イテレーションの計画 (CMMI)
イテレーションでソフトウェアを開発すると、作業を増分段階に分割することで、イテレーションが終了するたびにソフトウェアの機能が少しずつ正しく動作するようになります。 最初のイテレーション後であっても、顧客に示す成果を得られることが理想的です。 イテレーションを利用するとフィードバックを早めに受けることができ、早めに軌道修正できるようになります。
イテレーションの計画で重要なのは、イテレーションの期間の決定、その期間中にチームが完了できる作業量の判断、および各イテレーションに含める作業の計画です。
MSF for CMMI Process Improvement テンプレートでは、各作業項目に "イテレーション パス" フィールドが用意されており、イテレーションごとの作業の追跡に役立ちます。 実行する予定のイテレーションが反映されるように、そのパスをカスタマイズできます。 CMMI の詳細については、「Background to CMMI」を参照してください。
このトピックの内容
イテレーションの適切な作業負荷の見積もり
イテレーションのデモとハンドオフのスケジュール
イテレーションの開始
イテレーションの追跡
各要件を実装およびテストするためのタスクの作成
イテレーション計画は、イテレーション用にスケジュールされているタスクの一覧によって表されます。 各タスクは、実装する製品要件にリンクされています。
タスク一覧は、作業内訳クエリおよび進行状況ダッシュボードに表示されます。 詳細については、「進行状況のダッシュボード (CMMI)」を参照してください。
チームは、イテレーションの開始時に、このイテレーション用にスケジュールされている要件を確認し、タスク作業項目を作成します。 タスク作業項目では、要件を満たすために必要な作業 (設計、開発、テストなど) を記述します。
タスクは、Office Excel を使用すると最も簡単に作成して製品要件にリンクすることができます。 詳細については、「作業項目のツリー リストの使用によるトップダウン プランニングの実行 (Excel)」を参照してください。
イテレーション中に、チーム メンバーは、タスクの完了ステータス フィールドと残存作業フィールドを更新します。 チームがこの情報を最新の状態に維持している場合は、進行状況ダッシュボードとその他のレポートに残存作業量が示され、バーンダウン グラフの傾斜で作業を時間どおりに完了できるかどうかが示されます。
イテレーションの適切な作業負荷の見積もり
プロジェクトの計画中に、製品インクリメントを一連の期限付きイテレーションで開発することで合意に達する可能性が高くなります。 通常、これらのイテレーションは 1 週間から 4 週間までさまざまです。
テンプレートには、イテレーションに対して計画される作業量を見積もる際に役立つ次のレポートが用意されています。
すべてのイテレーションの状態 このレポートを使用すると、一連のイテレーションにおけるチームのパフォーマンスを追跡できます。 このレポートを使用して、イテレーションで満たされた要件の数と実績時間数を表示します。
必要条件の概要 このレポートは、すべての要件を区分とイテレーションでフィルター処理し、重要度順に並べ替えて一覧表示します。 このレポートでは、イテレーションでチームが完了した作業量を表示できます。
バーンダウンとバーン レート バーンダウンは、指定した期間の実績作業と残存作業の傾向を示します。 バーン レートは、イテレーションの長さに基づいた実績作業のレートと必要な作業のレートを示します。
イテレーションのデモとハンドオフのスケジュール
関係者に増分機能を示す時期、振り返りのためにチームを集める時期、および妥当性確認テストのために実績作業をハンドオフする時期を計画する必要があります。
通常は、イテレーションの最終日に時間を割り当てて、関係者に機能が正しく動作することを示します。
フィードバックを記録し、プロジェクト ポータルに保存します。 デモで新しいタスクまたは要件が発見された場合は、必要に応じて作業項目を作成します。 作成した項目は、以降のイテレーション計画に盛り込みます。
イテレーションの開始
縮小版のプロジェクト立ち上げによってイテレーションを開始します。 チームを編成します。 イテレーションの目標およびスコープをまとめます。 計画およびターゲットについて話し合い、プレゼンテーションを行います。 すべてのチーム メンバーが状況を十分に把握しており、自己組織化して作業を進めることができることを確認します。 チーム メンバーからの質問を受け付ける時間と場所を設け、会議中に提示された懸案事項またはリスクを記録します。 これらを議事録としてプロジェクト ポータルに格納します。 プロジェクト マネージャーとして、必要に応じてリスクおよび懸案事項の作業項目を作成してフォローアップを行います。
イテレーションの追跡
イテレーション全体で、テンプレートに用意されているレポートを使用して進行状況を毎日監視する必要があります。 残存作業、計画していなかった作業、および必要条件の概要の各レポートに特に注目し、予想と照らし合わせてイテレーションが追跡されていることを確認します。 詳細については、「残存作業レポート」、「計画していなかった作業」、および「必要条件の概要レポート (CMMI)」を参照してください。
その他の技術情報
詳細については、次の Web リソースを参照してください。
Project Retrospectives: A Handbook for Team Reviews (Norman Kerth 著、Dorset House、2001 年)
Agile Retrospectives: Making Good Teams Great (Esther Derby、Diana Larsen 共著、Pragmatic Bookshelf、2006 年)