次の方法で共有


C++ デバッグ構成のプロジェクト設定

方法 : デバッグ構成とリリース構成を設定する」で説明したように、C または C++ デバッグ構成のプロジェクト設定は [プロパティ ページ] ダイアログ ボックスで変更できます。 次の表は、[プロパティ ページ] ダイアログ ボックスのデバッガー関連の設定の場所を示しています。

使用するデバッガーは [起動するデバッガー] ボックスで指定します。 選択したデバッガーによって、表示されるプロパティが異なります。

各デバッグ プロパティ設定は自動的に作成され、ソリューションを保存するたびに、ソリューションの "ユーザー単位の" ファイル (.vcxproj.user) に保存されます。

[構成プロパティ] フォルダー ([デバッグ] カテゴリ)

設定値

説明

[起動するデバッガー]

実行するデバッガーを指定します。次の中から選択します。

  • [ローカル Windows デバッガー]

  • [リモート Windows デバッガー]

  • [Web Service デバッガー]

  • [MPI クラスター デバッガー]

  • [Web ブラウザー デバッガー]

[コマンド] ([ローカル Windows デバッガー] の場合)

ローカル コンピューターでデバッグするプログラムを起動するコマンドを指定します。

[リモート コマンド] ([リモート Windows デバッガー] の場合)

[アプリケーション コマンド] ([MPI クラスター デバッガー] の場合)

リモート コンピューター上の .exe のパスを指定します。 リモート コンピューターでパスを入力するようにパスを入力します。

[コマンド引数] ([ローカル Windows デバッガー] と [リモート Windows デバッガー] の場合)

[アプリケーション引数] ([MPI クラスター デバッガー] の場合)

  • 上で指定したコマンドの引数を指定します。

このボックスでは、次のリダイレクト演算子を使用できます。

< file

標準入力を file から読み取ります。

> file

標準出力を file に書き込みます。

>> file

標準出力を file に追加します。

2> file

標準エラー出力を file に書き込みます。

2>> file

標準エラー出力を file に追加します。

2> &1

標準エラー出力 (2) を標準出力 (1) と同じ位置に出力します。

1> &2

標準出力 (1) を標準エラー出力 (2) と同じ位置に出力します。

ほとんどの場合、これらの演算子はコンソール アプリケーションでのみ有効です。

[作業ディレクトリ]

デバッグするプログラムの作業ディレクトリを、EXE ファイルがあるプロジェクト ディレクトリを基準とした相対パスで指定します。 この設定を空白のままにした場合、作業ディレクトリはプロジェクト ディレクトリになります。 リモート デバッグの場合、プロジェクト ディレクトリはリモート サーバーにあります。

[アタッチ] ([ローカル Windows デバッガー] と [リモート Windows デバッガー] の場合)

アプリケーションを起動するか、またはアプリケーションにアタッチするかを指定します。 既定の設定は [いいえ] です。

[リモート サーバー名] ([リモート Windows デバッガー] と [MPI クラスター デバッガー] の場合)

アプリケーションをデバッグするコンピューター (自分のコンピューター以外) の名前または Msvsmon server nameを指定します。 コンピューター名は、[プロセス] ダイアログ ボックスから選択することもできます。詳細については、「リモート コンピューターの選択」を参照してください。 ここでコンピューター名を指定する場合は、[接続] で接続の種類も指定する必要があります。

RemoteMachine ビルド マクロには、このプロパティの値を設定します。詳細については、「ビルドのコマンドとプロパティのマクロ」を参照してください。

[接続] ([リモート Windows デバッガー] と [MPI クラスター デバッガー] の場合)

リモート デバッグ用の接続の種類を、標準の接続と認証を使用しない接続の間で切り替えます。 [リモート サーバー名] ボックスでリモート コンピューター名を指定します。 接続の種類には、次のようなものがあります。

  • Windows 認証を使用したリモート接続

  • 認証を使用しないリモート接続 (ネイティブのみ)

メモ   認証を使用しないリモート デバッグを行うと、セキュリティ違反に対してリモート コンピューターが脆弱になる可能性があります。 Windows 認証モードの方がより安全です。

詳細については、「リモート デバッグのセットアップ」を参照してください。

[HTTP URL] ([Web Service デバッガー] と [Web ブラウザー デバッガー] の場合)

デバッグするプロジェクトが存在する URL を指定します。

[デバッガーのタイプ]

使用するデバッガーの種類を指定します。[ネイティブのみ][マネージのみ][混合][自動] (既定)、または [スクリプト] を選択します。

  • [ネイティブのみ] は、アンマネージ C++ コードに使用します。

  • [マネージのみ] は、共通言語ランタイムで実行されるコード (マネージ コード) に使用します。

  • [混合] を選択すると、マネージ コードとアンマネージ コードのデバッガーが起動します。

  • [自動] を選択すると、コンパイラと EXE の情報に基づいてデバッガーの種類が決まります。

  • [スクリプト] を選択すると、スクリプトのデバッガーが起動します。

[環境] ([ローカル Windows デバッガー] の場合)

