次の方法で共有


ページ (プロジェクト デザイナー) (Visual Basic)

コンパイル命令を指定するには、プロジェクト デザイナーの [コンパイル] ページを使用します。 このページでは、詳細なコンパイラ オプションや、ビルド前のイベントまたはビルド後のイベントを指定することもできます。

[コンパイル] ページを表示するには、ソリューション エクスプローラーでプロジェクト ノードを選択し、[プロジェクト] メニューの [プロパティ] をクリックします。 プロジェクト デザイナーが表示されたら、[コンパイル] タブをクリックします。

注意

お使いのマシンで、Visual Studio ユーザー インターフェイスの一部の要素の名前や場所が、次の手順とは異なる場合があります。 これらの要素は、使用している Visual Studio のエディションや独自の設定によって決まります。 詳細については、「Visual Studio の設定」を参照してください。

構成とプラットフォーム

次の設定を使用すると、表示または変更する構成とプラットフォームを選択できます。

注意

簡易ビルド構成を使用した場合、デバッグ バージョンとリリース バージョンのどちらをビルドするかの決定はプロジェクト システムによって行われます。 そのため、[構成] および [プラットフォーム] の一覧は表示されません。 詳細については、「デバッグ構成およびリリース プロジェクト構成」を参照してください。

コンパイラ構成オプション

次の設定では、コンパイラ構成オプションを設定できます。

  • [ビルド出力パス]
    このプロジェクト構成の出力ファイルの場所を指定します。 このボックスにビルド出力のパスを入力するか、[参照] をクリックしてパスを選択します。 このパスは、相対パスであることに注意してください。絶対パスを入力しても、相対パスとして保存されます。 既定のパスは bin\Debug\ or bin\Release\ です。 詳細については、「デバッグ構成およびリリース プロジェクト構成」を参照してください。

    簡易ビルド構成を使用した場合、デバッグ バージョンとリリース バージョンのどちらをビルドするかの決定はプロジェクト システムによって行われます。 [デバッグ] メニューの [ビルド] コマンド (F5) を使用すると、指定した [出力パス] に関係なく、デバッグ用の場所にビルドが配置されます。 ただし、[ビルド] メニューの [ビルド] コマンドでは、指定した場所にビルドが配置されます。 詳細については、「デバッグ構成およびリリース プロジェクト構成」を参照してください。

  • [Option Explicit]
    変数の暗黙宣言を許可するかどうかを指定します。 [On] をクリックすると、変数の明示的な宣言が必要になります。 宣言されていない変数を使用している場合、コンパイラによってエラーが報告されます。 変数の暗黙の宣言を許可する場合は、[Off] をクリックします。

    この設定は、/optionexplicit コンパイラ オプションに対応します。

    ソース コード ファイルに Option Explicit ステートメント (Visual Basic) が含まれている場合、ステートメント内の On または Off の値は、[コンパイル] ページの [Option Explicit] 設定をオーバーライドします。

    新しいプロジェクトを作成するとき、[コンパイル] ページの [Option Explicit] 設定は、[オプション] ダイアログ ボックスの [Option Explicit] 設定の値に設定されます。 このダイアログ ボックスの設定値を表示または変更するには、[ツール] メニューの [オプション] をクリックします。 [オプション] ダイアログ ボックスで、[プロジェクトおよびソリューション] を展開し、[Visual Basic の既定値] をクリックします。 [Visual Basic の既定値][Option Explicit] の既定の初期設定は [On] です。

    一般的に、[Option Explicit] を Off に設定することは適切な方法ではありません。 1 つ以上の場所で変数名のスペルを間違えると、プログラムの実行時に予期しない結果が生じる可能性があります。

  • [Option Strict]
    厳密な型指定規則を適用するかどうかを指定します。 [Option Strict][On] の場合に、コンパイル時エラーの原因となる条件を次に示します。

    • 暗黙の縮小変換

    • 遅延バインディング

    • Object 型になる暗黙的な型指定

    暗黙的なデータ型変換が縮小変換である場合、暗黙の縮小変換エラーが発生します。 詳細については、「Option Strict ステートメント」、「暗黙の型変換と明示的な型変換 (Visual Basic)」、および「拡大変換と縮小変換 (Visual Basic)」を参照してください。

