埋め込まれます。
文字列には数字だけが格納されます。小数点の位置と value の符号は、関数の呼び出し後に dec および sign から取得できます。dec パラメータは、整数値を指します。この整数値は、小数点が文字列の先頭から何文字目にあるのかを示します。0 または負の整数値は、小数点が文字列の先頭より左にあることを示します。sign パラメータは、value の符号を示す整数を指します。value が正の場合整数は 0 に設定され、負の場合は 0 以外の数値に設定されます。
長さが _CVTBUFSIZE のバッファは、すべての浮動小数点値に対応します。
_ecvt_s と _fcvt_s の違いは、count パラメータの解釈にあります。_ecvt_s は count を出力文字列の合計桁数として解釈し、_fcvt_s は ount を小数点以下の桁数として解釈します。
C++ では、この関数の使用はテンプレートのオーバーロードによって簡素化されます。オーバーロードでは、バッファ長を自動的に推論できるため、サイズの引数を指定する必要がなくなります。詳細については、「セキュリティ保護されたテンプレート オーバーロード」を参照してください。
この関数のデバッグ バージョンは、最初にバッファを 0xFD で埋めます。この動作を無効にするには、_CrtSetDebugFillThreshold を使用します。
必要条件
関数 |
必須ヘッダー |
オプション ヘッダー |
---|---|---|
_fcvt_s |
<stdlib.h> |
<errno.h> |
互換性の詳細については、「C ランタイム ライブラリ」の「互換性」を参照してください。
ライブラリ :C ランタイム ライブラリ のすべてのバージョン。
使用例
// fcvt_s.c
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <errno.h>
int main()
{
char * buf = 0;
int decimal;
int sign;
int err;
buf = (char*) malloc(_CVTBUFSIZE);
err = _fcvt_s(buf, _CVTBUFSIZE, 1.2, 5, &decimal, &sign);
if (err != 0)
{
printf("_fcvt_s failed with error code %d\n", err);
exit(1);
}
printf("Converted value: %s\n", buf);
}
Converted value: 120000