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IntelliTrace によるコードのデバッグの高速化

  • [アーティクル]

このトピックの内容は、Visual Studio 2010 Ultimate のみに該当します。

本来、デバッグは反復的なプロセスです。 そのため、問題を見つけるために、アプリケーションを何度も再起動することもよくあります。 IntelliTrace を使用すると、過去に発生したイベントに関する情報にアクセスできるため、このような再起動回数を減らし、高速にデバッグすることができます。

このトピックの内容

  • デバッグの高速化

  • IntelliTrace の概要

  • IntelliTrace への理解を深める

デバッグの高速化

IntelliTrace で時間を節約する方法の例をいくつか示します。

  • アプリケーションの先頭付近にブレークポイントを設定します。 そのポイントのアプリケーションの状態を観察し、実行を続行します。 後で、最初のブレークポイント ヒットに戻り、確認する場合があります。 IntelliTrace がなければ、アプリケーションを再起動する必要があります。 IntelliTrace を使用すると、[IntelliTrace] ウィンドウでブレークポイント イベントを見つけ、そのブレークポイントをクリックして、ブレークポイントがヒットした時点のアプリケーションの状態を確認できます。 ステータス情報には、データヒントまたは変数ウィンドウで以前に確認した変数が含まれます。

  • アプリケーションによってデータ ファイルまたはレジストリ エントリが破損したことを発見しますが、ファイルまたはレジストリの破損が発生した位置はわかりません。 IntelliTrace がなければ、コード全体を確認して可能性のあるファイルまたはレジストリのアクセスをすべて見つけ、それらのアクセスにブレークポイントを設定してから、アプリケーションを再実行して問題の発生個所を探します。 IntelliTrace を使用すると、収集されたすべてのレジストリまたはファイルのアクセス イベントと、各イベントが発生した時点のアプリケーションの状態を確認できます。

  • 例外が発生します。 IntelliTrace がなければ、例外の特性を示す例外メッセージを受け取りますが、その例外の原因となったイベントに関する情報は限られます。 呼び出し履歴を確認して、例外の原因となった一連の呼び出しを確認できますが、呼び出し中に発生した一連のイベントを確認することはできません。 IntelliTrace を使用すると、例外の前に複数回発生したイベントを確認できます。

IntelliTrace の概要

デバッグに IntelliTrace を使用することで、通常のワークフローを混乱させることなく、一般的な Visual Studio のデバッグ作業を拡張および強化できます。 IntelliTrace の既定設定を使用すると、アプリケーションのパフォーマンスに与える影響を最小限に抑えることができます。 既定のイベント以外に、追加情報を収集することもできます。

IntelliTrace を使用してアプリケーションをデバッグするには

  1. 通常どおり、Visual Studio のデバッグを開始します。

    1. [デバッグ] メニューの [デバッグ開始] をクリックします。

    2. 通常どおりに、Visual Studio デバッガー ウィンドウを使用し、ブレークポイントを設定し、他のデバッグ手順を実行します。

  2. アプリケーションがブレークポイントをヒットしたとき、または [デバッグ] メニューや [IntelliTrace] ウィンドウの [すべて中断] をクリックしたとき、中断モードに自動的に移行します。

  3. 過去のイベントについて詳細情報が必要なときは、[IntelliTrace] ウィンドウを使用します。

    • 次の図のように、IntelliTrace のイベント一覧で確認するイベントをクリックします。

    • イベント一覧をスレッドまたはカテゴリでフィルター処理するには、ウィンドウの上にある 2 つのドロップダウン リストを使用します。

    • 特定の文字列を含むイベントを検索するには、[検索] ボックスにその文字列を入力し、虫眼鏡アイコンをクリックします。

    • 関連ビュー リンクをクリックし、デバッガー ウィンドウで関連情報を確認します。

    • IntelliTrace イベントがファイル アクセス イベントの場合、パス名のリンクをクリックしてファイルを開きます。 完全なパス名を使用できない場合、検索ボックスが表示されます。 検索ボックスを使用してファイルを検索します。

診断イベントを示すデバッグ履歴ウィンドウ

IntelliTrace への理解を深める

既定では、アプリケーションの実行中に発生した指定の IntelliTrace イベントに関する情報が収集されます。たとえば、例外、ブレークポイントのヒットのようなデバッガー イベント、.NET Framework イベントなどです。

さらにデバッガーを強化するには、呼び出しのパラメーターや戻り値など、各呼び出しに関する IntelliTrace 情報を収集するように選択します。 呼び出し情報を収集する場合、IntelliTrace には呼び出しビューなどの追加のツールが用意されています。 呼び出しビューの使用方法については、「IntelliTrace と呼び出し情報」を参照してください。

収集できる情報と収集方法の詳細については、「IntelliTrace 情報の収集」を参照してください。

IntelliTrace のナビゲーション ツールの詳細については、「IntelliTrace を使用した移動」を参照してください。

参照

概念

IntelliTrace を使用したデバッグ