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LINQ クエリ操作での型の関係 (C#)

クエリを効果的に記述するには、クエリ操作全体における変数の型の相互関係を理解する必要があります。 これらの関係を理解しておくと、このドキュメント内の LINQ のサンプルやコード例を理解しやすくなります。 また、var を使用して変数を暗黙的に型指定した場合に、背後でどのような処理が行われるかを理解することもできます。

LINQ のクエリ操作は、データ ソース、クエリ自体、およびクエリの実行において厳密に型指定されます。 クエリの変数の型には、データ ソース内の要素の型および foreach ステートメントの反復変数の型との互換性が必要です。 この厳密な型指定により、コンパイル時に型のエラーが検出され、実際にエラーが発生する前にそのエラーを修正できます。

これらの型の関係を示すために、後の例の大部分では、すべての変数に明示的な型指定を使用しています。 最後の例では、var を使用して暗黙的な型指定を行う場合でも、同じ基本原則が適用されることを示します。

ソース データを変換しないクエリ

次の図は、データの変換を行わない LINQ to Objects クエリ操作を示しています。 ソースには文字列のシーケンスが含まれているので、クエリ出力も文字列のシーケンスです。

LINQ クエリ内のデータ型の関係

  1. データ ソースの型引数によって、範囲変数の型が決まります。

  2. 選択したオブジェクトの型によって、クエリ変数の型が決まります。 ここでは、name は文字列です。 したがって、クエリ変数は IEnumerable<string> になります。

  3. クエリ変数は、foreach ステートメントで反復処理されます。 クエリ変数は文字列のシーケンスなので、反復変数も文字列です。

ソース データを変換するクエリ

次の図は、単純なデータ変換を行う LINQ to SQL クエリ操作を示しています。 このクエリは、Customer オブジェクトのシーケンスを入力として受け取り、Name プロパティのみを結果に選択します。 Name は文字列なので、クエリは出力として文字列のシーケンスを作成します。

データ型を変換するクエリ

  1. データ ソースの型引数によって、範囲変数の型が決まります。

  2. select ステートメントは、完全な Customer オブジェクトではなく、Name プロパティを返します。 Name は文字列なので、custNameQuery の型引数は Customer ではなく string になります。

  3. custNameQuery は文字列のシーケンスなので、foreach ループの反復変数も string です。

次の図は、もう少し複雑な変換を示しています。 select ステートメントは、元の Customer オブジェクトのメンバーを 2 つだけ取り込む匿名型を返します。

データ型を変換するクエリ

  1. データ ソースの型引数は、常にクエリの範囲変数の型です。

  2. select ステートメントによって匿名型が生成されるため、クエリ変数は var を使用して暗黙的に型指定する必要があります。

  3. クエリ変数の型が暗黙的なので、foreach ループの反復変数も暗黙的にする必要があります。

コンパイラによる型情報の推論

クエリ操作における変数の関係を理解することは大切ですが、この処理をコンパイラで自動的に行う方法もあります。 var キーワードは、クエリ操作の任意のローカル変数に使用できます。 次の図は、前に説明した例 2 とまったく同じです。 唯一の違いは、クエリ操作の各変数について、コンパイラが厳密な型を指定するという点です。

暗黙的なキー入力を含む型フロー

var の詳細については、「暗黙的に型指定されるローカル変数 (C# プログラミング ガイド)」を参照してください。

参照

概念

クエリ操作での型の関係 (Visual Basic)

その他の技術情報

C# の LINQ の概要