ロード テスト エディターを使用したロード テスト シナリオの編集
ロード テストにはシナリオが含まれ、シナリオには Web パフォーマンス テストまたは単体テストが含まれます。 シナリオは、ロード パターン、テスト ミックス、ブラウザー ミックス、およびネットワーク ミックスを指定するロード テスト内のコンテナーです。 シナリオは、複雑で現実的な作業負荷のシミュレートを可能にするテストの特性を構成するうえで、柔軟性を提供するため重要です。
たとえば、何百人もの顧客が多様な接続速度、多様なブラウザーで同時にアクセスするインターネット フロントエンドを持つ電子商取引サイトをテストしているとします。 同じサイトには、製品を更新し、統計情報を表示するために従業員が内部で使用する管理機能が存在する可能性があります。 このような内部ユーザーは通常、同じブラウザーと高速な LAN 接続を使用してサイトにアクセスします。 このような 2 つの異なるグループのユーザーのプロパティを異なるシナリオにカプセル化することを考慮できます。 各シナリオには、仮想ユーザーの種類を含めることができます。 この例では、Web サイトの仮想顧客を表すロード テスト シナリオと、Web サイトの仮想内部ユーザーを表す別のロード テスト シナリオを作成できます。
新しいロード テスト ウィザードで作成されるシナリオ
ロード テストの作成時に新しいロード テスト ウィザードでシナリオに対して指定した初期構成オプションと設定は、ウィザードの完了後にロード テスト エディターで変更できます。 ロード テスト エディターを使用すると、既存のシナリオのプロパティを変更したり、新しいシナリオをロード テストに追加したりできます。 また、カウンター セットや実行設定を追加することもできます。
シナリオには次のコンポーネントが含まれます。
語句 |
定義 |
ブラウザー ミックス |
仮想ユーザーが Internet Explorer を含む多様な Web ブラウザーで Web サイトを参照する状況をシミュレートします。 |
ロード パターン |
ロード テスト中にアクティブである仮想ユーザーの数および新しいユーザーが開始される割合を指定します。 たとえば、ステップ、持続、およびゴール志向です。 |
テスト ミックス モデル |
ロード テスト シナリオで仮想ユーザーが指定のテストを実行する確率を指定します。 たとえば、TestA を実行する確率が 20% で、TestB を実行する確率が 80% などです。 テスト ミックス モデルは、特定のシナリオにおけるテストの目的を反映している必要があります。 |
テスト ミックス |
テスト ミックスとは、シナリオに含まれる Web パフォーマンス テストと単体テストの選択、およびシナリオ内でのそれらのテストの配分のことです。 |
ネットワーク ミックス |
仮想ユーザーが多様なネットワーク接続で Web サイトを参照する状況をシミュレートします。 ネットワーク ミックスには、LAN、ケーブル モデムなどのオプションが用意されています。 |
ブラウザー ミックス |
ブラウザー ミックスでは、ロード テスト シナリオで仮想ユーザーがさまざまな Web ブラウザーの種類を実行する確率を指定します。 |
カウンター セット |
新しいロード テスト ウィザードでロード テストを作成するときに、初期カウンター セットを追加します。 これらによって、定義済みの重要なカウンター セットがロード テスト用に提供されます。 カウンターは、ロード テスト エディターで管理します。 ロード テストでは、名前付きカウンター セットが提供されており、パフォーマンス カウンター データを分析する際に役立ちます。 カウンター セットはテクノロジ単位で整理されており、ロード テスト、IIS、ASP.NET、SQL などがあります。 ロード テスト シナリオに含めるように指定したコンピューターのカウンター セットを選択できます。 |
ロード テスト シナリオ
シナリオには、ロード テスト エディターを使用して編集できる他のプロパティもいくつかあります。 詳細については、「ロード テスト シナリオのプロパティ」を参照してください。
タスク
タスク |
関連するトピック |
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ロード テスト シナリオの作成および編集: ロード テストには 1 つまたは複数のシナリオが含まれ、シナリオにより、ユーザー グループがサーバー アプリケーションと対話する方法がモデル化されます。 個々のシナリオは、ロード パターン、テスト ミックス、ブラウザー ミックス、およびネットワーク ミックスから構成されています。 これらの設定は、新しいロード テスト ウィザードのページにそれぞれ対応しています。 詳細については「方法: 新しいロード テスト ウィザードを使用して新しいロード テストを作成する」を参照してください。 |
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シナリオにおけるユーザーの対話動作の一時的な停止の追加: 待ち時間は、ユーザーが Web サイトとの対話中に対話を一時的に停止する原因となる行動をシミュレートするために使用されます。 待ち時間は、Web パフォーマンス テストにおける要求から次の要求までの間と、ロード テスト シナリオにおけるテスト イテレーションから次のイテレーションまでの間に発生します。 ロード テストで待ち時間を使用すると、ロード シミュレーションをより正確に作成する上で役立ちます。 |
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シナリオの仮想ユーザー数の指定: ロード パターン プロパティを構成して、ロード テスト中に、シミュレートされたユーザー ロードを調整する方法を指定できます。 Visual Studio Ultimate には、持続、ステップ、およびゴール志向の 3 つの組み込みのロード パターンが用意されています。 ロード パターンを選択し、ロード テストの目的に適したレベルにプロパティを調整します。 |
