CComCachedTearOffObject クラス

[アーティクル]
08/09/2011

このクラスは、ティアオフインターフェイスの IUnknown を実装します。

template <
   class contained
>
class CComCachedTearOffObject : public IUnknown,
   public CComObjectRootEx< contained::_ThreadModel::ThreadModelNoCS >

パラメーター

contained
CComTearOffObjectBase と、そのティアオフオブジェクトでサポートするインターフェイスから派生したティアオフクラス。

解説

CComCachedTearOffObject は、ティアオフインターフェイスの IUnknown を実装します。 CComTearOffObject クラスは、オーナーオブジェクトの IUnknown とは別に独自の IUnknown を持つ点で CComCachedTearOffObject とは異なります。オーナーオブジェクトとは、ティアオフが作成されているオブジェクトのことです。 CComCachedTearOffObject は、その IUnknown の参照カウントを独自に管理し、カウントが 0 になると自分自身を削除します。しかし、そのティアオフインターフェイスのいずれかに対して問い合わせが行われた場合は、オーナーオブジェクトの IUnknown の参照カウントがインクリメントされます。

ティアオフを実装している CComCachedTearOffObject オブジェクトが既にインスタンス化されている場合、そのティアオフインターフェイスに対する問い合わせが再び行われると、同じ CComCachedTearOffObject オブジェクトが再利用されます。一方、CComTearOffObject によって実装されているティアオフインターフェイスに対してオーナーオブジェクト経由で再び問い合わせが行われた場合は、別の CComTearOffObject がインスタンス化されます。

オーナークラスは FinalRelease を実装し、キャッシュに格納されている、CComCachedTearOffObject 独自の IUnknown に対して Release を呼び出す必要があります。これによって、この IUnknown の参照カウントがデクリメントされます。この結果、CComCachedTearOffObject の FinalRelease が呼び出され、ティアオフが削除されます。