/Zm (プリコンパイル済みヘッダーのメモリ割り当て制限の指定)
コンパイラがプリコンパイル済みヘッダーを構築するために割り当てるメモリの量を決定します。
/Zmfactor
引数
factor
コンパイラがプリコンパイル済みヘッダーを構築するために使用するメモリの量を決定するスケール ファクター。引数 factor は、コンパイラが定義する作業バッファーの既定のサイズに対する割合です。 引数 factor の既定値は 100 (パーセント) ですが、これを超える量も、これ未満の量も指定することもできます。
解説
以前のバージョンの Visual C++ では、コンパイラはいくつかの独立したヒープを使用し、ヒープにはそれぞれ大きさの限界がありました。 現在では、コンパイラは必要に応じてヒープを合計ヒープ サイズ制限まで動的に拡張します。固定サイズのバッファーはプリコンパイル済みヘッダーを構築するためだけに必要です。 そのため、/Zm コンパイラ オプションを使用する必要はほどんどありません。
/Zm コンパイラ オプションの使用時に、コンパイラがヒープ スペースを使い果たし、C1060 エラー メッセージを出力する場合は、メモリをとり過ぎている可能性があります。 /Zm オプションの削除を検討してください。 コンパイラが C1076 エラー メッセージを出力する場合、付随する C3859 メッセージは引数 factor の値を示します。これは、/Zm コンパイラ オプションを使ってプログラムを再コンパイルする際に使用が推奨される引数です。
既定のプリコンパイル済みヘッダーのバッファー サイズを 75 MB と仮定した場合に factor 引数がメモリ割り当て制限に与える影響を次の表に示します。
factor の値 |
メモリ割り当て制限 |
---|---|
10 |
7.5 MB |
100 |
75 MB |
200 |
150 MB |
1000 |
750 MB |
2000 |
1500 MB |
メモリ割り当て制限を設定する別の方法
Visual Studio 開発環境で /Zm コンパイラ オプションを設定するには
プロジェクトの [プロパティ ページ] ダイアログ ボックスを開きます。 詳細については、「方法 : プロジェクト プロパティ ページを開く」を参照してください。
[C/C++] フォルダーをクリックします。
[コマンド ライン] プロパティ ページをクリックします。
[追加のオプション]ボックスにコンパイラ オプションを入力します。
/Zm コンパイラ オプションをコードから設定するには
- AdditionalOptions を参照してください。