    Object 型として宣言された変数のプロパティまたはメソッドに代入されるオブジェクトは、遅延バインディングされます。 詳細については、「Option Strict ステートメント」および「事前バインディングと遅延バインディング (Visual Basic)」を参照してください。

    宣言された変数の適切な型を推論できず、Object の型が推論された場合、暗黙のオブジェクト型エラーが発生します。 このエラーは主に、As 句を使用せずに Dim ステートメントを使用して変数を宣言し、Option Infer が Off である場合に発生します。 詳細については、「Option Strict ステートメント」、「Option Infer ステートメント」、および「Visual Basic 言語仕様」を参照してください。

    [Option Strict] 設定は、/optionstrict コンパイラ オプションに対応します。

    ソース コード ファイルに Option Strict ステートメント が含まれている場合、ステートメント内の On または Off の値は、[コンパイル] ページの [Option Strict] 設定をオーバーライドします。

    プロジェクトを作成するとき、[コンパイル] ページの [Option Strict] 設定は、[オプション] ダイアログ ボックスの [Option Strict] 設定の値に設定されます。 このダイアログ ボックスの設定値を表示または変更するには、[ツール] メニューの [オプション] をクリックします。 [オプション] ダイアログ ボックスで、[プロジェクトおよびソリューション] を展開し、[Visual Basic の既定値] をクリックします。 [Visual Basic の既定値][Option Strict] の既定の初期設定は [Off] です。

    Option Strict の個々の警告。 [コンパイル] ページの [警告の構成] セクションには、Option Strict が On のときにコンパイル時エラーの原因となる 3 つの条件に対応する設定があります。 その 3 つの設定を次に示します。

    • 暗黙の型変換

    • 遅延バインディング (呼び出しは実行時に失敗することがある)

    • 暗黙の型 (想定されるオブジェクト)

    [Option Strict][On] に設定すると、この 3 つの警告の構成の設定はすべて、[エラー] に設定されます。 [Option Strict][Off] に設定すると、これらの設定はすべて、[なし] に設定されます。

    警告の構成の設定を、それぞれ個別に [なし][警告]、または [エラー] に変更できます。 この 3 つの警告の構成の設定をすべて [エラー] に設定すると、Option strict ボックスに On が表示されます。 すべて [なし] に設定すると、このボックスには Off が表示されます。 これらの設定を他の組み合わせにした場合は、[(カスタム)] が表示されます。

  • [Option Compare]
    使用する文字列比較の種類を指定します。 大文字小文字を区別するバイナリの文字列比較を使用するようにコンパイラに指示する場合は、[バイナリ] をクリックします。 ロケール固有の大文字小文字を区別しないテキスト文字列比較を使用する場合は、[テキスト] をクリックします。

    この設定は、/optioncompare コンパイラ オプションに対応します。

    ソース コード ファイルに Option Compare ステートメント が含まれている場合、ステートメント内の Binary または Text の値は、[コンパイル] ページの [Option Compare] 設定をオーバーライドします。

    プロジェクトを作成するとき、[コンパイル] ページの [Option Compare] 設定は、[オプション] ダイアログ ボックスの [Option Compare] 設定の値に設定されます。 このダイアログ ボックスの設定値を表示または変更するには、[ツール] メニューの [オプション] をクリックします。 [オプション] ダイアログ ボックスで、[プロジェクトおよびソリューション] を展開し、[Visual Basic の既定値] をクリックします。 [Visual Basic の既定値][Option Compare] の既定の初期設定は [バイナリ] です。

  • [Option Infer]
    変数の宣言でローカル型の推論を許可するかどうかを指定します。 ローカル型推論を許可するには、[On] を選択します。 ローカル型の推定を禁止するには、[Off] を選択します。

    この設定は、/optioninfer コンパイラ オプションに対応します。

    ソース コード ファイルに Option Infer ステートメント が含まれている場合、ステートメント内の On または Off の値は、[コンパイル] ページの [Option Infer] 設定をオーバーライドします。

    プロジェクトを作成するとき、[コンパイル] ページの [Option Infer] 設定は、[オプション] ダイアログ ボックスの [Option Infer] 設定の値に設定されます。 このダイアログ ボックスの設定値を表示または変更するには、[ツール] メニューの [オプション] をクリックします。 [オプション] ダイアログ ボックスで、[プロジェクトおよびソリューション] を展開し、[Visual Basic の既定値] をクリックします。 [Visual Basic の既定値][Option Infer] の既定の初期設定は [On] です。

