ReportViewer Web サーバーおよび Windows フォーム コントロール
ReportViewer コントロールは、SQL Server 2008 Reporting Services にホストされているリモート レポートに加えて、Visual Studio のローカルで作成したレポートを表示します。また、レポートに関するユーザーの操作もサポートしています。コントロールには 2 つのバージョンがあります。1 つは ASP.NET ページ用の ReportViewer Web サーバー コントロールで、もう 1 つは Windows フォーム アプリケーションで使用できる ReportViewer Windows フォーム コントロールです。Visual Studio では、使用しているプロジェクトの種類に基づいて、どちらのバージョンを使用してコントロールを埋め込むかが判断されます。たとえば、ReportViewer コントロールを ASP.NET プロジェクトに埋め込む場合は、Web サーバー コントロールが自動的に提供されます。
ReportViewer の機能
どちらのバージョンの ReportViewer コントロールでも、次の機能がサポートされています。
レポート、ツール バー、およびドキュメント マップを表示するための表示領域。ツール バーは構成可能であり、複数ページ レポートでの移動、ズーム、検索、印刷、およびエクスポート機能をサポートするランタイム機能が提供されます。ドキュメント マップは、レポートにマップを明示的に追加した場合に表示されます。
ローカルで処理されるレポートのエクスポート形式のサポート (Excel、PDF、Word、および画像)。レポート サーバーでレポートをエクスポートする場合、レポート サーバーがサポートするすべてのエクスポート形式を使用できます。
注 ローカルで処理されるレポートをエクスポートする場合、画像のエクスポート形式を選択できるのはプログラムからのみです。プログラムから使用するには、ASP.NET の Render メソッドと、Windows フォームの Render(String, String, CreateStream, array<Warning[]%) メソッドを使用します。
処理モード、表示領域、およびツール バーを構成するためのプロパティ。
レポートを処理する場所、および方法を制御するためのローカル処理モードおよびリモート処理モードのサポート。ローカル処理モードでは、Visual Studio のローカルで作成されたクライアント レポート定義を処理します。リモート処理モードでは、SQL Server Reporting Services レポート サーバーで完全に処理されたレポートが表示されます。
コードを使用してコントロールのカスタマイズ、構成、操作を行うためのプログラム インターフェイス。実行時に ReportViewer で使用されるデータ ソースを変更することもできます。
Web サーバー コントロールと Windows フォーム コントロールの機能の相違点
使用するコントロールの種類によって、レポートの既定の表示形式とツール バーの表示特性が決まります。レポートの処理および配置戦略には他にも相違点があります。次の表で、ReportViewer Web サーバー コントロールと Windows フォーム コントロールの違いについて説明します。
既定の表示形式 |
Web サーバー コントロールでは HTML 形式を使用してレポートが表示されますが、Windows フォーム コントロールでは GDI (Graphical Device Interface) を使用して Windows ユーザー インターフェイスのスタイルと同様の表示が提供されます。 |
処理 |
ローカル レポート処理は、Windows フォーム コントロールでは必ず非同期的に実行されます。Web サーバー コントロールは、既定ではローカル レポート処理が、IIS サーバーに対する非同期ポストバックを通じて非同期的に実行されますが、同期ポストバックを使用するように構成することもできます。 |
配置 |
ASP.NET アプリケーションの Web サーバー コントロールでホストされているレポートの配置戦略では、セッションの状態と Web ファーム構成を考慮する必要があります。 |
ブラウザー要件 |
Web サーバー コントロールには、ブラウザーの要件があります。Web サーバー コントロールで提供されているすべてのレポート機能を使用するには、スクリプトを有効にして Microsoft Internet Explorer 6.0 以降を使用する必要があります。その他のブラウザーも使用できますが、レポートの機能が一部制限されます。詳細については、「ReportViewer Web サーバー コントロールのブラウザー サポート」を参照してください。 |
このようなコントロール間の相違点を理解するだけでなく、各処理モードの相違について理解することも重要です。詳細については、「ReportViewer コントロール (Visual Studio)」を参照してください。
関連項目
タスク
チュートリアル : ローカル処理モードでの ReportViewer Web サーバー コントロールとデータベースのデータ ソースの使用法