デバッグするプログラムの環境変数を指定します。 標準的な環境変数の構文 (PATH="%SystemRoot%\..." など) を使用してください。 各変数は、[マージ環境] の設定に基づいて、システム環境をオーバーライドするか、システム環境にマージされます。 設定列内でクリックすると、"... の編集" が表示されます。 そのリンクをクリックして、環境変数を編集します。

[マージ環境] ([ローカル Windows デバッガー] の場合)

[環境] ボックスで指定した変数を、運用するシステムによって定義されている環境にマージするかどうかを決定します。 既定の設定は [はい] です。

[SQL デバッグ] ([MPI クラスター デバッガー] を除くすべて)

SQL プロシージャのデバッグを Visual C++ アプリケーションから有効にします。 既定の設定は [いいえ] です。

C/C++ フォルダー ([全般] カテゴリ)

設定値

説明

[デバッグ情報の形式] (/Z7、/Zi、/ZI (デバッグ情報の形式))

プロジェクトに作成するデバッグ情報の種類を指定します。

既定のオプション (/ZI) では、プログラム データベース (PDB) がエディット コンティニュ互換形式で作成されます。 詳細については、「/Z7、/Zd、/Zi、/ZI (デバッグ情報の形式)」を参照してください。

詳細については、「PDB ファイル」と「DBG ファイル」を参照してください。

[C/C++] フォルダー ([最適化] カテゴリ)

設定値

説明

[最適化]

コンパイラが生成したコードを最適化するかどうかを指定します。 最適化すると、実行されるコードが変更されます。 最適化したコードはソース コードと一致しなくなります。 したがって、デバッグは困難です。

既定のオプション ([無効 (/0d)]) では、最適化は行われません。 最適化を行わずにコードを開発し、実行環境用のコードを作成するときに最適化をオンにできます。

[リンカー] フォルダー ([デバッグ] カテゴリ)

設定値

説明

[デバッグ情報を作成] (/DEBUG (デバッグ情報の生成))

デバッグ情報を含めるようにリンカーに指示します。デバッグ情報の形式は、/Z7、/Zd、Zi、または /ZI で指定されます。

[プログラム データベース ファイルの生成] (/PDB:name)

PDB ファイルの名前を指定します。 [デバッグ情報の形式] で ZI または /Zi を選択する必要があります。

[プライベート シンボルの削除] (/PDBSTRIPPED (プライベート シンボルの除去))

PDB ファイルのプライベート シンボルを含めない場合は、このボックスに PDB ファイルの名前を指定します。 PDB ファイルを生成するいずれかのコンパイラ オプションまたはリンカー オプションを使ってプログラム イメージをビルドするときにこのオプションを指定すると、2 番目のプログラム データベース (PDB) ファイルが作成されます (コンパイラ オプションまたはリンカー オプションの例: /DEBUG、/Z7、/Zd、 /Zi など)。 2 番目の PDB ファイルでは、顧客に提供しないシンボルが省かれています。 詳細については、「/PDBSTRIPPED (プライベート シンボルの除去)」を参照してください。

[マップ ファイルの作成] (/MAP (マップ ファイルの生成))

リンク中にマップ ファイルを生成するようにリンカーに指示します。 既定の設定は [いいえ] です。 詳細については、「/MAP (マップ ファイルの生成)」を参照してください。

[マップ ファイル名] (/MAP:name)

[マップ ファイルの作成] を選択する場合は、このボックスにマップ ファイルを指定できます。 詳細については、「/MAP (マップ ファイルの生成)」を参照してください。

[マップファイルのエクスポート] (/MAPINFO (マップ ファイルに含める情報))

エクスポートされた関数をマップ ファイルに含めます。 既定の設定は [いいえ] です。 詳細については、「/MAPINFO (マップ ファイルに含める情報)」を参照してください。

[デバッグできるアセンブリ] (/MAPINFO (マップ ファイルに含める情報))

リンカーの /ASSEMBLYDEBUG オプションの設定を指定します。 次の値を指定できます。

  • [デバッグできる属性が作成されませんでした。]

  • [ランタイム トラッキングおよび最適化の無効 (/ASSEMBLYDEBUG)]。 これが既定の設定です。

  • [ランタイム トラッキングおよび最適化の有効を無効にする (/ASSEMBLYDEBUG:無効)]

  • [<親またはプロジェクトの既定値から継承>]

  • 詳細については、「/ASSEMBLYDEBUG (DebuggableAttribute の追加)」を参照してください。

[構成プロパティ] フォルダー ([デバッグ] カテゴリ) 内のこれらの設定は、Microsoft.VisualStudio.VCProjectEngine.VCDebugSettings インターフェイスを使用してプログラムで変更できます。 詳細については、「VCDebugSettings」を参照してください。

参照

参照

/ASSEMBLYDEBUG (DebuggableAttribute の追加)

その他の技術情報

Debugging Native Code

デバッグの設定と準備

Visual C++ プロジェクトの作成および管理

ビルドのコマンドとプロパティのマクロ