次の方法で共有


パフォーマンス カウンタの値の取得

更新 : 2007 年 11 月

パフォーマンス カウンタの値は、いくつかの方法で読み取ることができます。

生データ、計算データ、およびサンプル データ

生の値と計算値は常に変化する値であるのに対して、サンプルはある特定の時点におけるカウンタの静的なスナップショットであるということが理解できれば、生の値、次にくる値 (計算値)、およびサンプルの間のやり取りは簡単に理解できます。生の値、次の値、およびサンプルの関係を次の図に示します。

パフォーマンス カウンタの値 : 生の値、計算値、およびサンプル
Visual Basic パフォーマンス カウンタ値

この図は、Orders Per Second というカウンタに含まれるデータを表しています。このカウンタの生の値は、1 秒ごとに変化する個別のデータ点です。計算平均は、時間の経過と共に増加する受注数を示す線によって表されています。この図では、以下のデータ点が取得されています。

  • ユーザーは NextValue メソッドを使用して、NV1、NV2、および NV3 で表される 3 つの異なる時点での計算値を取得しました。次の値が常に変化しているため、ほかにパラメータを指定しない場合は、各時点において異なる値が取得されます。

  • ユーザーは NextSample メソッドを使用して、S1 と S2 で表される 2 つのサンプルを取得しました。サンプルは値を時間の中で固定するため、ユーザーは 2 つのサンプル値を比較し、それらの値に対して計算を実行できます。

取得方法の比較

RawValue プロパティを使用して生の値を取得すると、計算や比較が行われないため処理が速くなります。たとえば、単にカウンタを使用してシステム内で処理された注文の数を数える場合は、カウンタの生の値を取得できます。生の値の取得の詳細については、「方法 : パフォーマンス カウンタの生の値を取得する」を参照してください。

NextValue メソッドを使用して計算値を取得する方法は、生の値を取得するよりも便利な場合が多いですが、値を計算する時点におけるデータの特異な変動が反映される可能性があるため、非現実的なデータが表示される場合もあります。たとえば、1 秒あたりに処理される注文数を計算するカウンタの場合、ある特定の時点で処理された注文の数が特別に多かったり少なかったりすると、それが平均に反映されて、時間平均として現実的でない値になります。そのような場合、システムの実際のパフォーマンスが誤って理解される可能性があります。計算値の取得の詳細については、「方法 : パフォーマンス カウンタの計算値を取得する」を参照してください。

サンプルは、時間に沿って得られた各種の値を取得、保持、および比較できるため、システムのデータを最も現実に近い形で提供します。異なるカウンタ間で値を比較したり、生データに基づいて値を計算したりする必要がある場合は、NextSample メソッドを使用してサンプルを取得します。ただし、これは NextValue の呼び出しよりもやや多くのリソースを消費します。サンプルの取得の詳細については、「方法 : パフォーマンス カウンタのサンプルを取得する」を参照してください。

NextSample メソッドは、CounterSample 型のオブジェクトを返します。サンプルを取得するときは、CounterSample クラスの RawValueBaseValueTimeStampSystemFrequency などのプロパティにアクセスします。これらのプロパティによって、サンプル データを構成するデータの詳細を知ることができます。

参照

処理手順

方法 : パフォーマンス カウンタの生の値を取得する

方法 : パフォーマンス カウンタの計算値を取得する

方法 : パフォーマンス カウンタのサンプルを取得する

方法 : カウンタおよびカテゴリのリストを取得する

概念

パフォーマンスしきい値の監視の概要