this (C# リファレンス)
this キーワードは、クラスの現在のインスタンスを参照します。拡張メソッドの最初のパラメーターの修飾子としても使用されます。
注意
ここでは、クラス インスタンスでの this の使用について説明します。 拡張メソッドで使用する場合の詳細については、「拡張メソッド (C# プログラミング ガイド)」を参照してください。
this の一般的な使い方を次に示します。
- 似た名前によって隠ぺいされるメンバーを修飾します。たとえば、次のように使います。
public Employee(string name, string alias)
{
// Use this to qualify the fields, name and alias:
this.name = name;
this.alias = alias;
}
オブジェクトを他のメソッドにパラメーターとして渡します。たとえば、次のように使います。
CalcTax(this);
インデクサーを宣言します。たとえば、次のように使います。
public int this[int param]
{
get { return array[param]; }
set { array[param] = value; }
}
静的メンバー関数は、クラス レベルで存在し、オブジェクトの一部ではないため、this ポインターを持っていません。 静的メソッドで this を参照するとエラーになります。
使用例
この例では、似た名前によって隠ぺいされている Employee クラスのメンバー name と alias を修飾するために this が使用されています。 また、別のクラスに属するメソッド CalcTax にオブジェクトを渡すためにも使用されています。
class Employee
{
private string name;
private string alias;
private decimal salary = 3000.00m;
// Constructor:
public Employee(string name, string alias)
{
// Use this to qualify the fields, name and alias:
this.name = name;
this.alias = alias;
}
// Printing method:
public void printEmployee()
{
Console.WriteLine("Name: {0}\nAlias: {1}", name, alias);
// Passing the object to the CalcTax method by using this:
Console.WriteLine("Taxes: {0:C}", Tax.CalcTax(this));
}
public decimal Salary
{
get { return salary; }
}
}
class Tax
{
public static decimal CalcTax(Employee E)
{
return 0.08m * E.Salary;
}
}
class MainClass
{
static void Main()
{
// Create objects:
Employee E1 = new Employee("Mingda Pan", "mpan");
// Display results:
E1.printEmployee();
}
}
/*
Output:
Name: Mingda Pan
Alias: mpan
Taxes: $240.00
*/
C# 言語仕様
詳細については、「C# 言語仕様」を参照してください。 言語仕様は、C# の構文と使用法に関する信頼性のある情報源です。