  • [警告の構成]
    このテーブルには、ビルド条件の一覧と、各条件に対応する通知レベル ([なし][警告]、または [エラー]) が表示されます。

    既定では、コンパイラの警告すべてが、コンパイル時にタスク一覧に追加されます。 コンパイラが警告やエラーを発行しないようにするには、[すべての警告を表示しない] を選択します。 コンパイラが警告を解決が必要なエラーとして扱うようにするには、[すべての警告をエラーとして扱う] を選択します。

  • [すべての警告を表示しない]
    このドキュメントで既に説明した [警告の構成] テーブルでの指定に従って、コンパイラに通知の発行を許可するかどうかを指定します。 既定では、このチェック ボックスはオフになっています。 コンパイラに警告やエラーを発行しないよう指示する場合は、このチェック ボックスをオンにします。

    この設定は、/nowarn コンパイラ オプションに対応します。

  • [すべての警告をエラーとして扱う]
    警告の処理方法を指定します。 このチェック ボックスは、既定でオフになります。この場合、すべての警告通知が [警告] に設定されたままになります。 すべての警告通知を [エラー] に変更する場合は、このチェック ボックスをオンにします。

    このオプションは、[すべての警告を表示しない] がオフの場合にのみ使用できます。

  • [XML ドキュメント ファイルを生成する]
    ドキュメント情報を生成するかどうかを指定します。 既定では、このチェック ボックスはオンになり、ドキュメント情報を生成して XML ファイルに含めるようにコンパイラに指示します。 ドキュメントを作成しないようにコンパイラに指示するには、このチェック ボックスをオフにします。

    この設定は、/doc コンパイラ オプションに対応します。

  • [COM の相互運用機能に登録]
    マネージ アプリケーションで COM オブジェクト (COM 呼び出し可能ラッパー) を公開し、COM オブジェクトがアプリケーションとやり取りできるようにするかどうかを指定します。

    既定では、このチェック ボックスはオフになります。この場合、アプリケーションは COM 相互運用機能を無効にします。 COM 相互運用機能を有効にする場合は、このチェック ボックスをオンにします。

    このオプションは、Windows アプリケーション プロジェクトやコンソール アプリケーション プロジェクトでは指定できません。

  • [ビルド イベント]
    [ビルド イベント] ダイアログ ボックスにアクセスするには、このボタンをクリックします。 このダイアログ ボックスは、プロジェクトに対するビルド前の構成命令およびビルド後の構成命令を指定するために使用します。 このダイアログ ボックスは、Visual Basic プロジェクトでのみ使用できます。 詳細については、「[ビルド イベント] ダイアログ ボックス (Visual Basic)」を参照してください。

  • [詳細コンパイル オプション]
    [コンパイラの詳細設定] ダイアログ ボックスにアクセスするには、このボタンをクリックします。 [コンパイラの詳細設定] ダイアログ ボックスは、プロジェクトの詳細ビルド構成プロパティを指定するために使用します。 このダイアログ ボックスは、Visual Basic プロジェクトでのみ使用できます。 詳細については、「[ビルドの詳細設定] ダイアログ ボックス (Visual Basic)」を参照してください。

参照

処理手順

方法: コンパイラの警告を有効または無効にする (Visual Basic)

方法: コンパイラの最適化を設定する (Visual Basic)

方法: コンパイラのオプションを設定する (Visual Basic)

方法 : プロジェクトの XML ドキュメントを生成する

方法 : コンポーネントを COM 相互運用機能に登録する

方法: コンパイラの定数を設定する (Visual Basic)

方法 : アプリケーションを特定の種類の CPU に最適化する

方法 : DLL のベース アドレスを指定する

方法 : ビルド イベントを指定する (Visual Basic)

方法 : 構成を作成および編集する

参照

[全般] ([オプション] ダイアログ ボックス - [プロジェクトおよびソリューション])

その他の技術情報

デバッグ構成およびリリース プロジェクト構成

コンパイル プロパティの管理

Visual Basic コンパイラ

履歴の変更

日付

履歴

理由

2011 年 4 月

[Option Explicit][Option Strict][Option Compare][Option Infer] の各設定に関する情報を追加しました。

情報の拡充