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シナリオで仮想ユーザーがテストを実行する確率の指定: ロード テスト シナリオで仮想ユーザーが指定のテストを実行する確率を指定する、テスト ミックスを使用できます。 これにより、より現実的なロードをシミュレートできます。 アプリケーションを通じて使用するワークフローを 1 つだけではなく複数設定することができ、エンド ユーザーがアプリケーションとやり取りする形態により近い状態を実現できます。 |
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ロード テスト シナリオでの Web パフォーマンス テストまたは単体テストの追加または削除: ロード テスト シナリオで、Web パフォーマンス テストまたは単体テストを追加または削除できます。 ロード テストには 1 つ以上のシナリオが含まれており、それぞれに 1 つ以上の Web パフォーマンス テストまたは単体テストが含まれています。 |
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シナリオに対する、目的のネットワーク ミックスの構成: ネットワーク ミックスを使用すると、ロード テスト シナリオでネットワーク ロードをより現実的にシミュレートできます。 単一のネットワークの種類の代わりに、複数の種類のネットワークの種類から成るネットワーク ミックスを使用して、ロードが生成されます。 これにより、エンド ユーザーとアプリケーションとのやり取りをより現実的にシミュレートできます。 ネットワーク ミックス モデルには、そのシナリオの目的が反映されている必要があります。 |
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シナリオに対する適切な Web ブラウザー ミックスの選択: ブラウザー ミックスを使用すると、ロード テスト シナリオで Web ロードをより現実的にシミュレートできます。 単一のブラウザーではなく、複数の種類のブラウザーから成るブラウザー ミックスを使用して、負荷が生成されます。 アプリケーションで使用されるブラウザーに、より近い状態でシミュレートできます。 |
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シナリオのテスト イテレーションの設定の構成: ロード テスト エディターと [プロパティ] ウィンドウを使用して、ロード テスト シナリオを編集し、テスト イテレーションの設定を構成できます。 既定では、テスト イテレーションの最大数が未指定のシナリオが設定されます。必要に応じて、シナリオのイテレーションの最大数と、イテレーション間の待機時間を構成できます。 |
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シナリオの遅延設定の構成: ロード テスト エディターと [プロパティ] ウィンドウを使用して、ロード テストでシナリオを開始する前の遅延を指定できます。 たとえば、あるシナリオが作成を開始した項目を別のシナリオが使用する場合などに、[開始時刻の遅延] プロパティを使用することをお勧めします。 項目を使用する側のシナリオを遅延させて、項目を作成する側のシナリオがデータを作成できるようにします。 |
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ロード テスト シナリオで使用するリモート コンピューターの指定: ロード テストの作成後、ロード テスト シナリオのプロパティを編集して、シナリオに含めるテスト エージェントを指定できます。 詳細については、「テスト コントローラーおよびテスト エージェントを使用した複数のテスト コンピューターへのロード テストの分散」を参照してください。 |
関連タスク
ロード テストでは、テクノロジ単位で整理された名前付きカウンター セットが提供されます。これらのカウンター セットは、パフォーマンス カウンター データを分析する際に役立ちます。 カウンター セットには、ロード テスト、IIS、ASP.NET、SQL などがあります。 新しいロード テスト ウィザードでロード テストを作成すると、ロード テストに含めるように指定したコンピューターに対して、定義済みの重要なカウンター セットの初期セットが既定で構成されます。 カウンターは、ロード テスト エディターで管理します。
実行設定とは、ロード テストの実行方法に影響を与えるプロパティのセットです。 実行設定は、[プロパティ] ウィンドウでカテゴリ別に整理されています。
SQL トレース データの収集によるロード テストでのパフォーマンスの監視と向上
ロード テストで SQL トレース ツールを使用すると、SQL Server を使用してデータを格納する Web アプリケーションのパフォーマンスを監視および改善することができます。
方法: テストの設定を使用して 64 ビット プロセスを指定する
64 ビット プロセスを使用する場合は、ロード テストで使用するテストの設定で指定できます。
テスト コントローラーおよびテスト エージェントを使用した複数のテスト コンピューターへのロード テストの分散
コンピューターのグループを使用して、テスト用にシミュレートされた負荷を生成し、複数のコンピューターで同時にリモートでテストを実行することができます。
ロード テストの編集が完了したら、ロード テストを実行してテストが正しく機能していることを検証できます。 ロード テストが正しく実行されるまで、テストの編集と実行のサイクルを繰り返すことができます。