IntelliTrace を使用した再現できないエラーのデバッグ
このトピックの内容は、Visual Studio 2010 Ultimate のみに該当します。
再現できないエラーは、開発者にとって共通する問題です。 たとえば、テスト コンピューターでアプリケーションがクラッシュしましたが、開発コンピューターでは正常に実行される場合などです。
多くの場合、IntelliTrace と テスト マネージャー を併用することで、再現できないエラーの問題を解決できます。 テスト マネージャー は IntelliTrace データを自動的に収集し、IntelliTrace 記録として保存します。この記録は、開発者が Visual Studio を使用して後で開いて利用できます。 Team Foundation Server の作業項目には、テスターが IntelliTrace 記録を開発者と共有できる便利な手段が用意されています。 開発者は、ダンプ ファイルのデバッグを事後検証する場合と同様の方法で問題をデバッグするときに、より多くの情報を利用できます。
ダンプ ファイルは、ある時点 (通常、クラッシュが発生したとき) のアプリケーションの状態を記録したスナップショットです。 IntelliTrace 記録には、時系列で変化するアプリケーションの状態を表す一連のスナップショットが含まれます。 IntelliTrace 記録を使用すると、最終状態だけでなく、アプリケーション実行の初期段階で発生したイベントも表示できます。 この方法による IntelliTrace 記録のデバッグは、ダンプ ファイルのデバッグというよりも、実行中のアプリケーションのデバッグに似ています。
開発者は、Visual Studio で作成された IntelliTrace 記録も共有できます。 このシナリオは、テスト マネージャー で作成された IntelliTrace 記録のデバッグほど一般的ではありません。IntelliTrace 記録の作成、保存、および表示の詳細については、「方法: IntelliTrace 記録を格納して使用する」を参照してください。
作業項目に添付された IntelliTrace 記録をデバッグするには
IntelliTrace 記録を含む作業項目を開きます。
作業項目ウィンドウで、[その他のリンク] をクリックして IntelliTrace 記録をクリックします。この記録は、.iTrace 拡張子があることで識別できます。
[IntelliTrace の概要] ウィンドウで、[スレッド一覧]、[例外データ]、または [テスト ステップ] の項目を展開し、スレッド、例外、またはテスト ステップをダブルクリックして、その時点のアプリケーションのデバッグを開始します。
例外をスローするアプリケーションをデバッグする場合、例外名をダブルクリックし、例外がスローされた時点のデバッグを開始します。
アプリケーションの起動時点のデバッグを開始する場合、[メイン スレッド] をダブルクリックします。
この時点で、記録で収集された任意のイベントに移動し、その時点のアプリケーションの状態を確認できます。 詳細については、「IntelliTrace を使用した移動」を参照してください。
注意
[トレース デバッグ ログ: 概要] ウィンドウを閉じ、改めて開く場合は、[デバッグ] メニューの [ログの概要の表示] をクリックします。